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2023.08.17

【世界陸上みどころ/フィールド】やり投・北口榛花が2大会連続メダルへ!走高跳・真野、赤松、走幅跳・橋岡、秦に注目
【世界陸上みどころ/フィールド】やり投・北口榛花が2大会連続メダルへ!走高跳・真野、赤松、走幅跳・橋岡、秦に注目

上位入賞の期待も高まるフィールド勢。左から真野友博、橋岡優輝、北口榛花、秦澄美鈴

8月19日から始まるブダペスト世界陸上のみどころをチェック! ここでは男女フィールド種目を紹介する。

なんといっても、女子やり投の北口榛花(JAL)に注目が集まる。フィールド種目だけではなく、ブダペスト世界選手権全体のハイライトとも言えるだろう。

昨年のオレゴン世界選手権では日本女子投てき種目初メダルとなる3位の快挙を成し遂げた北口。それだけではなく、世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)では常に優勝争いを繰り広げている。今季はDLシレジアで67m04と4年ぶりに自身の日本記録(66m00)も更新。堂々の世界ランキングトップでブダペストに挑む。

優勝候補の一人にも挙がるが、北口自身の目標は「メダルを狙ってメダルを取る」。前回は入賞を目指してメダルを獲得。だからこそ、次は狙ってメダルを手にするという目標はオレゴンが終わった直後から揺るがない。加えるならば、「本当なら世界選手権で日本記録を狙っていたので、ちょっとでも日本記録を更新」が目標だ。

「自分のパフォーマンスができれば良い勝負ができると思います」

投てき種目での連続メダル獲得となれば男子ハンマー投の室伏広治(2001、03年)以来。過去、女子の金メダルはマラソンのみで1993年シュツットガルトの浅利純子、97年アテネの鈴木博美に続く快挙だ。女子やり投は23日に予選、25日に決勝が行われる。

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女子やり投にはアジア選手権を制した斉藤真理菜(スズキ)と、オレゴン代表の上田百寧
(ゼンリン)も出場。斉藤は17年ロンドン以来の代表となった。まだその年に出した自己記録(62m37)は更新できていないが、今年はハイアベレージで戦っている。決勝、そして北口とのダブル入賞も十分に視野に入る。

前回、真野友博(九電工)が8位入賞を果たした男子走高跳は、真野、赤松諒一(アワーズ)、長谷川直人(新潟アルビレックスRC)の3人によるフルエントリーとなった。

2m31がベストの真野。オレゴン後に足首を痛めた影響などもあり、秋はやや不安定な形に。今季も助走スピードは上がりながらも7月30日の2m26がシーズンベスト。日本選手権も3位にとどまっている。それでも徐々にその調整力と安定感はピカイチ。2大会連続決勝&入賞を虎視眈々と狙う。

一方、好調なのが赤松。2月のアジア室内選手権で金メダルを獲得し、日本選手権も2m29で初優勝を果たした。アジア選手権こそ2m23で5位だったが、帰国後には念願の2m30をクリアしてみせた。前回も出場したが予選敗退。海外経験を積んだことで精神的にも一回り成長した。助走から踏み切り、クリアランスまでお手本のような流れの跳躍で、ファイナルと入賞を狙っていく。

本来であれば、男子走幅跳の橋岡優輝(富士通)は「メダル候補」として一番に取り上げられる選手の一人。ただ、今季はケガに苦しんでいる。19年ドーハ(8位)、21年東京五輪(6位)、22年オレゴン(決勝進出)と実績を残してきたが、ブダペストには“初めて”参加標準記録を突破せずにワールドランキングでの出場となった。

昨シーズン後に渡米してタンブルウィードTCでトレーニングを積んだ橋岡。これまでグイグイと押して加速していった助走を「スプリントに近い動き」に変更した。それが形になろうとしては故障するというもどかしい日々を過ごす。

