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2023.08.07

松阪商が女子総合県勢50年ぶりV!投てきで得点積み上げ市船橋と同記録激戦制す/北海道IH
松阪商が女子総合県勢50年ぶりV!投てきで得点積み上げ市船橋と同記録激戦制す/北海道IH

初の総合優勝を果たして喜びに沸いた松阪商の選手たち。後列左から2人目が山本浩武先生

◇全国高校総体(インターハイ:8月2日~6日/北海道・札幌厚別公園競技場)

北海道インターハイの最終日が行われ、学校対抗の女子は36点を獲得した松阪商(三重)が初優勝を飾った。

前回、0.5点差決着だった女子総合優勝争いは、今回も歴史に残る大激戦となった。投てき種目とトラック種目を軸に、それぞれ北の大地を揺るがした松阪商と前回0.5点差で涙を飲んだ市船橋(千葉)が36点で並ぶ。

同記録の場合、順位を決める各入賞者の数もそれぞれ1位が1種目、2位が2種目、3位が1種目、4位が1種目まで同数。やり投で6位入賞者を出した松阪商が7、8位各1種目の市船橋を上回り、決着がついた。過去、女子の同記録決着は4度あり、2012年新潟インターハイでの東京と東大阪大敬愛の対決以来となる。

大会のフィナーレを飾った4×400mリレーで市船橋が決勝に進出。優勝すればすでに競技を終えている松阪商を1点上回り初優勝が決まるという場面だった。大会前リストトップで準決勝をトップタイムをマークしている京都橘と手に汗握る激闘となるなか、初日の400mを制している市船橋の宮地利璃香(3年)と400mハードルを高校歴代3位の好タイムで連覇した京都橘・瀧野未来(3年)が激しいアンカー勝負を繰り広げ、最後の最後に瀧野が胸の差で宮地を抑えV。市船橋は今季ベストを大幅に更新するも0.08秒届かず、惜しくも2位に終わり悲願達成はならなかった。

一方の松阪商は、大会初日のハンマー投から躍動。前田唯愛(3年)が51m40を投げて3位に食い込むと、2日目のやり投では主将の曽野雅(3年)が48m43を投げて優勝し、6位の川北海万梨(3年)とダブル入賞を果たす。「自分たちもやれるという雰囲気が盛り上がったと思います」と山本浩武先生が話すように、3、4日目の円盤投、砲丸投の活躍につながった。

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円盤投で世古櫻紗(2年)が自己新の40m57で2位。続く砲丸投でも14m台に乗せ14m03の自己新で2つ目の銀メダルをつかんだ。3年生の坂山成も初の13m超えとなる13m18をプットし4位入賞を果たしている。

3年生はコロナ禍で地元・三重全中が中止となった世代だった。「チームとしては120点。本当にうれしい。支えてくださったみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と主将の曽野は述べる。

昨秋のU18大会や東海新人では1人も優勝することができず、その悔しさをバネに北の大地でビッグタイトルを獲得。「選手たちが夢を現実にしてくれました。冬季から自分たちで目標を立て、考えながら取り組んできた結果」と山本先生。公立高としては浜松市立(静岡)以来10年ぶり、三重勢としては1973年に行われた地元・三重インターハイの宇治山田商以来3度目の栄冠となる。また、投てき種目のみの得点での総合Vは1952年の長生一(千葉/現・長生)以来、71年ぶりの快挙だった。

文/花木 雫

◇全国高校総体(インターハイ:8月2日~6日/北海道・札幌厚別公園競技場) 北海道インターハイの最終日が行われ、学校対抗の女子は36点を獲得した松阪商(三重)が初優勝を飾った。 前回、0.5点差決着だった女子総合優勝争いは、今回も歴史に残る大激戦となった。投てき種目とトラック種目を軸に、それぞれ北の大地を揺るがした松阪商と前回0.5点差で涙を飲んだ市船橋(千葉)が36点で並ぶ。 同記録の場合、順位を決める各入賞者の数もそれぞれ1位が1種目、2位が2種目、3位が1種目、4位が1種目まで同数。やり投で6位入賞者を出した松阪商が7、8位各1種目の市船橋を上回り、決着がついた。過去、女子の同記録決着は4度あり、2012年新潟インターハイでの東京と東大阪大敬愛の対決以来となる。 大会のフィナーレを飾った4×400mリレーで市船橋が決勝に進出。優勝すればすでに競技を終えている松阪商を1点上回り初優勝が決まるという場面だった。大会前リストトップで準決勝をトップタイムをマークしている京都橘と手に汗握る激闘となるなか、初日の400mを制している市船橋の宮地利璃香(3年)と400mハードルを高校歴代3位の好タイムで連覇した京都橘・瀧野未来(3年)が激しいアンカー勝負を繰り広げ、最後の最後に瀧野が胸の差で宮地を抑えV。市船橋は今季ベストを大幅に更新するも0.08秒届かず、惜しくも2位に終わり悲願達成はならなかった。 一方の松阪商は、大会初日のハンマー投から躍動。前田唯愛(3年)が51m40を投げて3位に食い込むと、2日目のやり投では主将の曽野雅(3年)が48m43を投げて優勝し、6位の川北海万梨(3年)とダブル入賞を果たす。「自分たちもやれるという雰囲気が盛り上がったと思います」と山本浩武先生が話すように、3、4日目の円盤投、砲丸投の活躍につながった。 円盤投で世古櫻紗(2年)が自己新の40m57で2位。続く砲丸投でも14m台に乗せ14m03の自己新で2つ目の銀メダルをつかんだ。3年生の坂山成も初の13m超えとなる13m18をプットし4位入賞を果たしている。 3年生はコロナ禍で地元・三重全中が中止となった世代だった。「チームとしては120点。本当にうれしい。支えてくださったみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と主将の曽野は述べる。 昨秋のU18大会や東海新人では1人も優勝することができず、その悔しさをバネに北の大地でビッグタイトルを獲得。「選手たちが夢を現実にしてくれました。冬季から自分たちで目標を立て、考えながら取り組んできた結果」と山本先生。公立高としては浜松市立(静岡)以来10年ぶり、三重勢としては1973年に行われた地元・三重インターハイの宇治山田商以来3度目の栄冠となる。また、投てき種目のみの得点での総合Vは1952年の長生一(千葉/現・長生)以来、71年ぶりの快挙だった。 文/花木 雫

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