編集部コラム「王者の振る舞い」 | 月陸Online

ニュース

特集記事

トピックス

データ

スキル

メディア

ショップ

その他

HOME 編集部コラム

編集部コラム

2023.06.23

編集部コラム「王者の振る舞い」

毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め（？）のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日（できる限り！）、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ！
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください！

第202回「王者の振る舞い」（向永拓史）

私は陸上競技に携わったのが2011年。その後、混成競技に魅了されています。キング・オブ・アスリート、クイーン・オブ・アスリート。2日間にわたって戦う姿、倒れ込み、健闘を称え合う雰囲気は、やはり特別なものがあります。終わって見ると、「あー、やっぱり混成っていいなぁ」って毎回思うんです。

混成競技と言えば、最後の挨拶や集合写真。「あれが楽しみで最後まで頑張れるんです」なんて言っている選手もいるほどです。

今年の日本選手権混成競技、十種競技。この日は日本の混成界にとって一つの区切りとなる日でした。これまで十種競技を牽引してきた中村明彦選手（スズキ）の最後の日本選手権。ケガもあり10位でしたが、最後まで戦い抜きました。「1500mの最後の最後まで全力を出すのが僕の十種競技」。いつも中村選手は言っていました。今年の日本選手権も、まさにそれを体現されていたと思います。

2016年の日本選手権。最後の1500mでたくさんの応援を受けながらリオ五輪代表を決めたあのシーンを、私は一生忘れません。

そして最後の集合写真。関係者がこう言います。

「中村選手、真ん中へ」

しかし、中村選手はこれを固辞しました。

「（真ん中は）チャンピオンだから」

初優勝した丸山優真選手（住友電工）を中心にすることを譲らなかったんです。この日誕生した新王者を称えるとともに、勝たないと真ん中へは行ってはいけないんだというキングとしての矜持でもあったのかなって。今度聞ける機会はあるだろうか。

もちちろん、その後はちゃんとセレモニーとして真ん中へ。どれだけ愛されていたか感じる、とても素敵な空間でした。中村選手、改めて現役生活、お疲れさまでした。（でもあと1試合、あるとか！）

やっぱり混成っていいなぁ。

向永拓史（むかえ・ひろし）
月刊陸上競技編集部新米（？）編集部員
1983年８月30日生まれ。16★cm、58kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小４の時に開幕したＪリーグの影響で三浦知良に心酔してサッカー少年に転向。2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。身体作りを頑張って選手から「前はまんまるだった」と言われるほど痩せたらしい。目指すはブダペスト世界選手権800m（メディアレース）。

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め（？）のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日（できる限り！）、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ！陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。暇つぶし程度にご覧ください！

第202回「王者の振る舞い」（向永拓史）

私は陸上競技に携わったのが2011年。その後、混成競技に魅了されています。キング・オブ・アスリート、クイーン・オブ・アスリート。2日間にわたって戦う姿、倒れ込み、健闘を称え合う雰囲気は、やはり特別なものがあります。終わって見ると、「あー、やっぱり混成っていいなぁ」って毎回思うんです。混成競技と言えば、最後の挨拶や集合写真。「あれが楽しみで最後まで頑張れるんです」なんて言っている選手もいるほどです。今年の日本選手権混成競技、十種競技。この日は日本の混成界にとって一つの区切りとなる日でした。これまで十種競技を牽引してきた中村明彦選手（スズキ）の最後の日本選手権。ケガもあり10位でしたが、最後まで戦い抜きました。「1500mの最後の最後まで全力を出すのが僕の十種競技」。いつも中村選手は言っていました。今年の日本選手権も、まさにそれを体現されていたと思います。 2016年の日本選手権。最後の1500mでたくさんの応援を受けながらリオ五輪代表を決めたあのシーンを、私は一生忘れません。そして最後の集合写真。関係者がこう言います。「中村選手、真ん中へ」しかし、中村選手はこれを固辞しました。「（真ん中は）チャンピオンだから」初優勝した丸山優真選手（住友電工）を中心にすることを譲らなかったんです。この日誕生した新王者を称えるとともに、勝たないと真ん中へは行ってはいけないんだというキングとしての矜持でもあったのかなって。今度聞ける機会はあるだろうか。もちちろん、その後はちゃんとセレモニーとして真ん中へ。どれだけ愛されていたか感じる、とても素敵な空間でした。中村選手、改めて現役生活、お疲れさまでした。（でもあと1試合、あるとか！）やっぱり混成っていいなぁ。

向永拓史（むかえ・ひろし）月刊陸上競技編集部新米（？）編集部員 1983年８月30日生まれ。16★cm、58kg、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小４の時に開幕したＪリーグの影響で三浦知良に心酔してサッカー少年に転向。2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。身体作りを頑張って選手から「前はまんまるだった」と言われるほど痩せたらしい。目指すはブダペスト世界選手権800m（メディアレース）。