2023.06.17
田中希実がSNSに綴った「NON STOP PROJECT」立ち上げの思い
このプロジェクトを始めようと思ったきっかけは、正直なところ、父の助言によるところが大きいです。私自身、今は選手として自分のことに必死で、次世代のことを考えるゆとりはありませんでした。ただ、沢山の方の協力を得ながら、みんなでこういったプロジェクトを作り上げ、その活動に現役選手が中心となって関与できることは、私自身にとってだけでなく、次世代の選手、また、これからの陸上界にとっても大きな財産になると思いました。
東京五輪の1500mで4分の壁を越えた時、高校からの目標だった「陸上界に影響を与える人になる」ことは達成できたと思いました。ただ、時間が経つにつれ、選手として記録以上の何かを残していかなければ、全ては過去のことになってしまうと感じ始めました。最近は、私自身が自分の作った記録や世界の選手に壁をつくってしまい、競技面でもどうすれば「あの時」を再現できるのかが、分からなくなることもありました。
そこで発想を変え、矢印を自分だけに向けるのではなく、世代やチームの枠組みを越えて、共に高め合いながらノンストップでチャレンジし続けることが、誰であれ新たな歴史を刻むことに繋がり、私自身もが前に進む勇気になると思いました。
スポーツをする上で一番素晴らしいことは、「共に高め合う」姿勢にあると思います。このプロジェクトが世界のトップで戦う日本人選手を増やし、「高め合う姿勢」が陸上界、スポーツ界、世間、やがては世界へと波及していくことを願っています。
働き方改革や、様々な発想の転換によって、部活動や、実業団といった枠組みは次第に曖昧になってきています。トップ選手を育てる上で、一貫性のある育成をするには望ましいことだと思いますが、競技を始めるかかりのタイミングや、これから力をつけていきたいというタイミングで自分に合った場所を見つけられず、取り残されていく子や、のびのび走れない子が増えてくるのではという懸念もあります。
そのため、将来的にオリンピックなど、世界の大舞台で活躍できる選手を発掘したいのはもちろんですが、競技力による格差は最小限にして、純粋に競技を楽しんでいる選手のチャレンジを表現する場となればいいなという思いも大きいです。こういった矛盾した願いがあるため、選考は難航することが予想され、だからこそ、選ばれるかどうかが全てではなく、プロジェクトに参加した全ての選手や、見守ってくださる多くの方々に、自分の可能性に挑戦し続けたいという、人間の根源的な希望を見せ、勇気を与えるきっかけにしたいです。
恥ずかしながら、まだ合宿場所がどこになるか、合宿を終えた後の選手たちへのその後の対応や、今後の関係性をどうしていくか、はっきりしない部分が多いのも事実です。ただ、走り出したからにはノンストッププロジェクトなので、それぞれの競技人生において何かを動かすきっかけになることを、約束したいです。
田中希実がSNSに綴った「NON STOP PROJECT」立ち上げの思い
このプロジェクトを始めようと思ったきっかけは、正直なところ、父の助言によるところが大きいです。私自身、今は選手として自分のことに必死で、次世代のことを考えるゆとりはありませんでした。ただ、沢山の方の協力を得ながら、みんなでこういったプロジェクトを作り上げ、その活動に現役選手が中心となって関与できることは、私自身にとってだけでなく、次世代の選手、また、これからの陸上界にとっても大きな財産になると思いました。 東京五輪の1500mで4分の壁を越えた時、高校からの目標だった「陸上界に影響を与える人になる」ことは達成できたと思いました。ただ、時間が経つにつれ、選手として記録以上の何かを残していかなければ、全ては過去のことになってしまうと感じ始めました。最近は、私自身が自分の作った記録や世界の選手に壁をつくってしまい、競技面でもどうすれば「あの時」を再現できるのかが、分からなくなることもありました。 そこで発想を変え、矢印を自分だけに向けるのではなく、世代やチームの枠組みを越えて、共に高め合いながらノンストップでチャレンジし続けることが、誰であれ新たな歴史を刻むことに繋がり、私自身もが前に進む勇気になると思いました。 スポーツをする上で一番素晴らしいことは、「共に高め合う」姿勢にあると思います。このプロジェクトが世界のトップで戦う日本人選手を増やし、「高め合う姿勢」が陸上界、スポーツ界、世間、やがては世界へと波及していくことを願っています。 働き方改革や、様々な発想の転換によって、部活動や、実業団といった枠組みは次第に曖昧になってきています。トップ選手を育てる上で、一貫性のある育成をするには望ましいことだと思いますが、競技を始めるかかりのタイミングや、これから力をつけていきたいというタイミングで自分に合った場所を見つけられず、取り残されていく子や、のびのび走れない子が増えてくるのではという懸念もあります。 そのため、将来的にオリンピックなど、世界の大舞台で活躍できる選手を発掘したいのはもちろんですが、競技力による格差は最小限にして、純粋に競技を楽しんでいる選手のチャレンジを表現する場となればいいなという思いも大きいです。こういった矛盾した願いがあるため、選考は難航することが予想され、だからこそ、選ばれるかどうかが全てではなく、プロジェクトに参加した全ての選手や、見守ってくださる多くの方々に、自分の可能性に挑戦し続けたいという、人間の根源的な希望を見せ、勇気を与えるきっかけにしたいです。 恥ずかしながら、まだ合宿場所がどこになるか、合宿を終えた後の選手たちへのその後の対応や、今後の関係性をどうしていくか、はっきりしない部分が多いのも事実です。ただ、走り出したからにはノンストッププロジェクトなので、それぞれの競技人生において何かを動かすきっかけになることを、約束したいです。
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