2023.06.17
◇インターハイ東北地区大会(6月15日~18日/山形・県総合運動公園競技場)2日目
北海道インターハイを懸けた東北地区大会の2日目が行われ、男子八種競技は大島克範(鶴岡工3山形)が5613点で制覇。2位にもチームメイトの山口天翔(3年)が5517点で食い込み、鶴岡工コンビが上位を占めた。
初日こそまずまずのコンディションだったものの、2日目は朝から昼頃まで強めの雨が降り続くあいにくの天気。それでも、3位に入った高橋駿士(会津学鳳2福島)の5507点を含め、上位3人が5500点以上を叩き出す激戦だった。
7種目終了時点で2位だった大島は、最後の1500mで4分27秒09をマークし、それまでトップだった高橋を逆転。「1位はうれしかったです」と振り返った。
初日の砲丸投(10m77)と400m(50秒03)、雨の中で行われた2日目の110mハードル(15秒53/+0.2)とやり投(46m27)が自己新。走高跳(1m83)は自己タイという内容で、合計得点では山形県大会で出した自己ベスト5489点を124点更新した。それでも、「5700点が目標でした。砲丸投や走幅跳(6m55/+1.5)でもっと記録を出したかったです」と大島。決して満足はしていなかった。
混成競技は高校から。「中3で四種競技をするつもりでしたが、ケガをしていて……」。中学時代に得意としていた走高跳や走種目を軸に、1年時は4412点、2年時は5099点と得点を伸ばしてきた。
一方の山口は4種目で自己新をマークして、県大会で出した自己ベスト5349点を168点更新。「1日目が終わった時点で、県大会よりも170点ぐらい上回っていたので、2日目は失敗しないようにと思っていました」。
試合前は優勝を狙っていたが、大島との得点差や得意種目を考慮して「2位には入ろうと思いました。鶴岡工のワン・ツーは絶対したかったので」と山口。3位で迎えた最後の1500mでは、序盤先頭に立つなど、残る力を振り絞って順位を1つ上げた。
高校で混成を始めた大島とは対照的に、中学時代は四種競技をメインにしていた山口。高校で八種競技を始めると、高2の昨年は徳島インターハイに出場している。
この冬は2人そろって、投てきの技術練習に取り組んできた。女子円盤投の日本選手権覇者・齋藤真希(東海大大学院/鶴岡工出身)を長年指導してきた、菅原稔氏から教わったという。その成果は2人とも砲丸投とやり投で今季自己新につなげている。
「普段は仲が良いですが、試合になればライバルです」と山口。日頃から切磋琢磨して、2人とも全国トップクラスまで高め合ってきた。インターハイでの目標について、初舞台となる大島が「5800点台後半」を掲げれば、それを聞いた山口は「5900点です」と笑顔で話し、「全国でもワン・ツーしたいです」と力を込める。
昨年までインターハイを2連覇していた高橋諒(桐朋3東京)が南関東地区大会を棄権したのは、競技の合間に知った。鶴岡工コンビが8月の北海道で新たな主役となるつもりだ。
全国インターハイは8月2日から6日に北海道・厚別公園競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
インターハイ東北地区大会2日目の優勝者
●男子 100m 菅野凌平(いわき光洋3福島) 10秒50(+0.9) 5000m 大濱逞真(仙台育英3宮城) 13分53秒28 5000m競歩 吉田聖奈(柴農川崎3宮城) 22分18秒50 4×100mR 仙台育英(宮城) 41秒28 円盤投 中野悠翔(福島成蹊3) 43m68 八種競技 大島克範(鶴岡工3山形) 5613点 ●女子 100m 千葉安珠(常盤木学園2宮城) 11秒84(-0.1) 1500m 柏倉四季(山形中央2山形) 4分30秒43 4×100mR 常盤木学園(宮城) 46秒40=大会新 走高跳 三宅花音(日大東北3福島) 1m69 走幅跳 大道 空(久慈2岩手) 5m82(+1.1) 円盤投 小澤美優(弘前実3青森) 34m49
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