◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)5日目
第25回アジア選手権の全競技が終了し、日本は46種目中、金メダル16個、銀メダル11個、銅メダル10個の計37個のメダルを獲得。金メダルと総メダル獲得数は参加国中トップというメダルラッシュに湧いた。
16種目での優勝は、1981年に行われた第4回東京大会の19種目以来の好成績。日本陸連の山崎一彦・強化委員長は「位置づけとレベルが違うので、一概に比較できないですが、過去最高レベルだと評価できます」と総括する。
なかでも山崎氏は女子走幅跳で6m97の日本新記録を樹立した秦澄美鈴(シバタ工業)を高く評価。「強化委員長になったときの方針として、お膳立てをされた大会ではなく、海外で結果を出すというところに焦点を置いていていた。これは素晴らしい結果でした」と話す。
また、男子トラック種目での活躍はめざましく、出場を回避した両リレーを除く10種目のうち7種目で金メダルを獲得。さらに、記録水準も世界選手権の参加標準記録を突破したり、それに迫る記録が相次ぐなど、質、量ともにレベルの高いものに。男子100m(栁田大輝、東洋大)、200m(鵜澤飛羽、筑波大)、400m(佐藤拳太郎、富士通)の完全制覇については「ハイレベルな中で達成した」(山崎氏)と、その価値を改めて強調する。
今大会は世界陸連(WA)の定める大会ランクでは最上位から4番目の「GL」と入賞ポイントも高く、ワールドランキングで世界選手権出場を狙う選手にとって重要な大会だった。各種目で相次ぐメダル獲得に、ブダペスト世界選手権の出場者数の目安についても山崎氏は「想定内に入ってきている」という。
高温多湿をはじめ決して好条件とは言えないなかで、これ以上ない結果を残したチームジャパン。この勢いは来月に迫った世界選手権、そして来年のパリ五輪につながるだろう。
次回のアジア選手権は2025年に韓国の中部にある亀尾市で開催される。
2023年アジア選手権の日本勢メダリスト一覧
金メダル 男子 100m 栁田大輝(東洋大) 200m 鵜澤飛羽(筑波大) 400m 佐藤拳太郎(富士通) 5000m 遠藤日向(住友電工) 10000m 田澤廉(トヨタ自動車) 110mH 高山峻野(ゼンリン) 3000m障害 青木涼真(Honda) やり投 ディーン元気(ミズノ) 十種競技 丸山優真(住友電工) 20km競歩 村山裕太郎(富士通) 女子 1500m 田中希実(New Balance) 5000m 山本有真(積水化学) 10000m 小海遥(第一生命グループ) 走幅跳 秦澄美鈴(シバタ工業) 三段跳 森本麻里子(内田建設AC) やり投 斉藤真理菜(スズキ) 銀メダル 男子 400m 佐藤風雅(ミズノ) 1500m 高橋佑輔(北大院) 5000m 塩尻和也(富士通) 400mH 児玉悠作(ノジマ) 三段跳 池畠旭佳瑠(駿河台大AC) 女子 1500m 後藤夢(ユニクロ) 10000m 川口桃佳(ユニクロ) 100mH 寺田明日香(ジャパンクリエイト) 400mH 宇都宮絵莉(長谷川体育施設) ハンマー投マッカーサー・ジョイ(NMFA) 4×100mR 藏重みう、君嶋愛梨沙、鶴田玲美、御家瀬緑 銅メダル 男子 200m 上山紘輝(住友電工) 3000m障害 砂田晟弥(プレス工業) ハンマー投福田翔大(日大院) 女子 100mH 青木益未(七十七銀行) 400mH 山本亜美(立命大) 3000m障害 吉村玲美(クレーマージャパンTC) ハンマー投村上来花(九州共立大) 七種競技 山﨑有紀(スズキ) 20km競歩 梅野倖子(順大) 混合 4×400mR 今泉堅貴、久保山晴菜、佐藤風雅、松本奈菜子
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