2023.06.17
◇インターハイ南関東地区大会(6月16日~19日/山梨・小瀬スポーツ公園競技場)1日目
夏の北海道インターハイを懸けた南関東地区大会の1日目が行われ、男子1500mで激闘を繰り広げた東京都勢が1~4位を占めた。
優勝した吉倉ナヤブ直希(早稲田実3東京)が3分49秒97。U20日本選手権覇者の尾熊迅斗(東京実3東京)が0.02秒差で2位に、3位の寺田向希(國學院久我山3東京)が3分51秒74で続いた。
鈴木琉胤(八千代松陰3千葉)、田中伶央(笛吹3山梨)らが予選を棄権。バックストレート側が強い向かい風となる悪条件となった決勝は、寺田が勢いよく飛び出し、400mを60秒、800mを2分02秒で通過する。
「結果的には(ハイペースを)利用されてしまいました。ただ、早い段階で4~5人に絞り、東京都勢の戦いに持ち込めたことは良かったです」と寺田は振り返る。
900m過ぎに寺田が3番手に退き、それまで2、3番手にいた吉倉と尾熊が前へ。緩まないペースに後方の選手が次々と振り切られ、残り150mで鈴木愛音(城西3東京、4位)が離脱。最後はスパートのタイミングを逃した寺田を尻目に、吉倉と尾熊が並んでフィニッシュに飛び込んだ。
都大会2位、U20日本選手権5位の吉倉が、「最後に尾熊君が来るのはわかっていました。勝つために、都大会よりもう1歩、2歩早くスパートを仕掛けました」と勝機をつかんだ。都大会とU20日本選手権覇者の尾熊は「位置取りに脚を使ってしまった分が響きました。吉倉と寺田の2人には、頭を使わないと勝てません」。
吉倉と寺田は、2020年全国中学生大会1500m3、4位を占めるなど早くからのライバル関係で、高校から陸上競技を始めた尾熊が追い上げてきた。昨年夏から「3強」による激しいバトルが続く。都大会は3分48秒台、U20日本選手権は3分47秒台の争いになった。
「全国の表彰台も独占したいですね。このメンバーにも、全国の速い選手たちにも勝てるように練習します」(吉倉)
「この負けは自分への戒め。燃えてきました。インターハイは3分45秒台と優勝を狙います」(尾熊)
「自分がいる限り、インターハイもスローペースにはさせません」(寺田)
東京都勢が、インターハイでも主導権を握る構えだ。
全国インターハイは8月2日から6日に北海道・厚別公園競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
文/奥村崇
写真/船越陽一郎
インターハイ南関東地区大会1日目の優勝者
●男子 400m 正野巧磨(東海大浦安3千葉)47秒19 1500m 吉倉ナヤブ直希(早稲田実3東京)3分49秒97 走幅跳 北浪佑磨(幕張総合2千葉) 7m38(+4.1) 砲丸投 草場孜温(身延3山梨) 15m08 ●女子 400m 宮地利璃香(市船橋3千葉)55秒07 5000m競歩 須本春菜(成田3千葉)24分56秒69 走高跳 中村菜結(法政二2神奈川)1m67 やり投 谷山彩葉(野津田3東京) 45m59
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