◇第92回日本インカレ(9月14日~17日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)4日目
日本インカレ4日目に女子3000m障害が行われ、山田桃愛(玉川大)が10分06秒30で強さを見せて初優勝を飾った。玉川大のインカレ優勝は2001、02年と5000mを連覇した斎藤由貴以来21年ぶりとなる。
「気温が上がって心配でしたが、最後まで走り切れて良かったです」と笑顔の山田。教育実習との兼ね合いで練習が積めていなかったと言うが、「1000mまではリズムを合わせて、2000mから仕掛けようと思っていました」。前に出たいシーンでも「グッと最後まで耐えました」とプランを遂行した。
昨年の日本インカレでは最後の水濠でバランスを崩して転倒。9位になったが、左足を着いた際に第五中足骨を骨折したままスパートして悪化したという。
「3、4ヵ月ほど走れなくて辞めようかと思った時期もありました」。しかし、今季は復調すると関東インカレで10分19秒78の2位。日本選手権にも初めて出場して6位に食い込み、「もっと上の舞台で走りたい」とモチベーションを高めて夏を越えた。
地元・埼玉の市川口高出身。小学校2年から陸上を始めた山田だが、小6の9月に慢性の骨髄性白血病を発症。それまで走るのが大好きだった少女が、4ヵ月ほど車椅子生活に。身体を戻しては痩せてまた戻して、を繰り返す日々。中学ではバスケットボール部に入ったものの「駅伝の時期しか走れなかった」という。
その間もずっと治療は続けながら競技を続けてきた。高校で再び陸上部へ。大学1年目の夏に寛解状態になったが、今でも2ヵ月に一度は検査し、薬も飲み続けている。
それでも走り続けるのはなぜか。
「自分が走れなかった時期に支えてくださったみなさんに感謝したいというのもありますし、病気のつらさも少しわかっているつもりなので、少しでも病気でつらい方に元気を届けたいと思っています」
この日は両親も駆けつけて声援を送った。卒業後のことは何も決めていない。秋の駅伝シーズンを含め、これまでのように目の前のレースに全身全霊を懸けて挑んでいく。
大会の模様はあすリートチャンネルのYouTubeでライブ配信されている。
あすリートチャンネル特設ページ
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.17
-
2025.01.16
2025.01.12
【テキスト速報】第43回都道府県対抗女子駅伝
-
2025.01.14
-
2025.01.12
-
2025.01.15
2024.12.22
早大に鈴木琉胤、佐々木哲の都大路区間賞2人が来春入学!女子100mH谷中、松田ら推薦合格
-
2024.12.22
-
2024.12.30
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.18
都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]
2025.01.17
西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録
1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]
2025.01.17
編集部コラム「年末年始の風物詩」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.01.17
中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝
◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]
2025.01.17
栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表
日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