HOME 国内、世界陸上、日本代表、海外
男子3000m障害はエル・バッカリが連覇! ギルマはまたも銀 女子1500mは世界記録保持者キピエゴンが貫禄/世界陸上Day4
男子3000m障害はエル・バッカリが連覇! ギルマはまたも銀 女子1500mは世界記録保持者キピエゴンが貫禄/世界陸上Day4

男子3000m障害で優勝を飾ったエル・バッカリ(左)。世界記録保持者のギルマ(右)は2位

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)4日目

ブダペスト世界選手権4日目が行われ、男子3000m障害はソフィアン・エルバッカリ(モロッコ)が8分03秒53で大会2連覇を飾り、21年の東京五輪に続き、3年連続で世界の頂点に立った。

レースの注目は世界王者のエル・バッカリと6月に7分52秒11の世界記録を樹立したラメチャ・ギルマ(エチオピア)の2人の争い。その期待に応えるかのような優勝争いが展開された。

1000mの通過が2分50秒と世界大会にありがちな静かなスタートとなった男子3000m障害。序盤は集団の後方の位置につけていたエル・バッカリは1000m過ぎにポジションを上げると、仕掛けるタイミングを伺っていた。

一方のギルマは19年ドーハ、21年東京、22年オレゴンと3大会連続で銀メダル。悲願の金メダル獲得に向けて、2000mでロングスパートで先手を打った。このスピードについて行けたのはエル・バッカリのみで、残り400mからは一騎打ちとなる。

ラスト300mではギルマが5mほどのリードを奪い、苦しい表情を見せるエル・バッカリに対して勝負がついたかと思われたが、王者はここからが強かった。バックストレートでギアを入れ替えると中距離ランナーのようなスプリントを披露。あっという間にギルマを置き去りにし、両手を挙げてフィニッシュラインに駆け込んだ。

広告の下にコンテンツが続きます

186cmと長身のエル・バッカリは27歳。16年リオ五輪で4位と結果を残し、世界のトップランナーの仲間入りを果たすと、17年のロンドン世界選手権からは常に世界大会でメダルを獲得してきた。ダイヤモンドリーグでの優勝は15回を数える。今季は7分56秒68と自己記録も5年ぶりに更新していた。

「今大会のために入念に準備をしてきたが、今日のラメチャはとても強かった」とライバルを賞賛したエル・バッカリ。「オレゴンに続いてまた金メダルを持ち帰ることができたことは誇りに思う。このメダルは、パリ五輪へのモチベーションをさらに高めてくれるし、当然勝つつもりでいるよ」と、その口ぶりからは王者の風格が漂っていた。

一方、8分05秒44でまたしても銀メダルとなったギルマは、レースの主導権を握ったものの、頂点には届かず呆然とした表情。「これで4個目の銀メダルだけど、エル・バッカリとの一戦一戦に満足している」と語るにとどまった。

また、残り1周の障害で転倒したアブラハム・キビウォト(ケニア)が最後に挽回して8分11秒98で銅メダルを確保している。

女子1500mは世界記録保持者のフェイス・キピエゴン(ケニア)が3分54秒87と貫禄を見せて世界選手権3度目の金メダルを獲得。

3強対決となった男子走高跳はジャンマルコ・タンベリ(イタリア)が2m36で若手のジュボーン・ハリソン(米国)を試技数差で抑えてV。3連覇中だったムタズ・エッサ・バルシム(カタール)は2m33で銅メダルにとどまった。

女子円盤投ではラウラウガ・タウサガ(米国)が69m49の自己新スローで金メダル。東京五輪覇者で優勝候補筆頭だったヴァレリー・オールマン(米国)が2位。タウサガはオールマンに対して、直接対決では1勝22敗という成績だったが、大一番で大金星を挙げた。