日本選手権では8m06(+1.1)まで戻したものの3位。「助走が迷子」と現状を説明した。その後はダイヤモンドリーグで3位に入るなんとか出場権獲得圏内に。フィンランドで再び脚の痛みが出てアジア選手権を欠場したが、練習は復帰している。持ち味の調整力と本番での強さを見せることができれば、一気に上位進出する可能性は十分。ブダペストでの復活ジャンプに期待だ。

男子やり投のディーン元気(ミズノ)も入賞、そしてメダル獲得を狙っている。31歳になったディーンは「限界を作らず、どこまで飛ぶかわからない投げをしたい」と、自身の可能性に胸を躍らせている。

今季はセイコーゴールデングランプリ(82m03)、日本選手権(82m65)、フィンランドの競技会(82m95)と抜群の安定感を誇り、アジア選手権では自己4番目となる83m15を投げて優勝。充実した状態でブダペストに立ちそうだ。

女子跳躍陣が活況で、今季は走幅跳と三段跳で偉大な日本記録が塗り変わるなど、時代が大きく動いた。走幅跳は秦澄美鈴(シバタ工業)がアジア選手権で池田久美子の日本記録(6m86)を大きく塗り替える6m97を跳んで金メダル。堂々と参加標準記録を突破して2大会連続の世界選手権を決めた。

そして、女子三段跳では森本麻里子(内田建設AC)が日本選手権で花岡麻帆の日本記録(14m03)を更新する14m16を跳んで優勝。さらにアジア選手権でも14mオーバーを2度跳んで制した。

秦の6m97はエントリーリスト中8番目。決勝に行くのは簡単ではないが、ポリシーでもある「その日のベストのジャンプ」をして予選突破が目標となり、決勝で“一発”が出れば入賞も夢ではない。森本も予選で自己ベスト前後の跳躍ができれば決勝が見えてくる。

男子十種競技には丸山優真(住友電工)が初出場。アジア選手権を制して「エリアチャンピオン」として出場権を得た。まだ大台の8000点超えはないものの、秘めるポテンシャルはピカイチ。万全な状態でスタートに立ち、1種目ずつ積み上げていきたいところ。日本人最高記録(7788点/池田大介:09年)、最高順位(14位/金子宗弘:91年)をいずれも更新できるか。

