◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)
ブダペスト世界陸上の大会7日目に行われた女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)が翌26日に表彰式で金メダルが手渡された。その後、競技場内で記者会見を開いた。
「今、映像を見てもやったことが信じられない。すごくうれしいです」と笑顔を見せる北口。表彰式では国旗掲揚と国歌が流れ、「涙がこみ上げてくる瞬間でした」。高3時に18歳未満の世界大会となる世界ユース選手権で金メダルを手にしているが、「その時は『君が代』を聞いた記憶がないので、こうして聞けて、自分で流せて良かった」と語る。
ジュニア・ユース世代で活躍した選手は、その後苦しむ例も少なくないなか、「U18で金メダルを取ってから、シニアで金メダルを取るのは難しいと言われ続けてきました。ジュニアやユニバーシアードでは金メダルを取れなかったですが、金メダルに戻って来られて幸せです」と笑顔を浮かべる。
この快挙に大きな反響もあり、SNSなど「いつもなら全部頑張って見るけど、スクロールしてもまだまだ読み切れていません。日本のいる方々も深夜まで起きて見てくださってすごくうれしかったですし、それが陸上界だけではなく、外にも伝わればいいなと思います」。以前から「やり投をもっとメジャーにしたい」と語っていたが、この結果で間違いなく種目への注目度も高まった。
単身チェコに渡り、世界と戦っている北口。「トップを目指すには苦しいこともたくさんしないといけないし、やるべきことがたくさんある」。それが「トップアスリートの現実」であり「思い詰めることもある」。それでも、北口はいつも笑顔だ。
「スポーツは心から楽しむもの。やる人、見る人が楽しむというのがスポーツ。それを知ってもらえる機会になればいいなと思います。私はやり投が楽しくて競技をしている。そういった部分が伝わればいい」
今回の結果でパリ五輪も内定。さらに、2025年に控える東京世界選手権のワイルドカード(前回優勝者への出場権)も獲得した。ワイルドカードを持つ国は、それを除いて3枠が代表となれるため、最大で4人が出場できることになる。これは北口がずっと目標にしていたことの一つ。「今回、やっと4枠にできてすごくうれしい。それを目標に日本の女子やり投全体が頑張ればいいなと思います」。
今後に向けて「ダイヤモンドリーグ(ファイナルの)オレゴンで良い勝負ができるように準備したい。パリ五輪に向けてはまだ考えられませんが、まずはケガをせず終えて、休養を取ってからトレーニングを積めればいいなと思います」と語る。
会見には海外メディアも出席。英語で答えるなど注目度も増している。表彰式や会見を含めてタイトなスケジュールに、さすがに疲れた表情も見せた北口。その胸にはしっかりと一番輝くメダルが大事そうにかけられていた。
【動画】ブダペストにひるがえる「日の丸」 女子やり投の表彰式
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.18
円盤投・湯上剛輝が62m52のビッグスロー!7年ぶりの自己新「まだチャンスはある」
2025.04.18
やり投・ディーン元気が兵庫リレーカーニバルを欠場 1500mドルーリー朱瑛里らも
-
2025.04.17
-
2025.04.17
-
2025.04.17
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.13
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.18
アディダス アディゼロから「ADIZERO BOSTON 13」が新登場!5月1日より数量限定で発売!
アディダス ジャパンは4月18日、ランニングシリーズ「アディゼロ」より「ADIZERO BOSTON 13(アディゼロ ボストン 13)」を5月1日に限定カラーモデル「ADIZERO BOSTON 13 EQT」を数量限 […]
2025.04.18
円盤投・湯上剛輝が62m52のビッグスロー!7年ぶりの自己新「まだチャンスはある」
男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が4月17日に米国で行われたオクラホマ・スロー・シリーズに出場し、日本歴代2位タイとなる62m52を投げた。 湯上は1投目ファウルのあと、55m71、57m70と序盤は苦戦したが、4投 […]
2025.04.18
やり投・ディーン元気が兵庫リレーカーニバルを欠場 1500mドルーリー朱瑛里らも
日本グランプリシリーズの兵庫リレーカーニバルの主催者は、男子やり投のディーン元気(ミズノ)が欠場すると発表した。ディーンは昨年のパリで、12年ロンドン以来となる五輪出場を果たし、ダイヤモンドリーグでのファイナルに進むなど […]
2025.04.18
ダイヤモンドリーグ柯橋のエントリー発表!女王・北口榛花が中国で今季初戦!5000mに佐藤圭汰が初参戦
世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)第2戦の上海・柯橋(中国)のエントリー選手が発表された。 女子やり投には昨年のパリ五輪金メダリストの北口榛花(JAL)が登録。連覇が懸かる東京世界選手権に向けて、これが今シーズン初戦 […]
2025.04.17
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日)
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日/サウジアラビア・ダンマーム) 男子 100m(+2.3) 金 清水空跳(星稜高2石川) 10秒38 銀 代泓宇(中国) 10秒39 銅 古綽峰( […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)