2023.10.09
シカゴマラソンが10月8日、米国の当地で行われ、ケルヴィン・キプトゥム(ケニア)が2時間0分35秒の世界新記録を樹立した。
気鋭の23歳がマラソン新時代の幕開けを告げる快走を見せた。
昨年12月のバレンシアで2時間1分53秒と初マラソンながら、2時間1分台をマークしていたキプトゥムは、今年4月のロンドンでは世界歴代2位(当時)の2時間1分25秒で圧勝。
ロンドンは冷雨という条件のなか、前半のハーフを1時間1分40秒で通過したのち、30km以降にペースアップ。35kmまでの5kmを13分台にまで上げ、後半ハーフが59分45秒というタイムを叩きだし、世界記録(2時間1分09秒)を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)を凌ぐとも言われる能力を発揮していた。
それから半年。気象条件に恵まれたシカゴで、ロンドンを上回る衝撃的な走りを見せた。10kmを28分42秒とロンドンよりも30秒速いペースを刻むと、中間点は1時間0分48秒と1分近いアドバンテージを奪う。
そして、今回も30km過ぎから一気にペースを上げると、35kmまでの5kmは13分51秒とギアチェンジ。35kmから40kmまでも14分01秒にまとめ、この時点でキプチョゲの世界記録の通過タイムを30秒も上回ることに成功した。
シカゴでの後半のハーフはロンドンとほとんど変わらない59分47秒。前半でのペースアップが世界新記録につながったかたちとなった。
レース後も余裕の表情を見せながら、観客の声援に応えたキプトゥム。インタビューでは「あまり準備ができていなくて、今日は世界記録更新は頭になかった」と不安のなかでのレースだったことを告白したが、「いつかは世界記録を破れるとは思っていたが、今日がその日になってとても幸せだ」と白い歯をこぼした。
男子マラソン界は五輪2連覇を果たし、世界記録も保持していたキプチョゲが王者として君臨。39歳を目前にもかかわらず、9月のベルリンでは6度目の優勝を飾り、王者健在を示している。ただ、年齢による衰えを指摘する声も少なからずあり、“主役交代”の時期は遠くないとも言われている。
そこに現れた23歳のキプトゥム。今回の記録更新で世代交代を印象づけるとともに、夢の「2時間切り」が現実味を帯びてきたことを証明してみせた。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.25
箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」
-
2025.03.25
-
2025.03.25
-
2025.03.25
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.19
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
-
2025.03.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.25
箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」
関東学生陸上競技連盟は3月25日、箱根駅伝予選会のスタート時刻について、次回から変更すると発表した。 前回までは午前9時35分スタートだったが、第102回大会予選会から午前8時30分スタートと、約1時間前倒しする。 「温 […]
2025.03.25
100mH福部真子「引退しないといけないのかな…」菊池病の公表に葛藤も「あとで後悔したくない」元気な姿アピール
女子100mハードル日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)がインタビューに応じ、昨年末に公表した「菊池病」と発覚した時の状況や、今の調子、復帰に向けた思いを聞いた。 「元気です!見てもらった通り!」。オンラインで画面越 […]
2025.03.25
大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート
2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で始まった。全国から選手約270人が参加し、20度を超える汗ばむ陽気の中で打ち解けながら練習に取り組ん […]
2025.03.25
HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」
デッカーズジャパンは3月25日、パフォーマンスフットウェア&アパレルブランド「HOKA」の人気シリーズの新作シューズ「CLIFTON 10(クリフトン 10)」の発売に先駆けてメディア向けの商品説明会・トークセッションを […]
2025.03.25
富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」
富士通が3月25日、2025年度新加入選手の合同取材会見を開き、男子長距離の篠原倖太朗(駒大)、平林樹(城西大)、鈴木康也(麗澤大)、女子400mハードルの山本亜美(立命大)が登壇した。 城西大の主将を務めた平林は「こう […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報