日本勢では男子3000mで三浦龍司(順大)が6位、同走高跳の赤松諒一(アワーズ)が8位タイで入賞を果たしている。

5日目は男子400mハードル、1500mなど4種目で決勝が行われる。

◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)4日目 ブダペスト世界選手権4日目が行われ、男子3000m障害はソフィアン・エルバッカリ(モロッコ)が8分03秒53で大会2連覇を飾り、21年の東京五輪に続き、3年連続で世界の頂点に立った。 レースの注目は世界王者のエル・バッカリと6月に7分52秒11の世界記録を樹立したラメチャ・ギルマ(エチオピア)の2人の争い。その期待に応えるかのような優勝争いが展開された。 1000mの通過が2分50秒と世界大会にありがちな静かなスタートとなった男子3000m障害。序盤は集団の後方の位置につけていたエル・バッカリは1000m過ぎにポジションを上げると、仕掛けるタイミングを伺っていた。 一方のギルマは19年ドーハ、21年東京、22年オレゴンと3大会連続で銀メダル。悲願の金メダル獲得に向けて、2000mでロングスパートで先手を打った。このスピードについて行けたのはエル・バッカリのみで、残り400mからは一騎打ちとなる。 ラスト300mではギルマが5mほどのリードを奪い、苦しい表情を見せるエル・バッカリに対して勝負がついたかと思われたが、王者はここからが強かった。バックストレートでギアを入れ替えると中距離ランナーのようなスプリントを披露。あっという間にギルマを置き去りにし、両手を挙げてフィニッシュラインに駆け込んだ。 186cmと長身のエル・バッカリは27歳。16年リオ五輪で4位と結果を残し、世界のトップランナーの仲間入りを果たすと、17年のロンドン世界選手権からは常に世界大会でメダルを獲得してきた。ダイヤモンドリーグでの優勝は15回を数える。今季は7分56秒68と自己記録も5年ぶりに更新していた。 「今大会のために入念に準備をしてきたが、今日のラメチャはとても強かった」とライバルを賞賛したエル・バッカリ。「オレゴンに続いてまた金メダルを持ち帰ることができたことは誇りに思う。このメダルは、パリ五輪へのモチベーションをさらに高めてくれるし、当然勝つつもりでいるよ」と、その口ぶりからは王者の風格が漂っていた。 一方、8分05秒44でまたしても銀メダルとなったギルマは、レースの主導権を握ったものの、頂点には届かず呆然とした表情。「これで4個目の銀メダルだけど、エル・バッカリとの一戦一戦に満足している」と語るにとどまった。 また、残り1周の障害で転倒したアブラハム・キビウォト(ケニア)が最後に挽回して8分11秒98で銅メダルを確保している。 女子1500mは世界記録保持者のフェイス・キピエゴン(ケニア)が3分54秒87と貫禄を見せて世界選手権3度目の金メダルを獲得。 3強対決となった男子走高跳はジャンマルコ・タンベリ(イタリア)が2m36で若手のジュボーン・ハリソン(米国)を試技数差で抑えてV。3連覇中だったムタズ・エッサ・バルシム(カタール)は2m33で銅メダルにとどまった。 女子円盤投ではラウラウガ・タウサガ(米国)が69m49の自己新スローで金メダル。東京五輪覇者で優勝候補筆頭だったヴァレリー・オールマン(米国)が2位。タウサガはオールマンに対して、直接対決では1勝22敗という成績だったが、大一番で大金星を挙げた。 日本勢では男子3000mで三浦龍司(順大)が6位、同走高跳の赤松諒一(アワーズ)が8位タイで入賞を果たしている。 5日目は男子400mハードル、1500mなど4種目で決勝が行われる。

【動画】ブダペスト世界選手権 第4日目ハイライトをチェック!

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.29

青学大・若林宏樹の学生ラストランは2位!TBS感謝祭マラソン激走「箱根よりきつかった」

青学大の若林宏樹がTBSの「オールスター感謝祭2025春」に出演した。若林は番組恒例の赤坂ミニマラソンに出場して2位だった。 約5km、心臓破りの坂がランナーたちを苦しめる番組の人気企画。今年の箱根駅伝で5区区間新を出し […]

NEWS 女子やり投で16歳・嚴子怡が64m83 自身のU20世界記録を42cm塗り替え3度目の更新

2025.03.29

女子やり投で16歳・嚴子怡が64m83 自身のU20世界記録を42cm塗り替え3度目の更新

3月28日に中国・成都で行われた投てきの招待競技会女子やり投で、16歳の嚴子怡が自身の持つU20世界記録を42cm更新する64m83を放った。 嚴は2008年5月生まれ。2023年に国際学校スポーツ連盟が主催するU15世 […]

NEWS 鈴木琉胤5000mで高校歴代2位13分25秒59 “世界”のレースを体感して日本人トップ 4月から早大へ/WAコンチネンタルツアー

2025.03.29

鈴木琉胤5000mで高校歴代2位13分25秒59 “世界”のレースを体感して日本人トップ 4月から早大へ/WAコンチネンタルツアー

2025年の世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド初戦となるモーリー・プラント競技会が3月29日、豪州・メルボルンで行われた。 男子5000mには4月から早大に進学する鈴木琉胤(八千代松陰高3千葉)が出場。高校歴 […]

NEWS 走高跳で男女上位 真野友博1位、髙橋渚1m86で2位 100mH田中佑美Vで3位まで日本勢/WAコンチネンタルツアー

2025.03.29

走高跳で男女上位 真野友博1位、髙橋渚1m86で2位 100mH田中佑美Vで3位まで日本勢/WAコンチネンタルツアー

2025年の世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド初戦となるモーリー・プラント競技会が3月29日、豪州・メルボルンで行われた。 日本からは22名が出場し、2種目で優勝。走高跳では男子が昨年のパリ五輪代表で22年世 […]

NEWS 編集部コラム「いつのまにか700号超え」

2025.03.29

編集部コラム「いつのまにか700号超え」

攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top