2023.08.05
◇全国高校総体(インターハイ:8月2日~6日/北海道・札幌厚別公園競技場)
北海道インターハイの4日目が行われ、男女200mはいずれも100mのチャンピオンが2冠を達成した。
男子100mを10秒73(-2.7)で優勝していた黒木海翔(東福岡3)。200mのベストは昨年出した21秒13を持つが、今季はインターハイ路線の県大会・北九州大会を含めて3試合のみで、21秒34がシーズンベストだった。
それだけに、「チャレンジャー精神で臨みました」。予選は強い向かい風を突いて21秒39(-2.2)。準決勝進出では全体トップとなる21秒05(+0.2)で、「久しぶりに自己新が出て、決勝も気持ち良く走れました」と勢いに乗った。
決勝は加速に乗った走りで、追い風参考ながら20秒90(+2.9)で2冠。至近10年では13年の桐生祥秀(洛南・京都、現・日本生命)、19年の鵜澤飛羽(築館・宮城、現・筑波大)に続くスプリント制圧に「まだ実感がわかないですが、2冠を達成できてうれしいです。追い風参考だとしても、20秒台はうれしい」と笑顔を見せる。
総合優勝を狙う東福岡のエースとしての役割をきっちり果たして「僕のインターハイはこれで終了。あとは仲間の応援をするだけです」と仲間に思いを託した。
女子200mは山形愛羽(熊本中央3)がただ1人23秒台となる23秒97(+0.2)で優勝。100m(11秒92/-2.9)との女子短距離2冠は16年岡山大会の齋藤愛美(倉敷中央・岡山)以来で、同県勢では12年の野林祐実(九州学院)についで2人目となる。
決勝は「前半から自分なりにしっかり突っ込めて、後半でも自分の得意である加速ができました」。鋭いコーナーワークで一気に抜け出すと、得意の後半の失速も抑えて勝負あり。ただ、自身としては静岡国際で追い風ながら23秒57(+2.6)をマークしているものの、「今季は200mで自分の走りができなくて、ランキングにもなかなか入らなくて、 不安もありました」と吐露する。
それでも、100mを制した勢いそのままに、「自分なら絶対やれるという思いで走り、自分の走りができて、23秒台を出せました」と喜びが爆発した。
1、2年とことごとくタイトルを逃してきたなか、最後のインターハイで2つの日本一。「1年生の時からずっとインターハイ優勝を目標にしていて、何度もあきらめそうになりましたが、3年生になって2冠を達成できてうれしかったです」。そう笑顔を浮かべて北の大地に別れを告げた。
同一大会で男女の100m・200m2冠が誕生したのは、2005年千葉インターハイの石塚祐輔(土浦三・茨城)と髙橋萌木子(埼玉栄)以来となる。記録こそ『厚別の風』に阻まれたが、3年生らしい強さを発揮した、記憶に刻まれるインターハイの短距離戦線だった。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.16
上海ハーフに前回8位の太田蒼生、國學院大・上原琉翔、青学大の黒田然らエントリー
-
2025.04.15
-
2025.04.14
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.13
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.16
上海ハーフに前回8位の太田蒼生、國學院大・上原琉翔、青学大の黒田然らエントリー
4月20日に行われる上海ハーフマラソン(4月20日)のエントリーが発表されており、プロランナーとなった青学大卒の太田蒼生(GMOインターネットグループ)が登録した。太田は青学大時代、4年連続で箱根駅伝に出走。3年時は3区 […]
2025.04.16
ダイヤモンドリーグ第1戦厦門に110mH泉谷駿介と村竹ラシッドが登録!サニブラウン、三浦龍司、豊田兼もエントリー
世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)第1戦となる厦門大会(中国/4月26日)のエントリーリストが発表された。 男子110mハードルには、ブダペスト世界選手権5位の泉谷駿介(住友電工)と、パリ五輪5位の村竹ラシッド(JA […]
2025.04.16
人間スポーツ科学科を持つ公立高校が「O2Room®」を導入、スポーツコンディショニングの授業に活用
全国区で活躍する部活動もサポート 2016年に創立100周年を迎えた大阪の伝統校でもある府立桜宮高等学校。1980年にこれまでの普通科に加え大阪府内では初めてとなる体育科を新設し、さらに1999年にはスポーツ健康科学科を […]
2025.04.16
「Tokyo:Speed:Race」に太田智樹、近藤亮太、前田穂南、小林香菜らがエントリー! 海外トップ選手も参加 5月3日に神宮外苑で開催
アシックスは4月16日、さまざまなレベルのランナーが自己ベスト更新に挑戦できるレースイベント「Tokyo:Speed:Race」(5月3日)に出場するエリート選手のメンバーを発表した。 同大会はロードレースでは初となるペ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)