HOME 世界陸上、海外

2023.08.27

米国が16年ぶりに男女4×100mR制す!棒高跳はデュプランティスが貫禄/世界陸上Day8
米国が16年ぶりに男女4×100mR制す!棒高跳はデュプランティスが貫禄/世界陸上Day8

4×100mRを制した男女の米国チーム。ライルズ(左端)は今大会3つ目の金メダルとなった

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)8日目

ブダペスト世界陸上8日目が行われ、4×100mリレーは男女ともに米国が優勝を飾った。

先に行われた男子は過去に100mで金メダルを取ってきたクリスチャン・コールマン、フレッド・カーリー、そして今大会で優勝したノア・ライルズを1、2、4走に使う黄金のオーダー。

1走のコールマンはアウトレーンの日本に追いつく走りでリードを奪うと、カーリーも100m準決勝落ちの鬱憤を晴らすかのような走りを見せる。3走のブランドン・カーンズもしっかりとつなぎ、アンカーのライルズへ。バトンを託されたライルズはさらにリードを拡大し、37秒38と2位イタリアに0.24秒の大差をつけた。

一方の女子は予選であわや失格となりそうなバトンパスを見せながらも決勝に進出。決勝も危ういリレーとなったが、それを補って余りある個々の走力が爆発する。アンカーのシャカリ・リチャードソンにバトンが渡った時点でライバルのジャマイカをリード。その差をさらに広げて、41秒03のパフォーマンス歴代4位、大会新記録での優勝となった。

米国が男女4×100m両リレーに優勝するのは2007年大阪大会以来16年ぶり。男子のアンカーのライルズは個人と併せて3冠も達成し、「望んでいたことが現実になった」と満面の笑みを浮かべた。

男女スプリント界は2000年代後半以降、男子はウサイン・ボルト、女子はシェリー・アン・フレイザー・プライスなどを中心としたジャマイカが優位に立っていた。だが、ジャマイカは世代交代が思うほどうまくいかず、今大会のリレーメンバーで見ると、男子は4人全員が22歳以下という若く、逆に女子は36歳のフレイザー・プライスを筆頭に、最年少が27歳のサシャリー・フォーブスとバランスに欠けた構成となっていた。

広告の下にコンテンツが続きます

それに対して米国は経験豊富な選手と勢いのある若手がうまくマッチ。スプリント王国の復権となった。

男子棒高跳はアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が6m10にただ一人成功。6m23はクリアできず2大会連続での「世界新V」はならなかったが、「(世界記録を跳べなかったのは)それほど残念ではない。勝てたことが素晴らしいことだ」と大会連覇を喜んだ。また、アーネスト・ジョン・オビエナ(フィリピン)が自己タイの6m00で銀メダルを獲得している。

このほか、午前中の女子マラソンはアマネ・ベリソ(エチオピア)が2時間24分23秒で1位。5000mはフェイス・キピエゴン(エチオピア)が1500mに続く2冠を獲得。女子砲丸投は1投目に20m35を投げて優勝を確実にしたチェス・イーリー(米国)が、5投目に20m43と記録を伸ばして大会連覇を達成した。

この日はカナダ勢の活躍が目立ち男子800mはマルコ・アロップ(カナダ)が1分44秒24で優勝。男子十種競技ではピアース・ルパージュが世界歴代6位の8909点で金メダルを獲得すると、東京五輪金のダミアン・ワーナーが8804点で2位を占めた。また、女子砲丸投でもサラ・ミトンが銀メダルに輝いている。

世界選手権は27日に最終日を迎え、午前中に男子マラソンを実施。午後には男女の4×400mリレー、男子5000mなど8種目で決勝が行われる。

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)8日目 ブダペスト世界陸上8日目が行われ、4×100mリレーは男女ともに米国が優勝を飾った。 先に行われた男子は過去に100mで金メダルを取ってきたクリスチャン・コールマン、フレッド・カーリー、そして今大会で優勝したノア・ライルズを1、2、4走に使う黄金のオーダー。 1走のコールマンはアウトレーンの日本に追いつく走りでリードを奪うと、カーリーも100m準決勝落ちの鬱憤を晴らすかのような走りを見せる。3走のブランドン・カーンズもしっかりとつなぎ、アンカーのライルズへ。バトンを託されたライルズはさらにリードを拡大し、37秒38と2位イタリアに0.24秒の大差をつけた。 一方の女子は予選であわや失格となりそうなバトンパスを見せながらも決勝に進出。決勝も危ういリレーとなったが、それを補って余りある個々の走力が爆発する。アンカーのシャカリ・リチャードソンにバトンが渡った時点でライバルのジャマイカをリード。その差をさらに広げて、41秒03のパフォーマンス歴代4位、大会新記録での優勝となった。 米国が男女4×100m両リレーに優勝するのは2007年大阪大会以来16年ぶり。男子のアンカーのライルズは個人と併せて3冠も達成し、「望んでいたことが現実になった」と満面の笑みを浮かべた。 男女スプリント界は2000年代後半以降、男子はウサイン・ボルト、女子はシェリー・アン・フレイザー・プライスなどを中心としたジャマイカが優位に立っていた。だが、ジャマイカは世代交代が思うほどうまくいかず、今大会のリレーメンバーで見ると、男子は4人全員が22歳以下という若く、逆に女子は36歳のフレイザー・プライスを筆頭に、最年少が27歳のサシャリー・フォーブスとバランスに欠けた構成となっていた。 それに対して米国は経験豊富な選手と勢いのある若手がうまくマッチ。スプリント王国の復権となった。 男子棒高跳はアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)が6m10にただ一人成功。6m23はクリアできず2大会連続での「世界新V」はならなかったが、「(世界記録を跳べなかったのは)それほど残念ではない。勝てたことが素晴らしいことだ」と大会連覇を喜んだ。また、アーネスト・ジョン・オビエナ(フィリピン)が自己タイの6m00で銀メダルを獲得している。 このほか、午前中の女子マラソンはアマネ・ベリソ(エチオピア)が2時間24分23秒で1位。5000mはフェイス・キピエゴン(エチオピア)が1500mに続く2冠を獲得。女子砲丸投は1投目に20m35を投げて優勝を確実にしたチェス・イーリー(米国)が、5投目に20m43と記録を伸ばして大会連覇を達成した。 この日はカナダ勢の活躍が目立ち男子800mはマルコ・アロップ(カナダ)が1分44秒24で優勝。男子十種競技ではピアース・ルパージュが世界歴代6位の8909点で金メダルを獲得すると、東京五輪金のダミアン・ワーナーが8804点で2位を占めた。また、女子砲丸投でもサラ・ミトンが銀メダルに輝いている。 世界選手権は27日に最終日を迎え、午前中に男子マラソンを実施。午後には男女の4×400mリレー、男子5000mなど8種目で決勝が行われる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.17

西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]

NEWS 編集部コラム「年末年始の風物詩」

2025.01.17

編集部コラム「年末年始の風物詩」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

2025.01.17

中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]

NEWS 栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

2025.01.17

栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]

NEWS 東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加

2025.01.17

東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加

東京2025世界陸上財団は、今年9月に開催される東京世界選手権の観戦チケットの一般販売を1月31日(金)の18時から開始すると発表した。 昨夏に先行販売が始まり、年末年始にも特別販売を実施。すでに23万枚を販売し売れ行き […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top