HOME 国内、日本代表

2023.07.14

男子400m・佐藤拳太郎「世界」見据える45秒00!10000m・小海遥、十種競技・丸山優真も金メダル/アジア選手権
男子400m・佐藤拳太郎「世界」見据える45秒00!10000m・小海遥、十種競技・丸山優真も金メダル/アジア選手権

23年アジア選手権男子400mでワン・ツーを決めた佐藤拳太郎(富士通、右)と佐藤風雅(ミズノ)

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)2日目

アジア選手権の2日目がタイ・バンコクで行われ、日本勢は3つの金メダルを含むメダルラッシュとなった。

男子400mは佐藤拳太郎(富士通)が日本歴代2位の45秒00でアジア王者の称号を手にした。ブダペスト世界陸上、およびパリ五輪の参加標準記録にもピタリ到達し、4大会連続の世界陸上代表入りをほぼ確実にした。

その目線は、すぐに世界へと向く。「このタイムは世界をどうこう言えるものじゃない。しっかりと44秒中盤を出していけるように、これからがんばりたい」ときっぱりと語る。

それは、夏のブダペスト世界陸上、来年のパリ五輪で「どう戦うか」を見据えているからに他ならない。最終目標はパリだが、その前にまずはブダペスト。それも、準決勝が一つの指針になる。

「準決勝でタイムが上がってくる。そこで勝負できるように一から準備していきたい。44秒台が出せなかった原因は何かを考えて、修正していきたい。まずは世界陸上で決勝に残る。その先にパリがあると考えてやっていきます」

その佐藤拳太郎が「何よりも風雅とワン・ツーを取れたことがうれしい」と語るように、2位には佐藤風雅(ミズノ)が日本歴代5位タイの45秒13で続き、日本勢で金、銀メダル独占を果たした。佐藤風雅も、「44秒台を出して、去年よりいい結果を残したい」と2大会連続の世界陸上に向けて意欲を示した。

広告の下にコンテンツが続きます

女子10000mでも日本勢が金、銀メダルを独占した。20歳の小海遥(第一生命グループ)が後半から独走し、32分59秒36で制覇。川口桃佳(ユニクロ)が33分18秒72で2位に続いた。

2日間の熱戦を繰り広げた男子十種競技では、2月のアジア室内選手権王者・丸山優真(住友電工)が再びアジアの頂点に立った。左足や腰など満身創痍の中で7745点をマーク。エリアチャンピオンとして、ブダペスト世界陸上出場が視野に入ってきた。

田上駿(陸上物語)は7187点で4位ながら、最後の1500mは1着で見せ場を作った。

女子100mハードルとハンマー投では、いずれも銀、銅の2つのメダルを獲得。100mハードルは寺田明日香(ジャパンクリエイト)が13秒13(-0.1)で2位、青木益未(七十七銀行)が13秒26で3位に入り、それぞれワールドランキングのポイントは着実に加算。寺田は3大会連続、青木は2大会連続の世界陸上代表入りはほぼ間違いない状況となった。

ハンマー投は69m89の日本記録保持者マッカーサー・ジョイ(NMFA)が、最終試技で66m56と記録を伸ばして2位。昨年のU20世界陸上銅メダルの村上来花(九州共立大)が自身の学生記録(65m33)に迫る64m17で3位を占めた。

男子1500mでは高橋佑輔(北大院)が3分42秒04で日本勢9大会ぶりのメダルとなる銀メダルを手にした。最後の1周で仕掛け、バックストレートではトップを快走するなど堂々たるレースを見せ、「アジアの2位は非常にうれしい」と胸を張った。

男子三段跳は池畠旭佳瑠(駿河台大AC)が最終6回目に、自己記録にあと2cmと迫るセカンドベストの16m73(+0.6)をジャンプ。4位から逆転で銀メダルをつかみ取り、「本当に楽しく試合ができた」と笑顔がこぼれた。

男子ハンマー投では福田翔大(日大院)が日本勢5大会ぶりメダル獲得となる銅メダル。2投目に、6月の日本選手権で出したばかりの日本歴代7位・学生歴代3位の自己ベスト(71m79)を1㎝上回る71m80をマークした。

女子400mは久保山晴菜(今村病院)が53秒80で4位、松本奈菜子(東邦銀行)が53秒89で5位だった。女子走高跳は髙橋渚(メイスンワーク)が1m83で4位タイだを占めた。

このほか、男女100m、男子110mハードルの予選が行われ、男子100m4組では栁田大輝(東洋大)が自己タイの10秒10(-0.5)で1着通過を果たした。1組の坂井隆一郎(大阪ガス)も10秒18(± 0)で悠々と1着通過し、準決勝へ。女子100mでも日本選手権覇者の君嶋愛梨沙(土木管理総合)、御家瀬緑(住友電工)がともに2着で準決勝進出を決めた。

