◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)4日目
ブダペスト世界選手権4日目のアフタヌーンセッションが行われ、男子走高跳ではジャンマルコ・タンベリ(イタリア)が2m36で大会初優勝を果たした。
2日前の予選でのタンベリは精細を欠いていた。2m25で1回の失敗。続く2m28では2度失敗し、あわや予選落ちというところまで追い込まれた。今季は7月に2m34を跳んでいたものの、シーズンを通して好不調の波が激しく、決勝でも苦戦が予想されていた。
しかし、2年前の東京五輪でムタズ・エッサ・バルシム(カタール)とともに金メダルに輝いたジャンパーは、決勝で見違えるような跳躍を見せる。
これまでの大会と同様に右半分のヒゲだけを剃って臨んだタンベリは、跳び始めの2m25こそ1度失敗したものの、2m29、2m33とともにミスなくクリア。続く2m36もスピードに乗った助走、力強い踏み切りから鮮やかなクリアランスと完璧な跳躍となり1回で成功させた。
大会3連覇中のバルシムはこの高さを跳べず、走幅跳との二刀流で注目を集めるジュボーン・ハリソンは2m36を2度目に成功。結局、この高さでの試技数差が勝敗を決めることになった。
「すべての主要な大会で金メダルを獲得して歴史を書きたかった」
これまで、五輪、世界室内選手権、欧州選手権、欧州室内選手権と優勝経験のあるタンベリは、今回の優勝で国際主要大会のタイトルをコンプリート。歴史的なジャンパーとして名を残す偉業を達成した。
2m28の元イタリア記録保持者の父を持つタンベリは31歳。15年北京世界選手権で8位で頭角を現し、16年には2m39の自己記録をマークしている。しかし、その年のリオ五輪の直前に左脚靱帯を損傷。選手生命も危ぶまれるケガだった。
それでも、懸命なリハビリを経て競技に復帰し、21年東京五輪でのバルシムと史上初の同記録による両者金メダルはいまも陸上界の語り草となっている。
「予選の後は思ったほど調子が良くなかったので少し怖かったが、決勝では必ず変わるとわかっていた。本当に素晴らしいことだ」と喜びを語ったタンベリ。「来年、地元のローマで行われる欧州選手権もパリ五輪も楽しみにしている。でも、その前に今夜のパーティーだね。1年間ダイエットしたり、いろんなことを我慢してきたんだから」とジョークを交えてインタビューに答えた。
一方、4連覇を逃したバルシムは、2m33で銅メダル。今年で32歳を迎え、近年は腰と膝の故障とも戦っているベテランは「なんとか銅メダルを確保できた。でも、私のキャリアではこれまで金メダル3個、銀メダル1個も獲得している。これまで、こんなにメダルを取った走高跳選手はいないでしょう」と晴れやかな表情を見せ、友人でもあるタンベリを祝福した。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会