2023.08.12
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第209回「現存する国内最古の競技場が100年」(井上 敦)
インターハイが終わり、来週末からは世界選手権や全中が始まります。当コラムでそのあたりのテーマにしようかと考えていましたが、そういうネタは“次走者”にお願いして、私からは別なものを……。
日本にはたくさんの陸上競技場がありますが、現存する国内最古の公認競技場は、新潟県柏崎市にある柏崎市陸上競技場といわれています。
その競技場が完成からもうすぐ100周年を迎えます。
1923年(大正12年)8月26日、刈羽郡体育協会グラウンドとして竣工。国立競技場の前身である明治神宮外苑競技場の完成(1924年10月)の1年前です。地元の教員だった坂田四郎吉という人が発案。当初は反対意見が多かったそうですが、徐々に賛同者を増やし、行政から補助金を取り付け、地元の青年らも作業に協力するなどして建設されたとのことです。
当時は全国的にもめずらしい400mトラックで、各地からアスリートが練習に訪れたそうです。その中には男子三段跳の織田幹雄や男子棒高跳の西田修平もいました。また、大学も合宿で利用。1930年(昭和5年)には全日本陸上競技連盟(現・日本陸連)から公認競技場に認定されました。
以降、陸上競技会だけでなく、地元のスポーツイベントの会場となりました。1980年には新潟県で最初の全天候トラックを設置しています。
現在では地元の中高生の練習や競技会での使用が大半です。昨年の高校男子200m全国リスト1位の記録(20秒73)は、この競技場で生まれました。
国内にある陸上競技場の多くは、ホームストレートが南へ向かって走るように設計されていますが、柏崎市陸上競技場は西向き。バックスタンドにも写真判定装置を設置できるので、東向きに走ることもできます。日本海から直線距離で約400m。海風が選手を後押しするのか、個人的には記録が出やすい競技場というイメージです。
今年は記念事業が行われています。7月29日には東京五輪男子マラソンに出場した服部勇馬選手(トヨタ自動車)によるランニングクリニックを開催。“100歳の誕生日”となる8月26日には、一般市民も参加できる記念式典があります。女子400mハードル日本記録保持者の久保倉里美さんがゲストとのこと。
ちなみに、私もこの競技場で走りましたが、良い思い出はありません。29年前に県高校1年生大会(毎年7月にここで開催)で、1500mに初挑戦して予選は通過しましたが、その後に腹痛が起きて決勝は途中棄権。県レベルの大会で初入賞するチャンスを逃しました。
個人的には残念な記憶が残りますが、1世紀の歴史を刻んできた競技場。これからも多くのアスリートを育ててほしいです。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、夏には400mに転向する。結果的には中学3年間で県大会に進めなかった。しかし、3年秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人大会1500mで6位に入ったのが最高成績だった。 |
第209回「現存する国内最古の競技場が100年」(井上 敦)
[caption id="attachment_110907" align="alignnone" width="800"] 柏崎市陸上競技場(2016年)[/caption] インターハイが終わり、来週末からは世界選手権や全中が始まります。当コラムでそのあたりのテーマにしようかと考えていましたが、そういうネタは“次走者”にお願いして、私からは別なものを……。 日本にはたくさんの陸上競技場がありますが、現存する国内最古の公認競技場は、新潟県柏崎市にある柏崎市陸上競技場といわれています。 その競技場が完成からもうすぐ100周年を迎えます。 1923年(大正12年)8月26日、刈羽郡体育協会グラウンドとして竣工。国立競技場の前身である明治神宮外苑競技場の完成(1924年10月)の1年前です。地元の教員だった坂田四郎吉という人が発案。当初は反対意見が多かったそうですが、徐々に賛同者を増やし、行政から補助金を取り付け、地元の青年らも作業に協力するなどして建設されたとのことです。 当時は全国的にもめずらしい400mトラックで、各地からアスリートが練習に訪れたそうです。その中には男子三段跳の織田幹雄や男子棒高跳の西田修平もいました。また、大学も合宿で利用。1930年(昭和5年)には全日本陸上競技連盟(現・日本陸連)から公認競技場に認定されました。 以降、陸上競技会だけでなく、地元のスポーツイベントの会場となりました。1980年には新潟県で最初の全天候トラックを設置しています。 現在では地元の中高生の練習や競技会での使用が大半です。昨年の高校男子200m全国リスト1位の記録(20秒73)は、この競技場で生まれました。 国内にある陸上競技場の多くは、ホームストレートが南へ向かって走るように設計されていますが、柏崎市陸上競技場は西向き。バックスタンドにも写真判定装置を設置できるので、東向きに走ることもできます。日本海から直線距離で約400m。海風が選手を後押しするのか、個人的には記録が出やすい競技場というイメージです。 今年は記念事業が行われています。7月29日には東京五輪男子マラソンに出場した服部勇馬選手(トヨタ自動車)によるランニングクリニックを開催。“100歳の誕生日”となる8月26日には、一般市民も参加できる記念式典があります。女子400mハードル日本記録保持者の久保倉里美さんがゲストとのこと。 ちなみに、私もこの競技場で走りましたが、良い思い出はありません。29年前に県高校1年生大会(毎年7月にここで開催)で、1500mに初挑戦して予選は通過しましたが、その後に腹痛が起きて決勝は途中棄権。県レベルの大会で初入賞するチャンスを逃しました。 個人的には残念な記憶が残りますが、1世紀の歴史を刻んできた競技場。これからも多くのアスリートを育ててほしいです。井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、夏には400mに転向する。結果的には中学3年間で県大会に進めなかった。しかし、3年秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場をきっかけにまたまた転向を決意。高校は中距離をメインに、2年の県新人大会1500mで6位に入ったのが最高成績だった。 |
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