HOME 国内、日本代表

2023.07.13

「最後まであきらめない」佐藤拳太郎がアジアで頂点に! 日本歴代2位の45秒00でパリ五輪標準も突破!/アジア選手権
「最後まであきらめない」佐藤拳太郎がアジアで頂点に! 日本歴代2位の45秒00でパリ五輪標準も突破!/アジア選手権

アジア選手権男子400mで優勝し、日の丸を掲げる佐藤拳太郎(中央)。右は2位の佐藤風雅。左は3位でアジア記録保持者のマスラヒ

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)2日目

アジア選手権の2日目午後セッションが行われ、男子400mは佐藤拳太郎(富士通)が45秒00で金メダルに輝いた。

日本人2人目の44秒台突入には、ほんのわずか届かなかった。だが、ブダペスト世界陸上、およびパリ五輪の参加標準記録も突破。6月の日本選手権では3位に入っており、4大会連続の世界陸上代表入りをほぼ手中に収めた。

「44秒99でなく、45秒00というところが僕っぽいですね」とおどけて振り返った佐藤拳太郎だが、レースぶりは冷静そのものだった。

スターティングブロックの不具合で開始時間が遅れたが、「自分のレースをしよう」と集中。「雨はあったけど、風もいい感じだったので記録は出せると思っていました」。

最後の直線、先行するアジアでただ1人43秒台(43秒93)を持つユスフ・アーマド・マスラヒ(サウジアラビア)。世界陸上で13年6位、15年8位と2度の入賞歴を持つ世界的ロングスプリンターを、佐藤拳太郎が佐藤風雅(ミズノ)とともに猛追する。

「先行されているなと思ったけど、最後まであきらめない」。フィニッシュ直前にかわし、アジア制覇を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

そして、記録は「45秒00」。日本では44秒78の日本記録保持者・髙野進しか入ったことのない「44秒台」の扉を開くことはできなかった。しかし、世界への扉はこじ開けた。

昨年は、東京五輪イヤーの21年から抱えていたアキレス腱の痛みに悩まされ、日本選手権で予選敗退。苦しい時期を過ごした。だが、オレゴン世界選手権の4×400mリレーで、ともに戦った仲間たちがアジア新(2分59秒51)をマークして4位の快挙。それに刺激を受け、再び表舞台に帰ってきた。

今季は5月に自己新の45秒31をマーク。日本選手権は3位にとどまったが、「タイムよりも走っている形」を意識し、「自分の動きができるように」調整して、今大会を迎えた。

「うまくいかなかった昨年があったからこそ、今年が良かったというものにしないといけないと思っています」と佐藤。そして、「アジアのタイトルを取れたことは良かったけど、まだまだこのタイムで世界どうこうと言えるほどのものではない」と浮かれた様子はまったくない。

見据えるのは世界のファイナル。それも、1人ではない。「高野先生以来のファイナルに1人でも多く立つ。その結果が4×400mリレーにもつながる」。佐藤風雅、日本選手権覇者の中島佑気ジョセフ(東洋大)とともに、ブダペストで世界を驚かせるつもりだ。

◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)2日目 アジア選手権の2日目午後セッションが行われ、男子400mは佐藤拳太郎(富士通)が45秒00で金メダルに輝いた。 日本人2人目の44秒台突入には、ほんのわずか届かなかった。だが、ブダペスト世界陸上、およびパリ五輪の参加標準記録も突破。6月の日本選手権では3位に入っており、4大会連続の世界陸上代表入りをほぼ手中に収めた。 「44秒99でなく、45秒00というところが僕っぽいですね」とおどけて振り返った佐藤拳太郎だが、レースぶりは冷静そのものだった。 スターティングブロックの不具合で開始時間が遅れたが、「自分のレースをしよう」と集中。「雨はあったけど、風もいい感じだったので記録は出せると思っていました」。 最後の直線、先行するアジアでただ1人43秒台(43秒93)を持つユスフ・アーマド・マスラヒ(サウジアラビア)。世界陸上で13年6位、15年8位と2度の入賞歴を持つ世界的ロングスプリンターを、佐藤拳太郎が佐藤風雅(ミズノ)とともに猛追する。 「先行されているなと思ったけど、最後まであきらめない」。フィニッシュ直前にかわし、アジア制覇を果たした。 そして、記録は「45秒00」。日本では44秒78の日本記録保持者・髙野進しか入ったことのない「44秒台」の扉を開くことはできなかった。しかし、世界への扉はこじ開けた。 昨年は、東京五輪イヤーの21年から抱えていたアキレス腱の痛みに悩まされ、日本選手権で予選敗退。苦しい時期を過ごした。だが、オレゴン世界選手権の4×400mリレーで、ともに戦った仲間たちがアジア新(2分59秒51)をマークして4位の快挙。それに刺激を受け、再び表舞台に帰ってきた。 今季は5月に自己新の45秒31をマーク。日本選手権は3位にとどまったが、「タイムよりも走っている形」を意識し、「自分の動きができるように」調整して、今大会を迎えた。 「うまくいかなかった昨年があったからこそ、今年が良かったというものにしないといけないと思っています」と佐藤。そして、「アジアのタイトルを取れたことは良かったけど、まだまだこのタイムで世界どうこうと言えるほどのものではない」と浮かれた様子はまったくない。 見据えるのは世界のファイナル。それも、1人ではない。「高野先生以来のファイナルに1人でも多く立つ。その結果が4×400mリレーにもつながる」。佐藤風雅、日本選手権覇者の中島佑気ジョセフ(東洋大)とともに、ブダペストで世界を驚かせるつもりだ。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.18

都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]

NEWS 西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

2025.01.17

西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]

NEWS 編集部コラム「年末年始の風物詩」

2025.01.17

編集部コラム「年末年始の風物詩」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

2025.01.17

中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]

NEWS 栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

2025.01.17

栁田大輝、坂井隆一郎らが日本選手権室内出場キャンセル 日本室内大阪はスタートリスト発表

日本陸連は2月1日から2日に行われる、日本選手権室内のエントリー状況と、併催の日本室内大阪のスタートリストを発表した。 日本選手権室内では12月にエントリーが発表されていた選手のうち、男子60mに出場予定だったパリ五輪代 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top