世界の超人たちが集う世界陸上は、8月19日から27日までの9日間、“東欧のパリ”と称される美しき街・ブダペストを舞台に行われる。

8月19日から始まるブダペスト世界陸上のみどころをチェック! ここでは男女フィールド種目を紹介する。 なんといっても、女子やり投の北口榛花(JAL)に注目が集まる。フィールド種目だけではなく、ブダペスト世界選手権全体のハイライトとも言えるだろう。 昨年のオレゴン世界選手権では日本女子投てき種目初メダルとなる3位の快挙を成し遂げた北口。それだけではなく、世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)では常に優勝争いを繰り広げている。今季はDLシレジアで67m04と4年ぶりに自身の日本記録(66m00)も更新。堂々の世界ランキングトップでブダペストに挑む。 優勝候補の一人にも挙がるが、北口自身の目標は「メダルを狙ってメダルを取る」。前回は入賞を目指してメダルを獲得。だからこそ、次は狙ってメダルを手にするという目標はオレゴンが終わった直後から揺るがない。加えるならば、「本当なら世界選手権で日本記録を狙っていたので、ちょっとでも日本記録を更新」が目標だ。 「自分のパフォーマンスができれば良い勝負ができると思います」 投てき種目での連続メダル獲得となれば男子ハンマー投の室伏広治(2001、03年)以来。過去、女子の金メダルはマラソンのみで1993年シュツットガルトの浅利純子、97年アテネの鈴木博美に続く快挙だ。女子やり投は23日に予選、25日に決勝が行われる。 女子やり投にはアジア選手権を制した斉藤真理菜(スズキ)と、オレゴン代表の上田百寧 (ゼンリン)も出場。斉藤は17年ロンドン以来の代表となった。まだその年に出した自己記録(62m37)は更新できていないが、今年はハイアベレージで戦っている。決勝、そして北口とのダブル入賞も十分に視野に入る。 前回、真野友博(九電工)が8位入賞を果たした男子走高跳は、真野、赤松諒一(アワーズ)、長谷川直人(新潟アルビレックスRC)の3人によるフルエントリーとなった。 2m31がベストの真野。オレゴン後に足首を痛めた影響などもあり、秋はやや不安定な形に。今季も助走スピードは上がりながらも7月30日の2m26がシーズンベスト。日本選手権も3位にとどまっている。それでも徐々にその調整力と安定感はピカイチ。2大会連続決勝&入賞を虎視眈々と狙う。 一方、好調なのが赤松。2月のアジア室内選手権で金メダルを獲得し、日本選手権も2m29で初優勝を果たした。アジア選手権こそ2m23で5位だったが、帰国後には念願の2m30をクリアしてみせた。前回も出場したが予選敗退。海外経験を積んだことで精神的にも一回り成長した。助走から踏み切り、クリアランスまでお手本のような流れの跳躍で、ファイナルと入賞を狙っていく。 本来であれば、男子走幅跳の橋岡優輝(富士通)は「メダル候補」として一番に取り上げられる選手の一人。ただ、今季はケガに苦しんでいる。19年ドーハ(8位)、21年東京五輪(6位)、22年オレゴン(決勝進出)と実績を残してきたが、ブダペストには“初めて”参加標準記録を突破せずにワールドランキングでの出場となった。 昨シーズン後に渡米してタンブルウィードTCでトレーニングを積んだ橋岡。これまでグイグイと押して加速していった助走を「スプリントに近い動き」に変更した。それが形になろうとしては故障するというもどかしい日々を過ごす。 日本選手権では8m06(+1.1)まで戻したものの3位。「助走が迷子」と現状を説明した。その後はダイヤモンドリーグで3位に入るなんとか出場権獲得圏内に。フィンランドで再び脚の痛みが出てアジア選手権を欠場したが、練習は復帰している。持ち味の調整力と本番での強さを見せることができれば、一気に上位進出する可能性は十分。ブダペストでの復活ジャンプに期待だ。 男子やり投のディーン元気(ミズノ)も入賞、そしてメダル獲得を狙っている。31歳になったディーンは「限界を作らず、どこまで飛ぶかわからない投げをしたい」と、自身の可能性に胸を躍らせている。 今季はセイコーゴールデングランプリ(82m03)、日本選手権(82m65)、フィンランドの競技会(82m95)と抜群の安定感を誇り、アジア選手権では自己4番目となる83m15を投げて優勝。充実した状態でブダペストに立ちそうだ。 女子跳躍陣が活況で、今季は走幅跳と三段跳で偉大な日本記録が塗り変わるなど、時代が大きく動いた。走幅跳は秦澄美鈴(シバタ工業)がアジア選手権で池田久美子の日本記録(6m86)を大きく塗り替える6m97を跳んで金メダル。堂々と参加標準記録を突破して2大会連続の世界選手権を決めた。 そして、女子三段跳では森本麻里子(内田建設AC)が日本選手権で花岡麻帆の日本記録(14m03)を更新する14m16を跳んで優勝。さらにアジア選手権でも14mオーバーを2度跳んで制した。 秦の6m97はエントリーリスト中8番目。決勝に行くのは簡単ではないが、ポリシーでもある「その日のベストのジャンプ」をして予選突破が目標となり、決勝で“一発”が出れば入賞も夢ではない。森本も予選で自己ベスト前後の跳躍ができれば決勝が見えてくる。 男子十種競技には丸山優真(住友電工)が初出場。アジア選手権を制して「エリアチャンピオン」として出場権を得た。まだ大台の8000点超えはないものの、秘めるポテンシャルはピカイチ。万全な状態でスタートに立ち、1種目ずつ積み上げていきたいところ。日本人最高記録(7788点/池田大介:09年)、最高順位(14位/金子宗弘:91年)をいずれも更新できるか。 世界の超人たちが集う世界陸上は、8月19日から27日までの9日間、“東欧のパリ”と称される美しき街・ブダペストを舞台に行われる。

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