男子110mハードルは高山峻野(ゼンリン)が13秒70(±0)で1組1着、横地大雅(TeamSSP)は13秒63(±0)の2組2着で決勝に駒を進めた。

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)2日目 アジア選手権の2日目がタイ・バンコクで行われ、日本勢は3つの金メダルを含むメダルラッシュとなった。 男子400mは佐藤拳太郎(富士通)が日本歴代2位の45秒00でアジア王者の称号を手にした。ブダペスト世界陸上、およびパリ五輪の参加標準記録にもピタリ到達し、4大会連続の世界陸上代表入りをほぼ確実にした。 その目線は、すぐに世界へと向く。「このタイムは世界をどうこう言えるものじゃない。しっかりと44秒中盤を出していけるように、これからがんばりたい」ときっぱりと語る。 それは、夏のブダペスト世界陸上、来年のパリ五輪で「どう戦うか」を見据えているからに他ならない。最終目標はパリだが、その前にまずはブダペスト。それも、準決勝が一つの指針になる。 「準決勝でタイムが上がってくる。そこで勝負できるように一から準備していきたい。44秒台が出せなかった原因は何かを考えて、修正していきたい。まずは世界陸上で決勝に残る。その先にパリがあると考えてやっていきます」 その佐藤拳太郎が「何よりも風雅とワン・ツーを取れたことがうれしい」と語るように、2位には佐藤風雅(ミズノ)が日本歴代5位タイの45秒13で続き、日本勢で金、銀メダル独占を果たした。佐藤風雅も、「44秒台を出して、去年よりいい結果を残したい」と2大会連続の世界陸上に向けて意欲を示した。 女子10000mでも日本勢が金、銀メダルを独占した。20歳の小海遥(第一生命グループ)が後半から独走し、32分59秒36で制覇。川口桃佳(ユニクロ)が33分18秒72で2位に続いた。 2日間の熱戦を繰り広げた男子十種競技では、2月のアジア室内選手権王者・丸山優真(住友電工)が再びアジアの頂点に立った。左足や腰など満身創痍の中で7745点をマーク。エリアチャンピオンとして、ブダペスト世界陸上出場が視野に入ってきた。 田上駿(陸上物語)は7187点で4位ながら、最後の1500mは1着で見せ場を作った。 女子100mハードルとハンマー投では、いずれも銀、銅の2つのメダルを獲得。100mハードルは寺田明日香(ジャパンクリエイト)が13秒13(-0.1)で2位、青木益未(七十七銀行)が13秒26で3位に入り、それぞれワールドランキングのポイントは着実に加算。寺田は3大会連続、青木は2大会連続の世界陸上代表入りはほぼ間違いない状況となった。 ハンマー投は69m89の日本記録保持者マッカーサー・ジョイ(NMFA)が、最終試技で66m56と記録を伸ばして2位。昨年のU20世界陸上銅メダルの村上来花(九州共立大)が自身の学生記録(65m33)に迫る64m17で3位を占めた。 男子1500mでは高橋佑輔(北大院)が3分42秒04で日本勢9大会ぶりのメダルとなる銀メダルを手にした。最後の1周で仕掛け、バックストレートではトップを快走するなど堂々たるレースを見せ、「アジアの2位は非常にうれしい」と胸を張った。 男子三段跳は池畠旭佳瑠(駿河台大AC)が最終6回目に、自己記録にあと2cmと迫るセカンドベストの16m73(+0.6)をジャンプ。4位から逆転で銀メダルをつかみ取り、「本当に楽しく試合ができた」と笑顔がこぼれた。 男子ハンマー投では福田翔大(日大院)が日本勢5大会ぶりメダル獲得となる銅メダル。2投目に、6月の日本選手権で出したばかりの日本歴代7位・学生歴代3位の自己ベスト(71m79)を1㎝上回る71m80をマークした。 女子400mは久保山晴菜(今村病院)が53秒80で4位、松本奈菜子(東邦銀行)が53秒89で5位だった。女子走高跳は髙橋渚(メイスンワーク)が1m83で4位タイだを占めた。 このほか、男女100m、男子110mハードルの予選が行われ、男子100m4組では栁田大輝(東洋大)が自己タイの10秒10(-0.5)で1着通過を果たした。1組の坂井隆一郎(大阪ガス)も10秒18(± 0)で悠々と1着通過し、準決勝へ。女子100mでも日本選手権覇者の君嶋愛梨沙(土木管理総合)、御家瀬緑(住友電工)がともに2着で準決勝進出を決めた。 男子110mハードルは高山峻野(ゼンリン)が13秒70(±0)で1組1着、横地大雅(TeamSSP)は13秒63(±0)の2組2着で決勝に駒を進めた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.17

西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]

NEWS 編集部コラム「年末年始の風物詩」

2025.01.17

編集部コラム「年末年始の風物詩」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

2025.01.17

中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]

NEWS 栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

2025.01.17

栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]

NEWS 東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加

2025.01.17

東京世界陸上のチケット一般販売が1月31日からスタート!すでに23万枚が販売、新たな席種も追加

東京2025世界陸上財団は、今年9月に開催される東京世界選手権の観戦チケットの一般販売を1月31日(金)の18時から開始すると発表した。 昨夏に先行販売が始まり、年末年始にも特別販売を実施。すでに23万枚を販売し売れ行き […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top