HOME 国内

2023.06.15

アジア選手権とアジア大会の違いは!?日本代表が発表された今年の2大大会の重要度とは
アジア選手権とアジア大会の違いは!?日本代表が発表された今年の2大大会の重要度とは

18年ジャカルタ・アジア大会の様子。アジア大会は、サッカーや競泳など陸上競技以外の競技も行われる

日本陸連は6月13日にアジア選手権(タイ・バンコク/7月12日~16日)、15日にアジア大会(中国・杭州/9月29日~10月5日)の日本代表選手を発表した。

陸上界にとって今年の最大のイベントとなるのは8月のブダペスト世界選手権。しかし、このアジア規模の2大会も重要な一戦となる。この2つにはどんな違いがあるか。

まず、アジア選手権は2年に1回、アジア大会は4年に1回開催される。アジア選手権は陸上競技のエリアチャンピオンを決定する大会。主催はアジア陸連となる。一方、アジア大会は「アジアのオリンピック」と言える大会で、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催しており、日本ではJOCの管轄となっている。陸上競技だけではなく、さまざまな競技が行われる。

●アジア選手権=2年に1回、アジア陸連主催
●アジア大会=4年に1回、アジアオリンピック評議会主催

一般的にアジア大会のほうが大会規模も大きく、日本国内においてはメディアに取り上げられる機会も多い。しかし、実はアジア選手権の重要度は非常に高いと言える。

オリンピックや世界選手権の出場資格の一つとして、世界陸連(WA)は「ワールドランキング」を設けている。ワールドランキングは、記録や大会の順位ポイントで計算されるが、大会の「価値=カテゴリー」によって得られる順位ポイントが異なる。WAが定めるカテゴリーは以下の通り。

広告の下にコンテンツが続きます

OW=オリンピック、世界選手権
DF=ダイヤモンドリーグ・ファイナルなど
GW=ダイヤモンドリーグなど
GL=エリア選手権(アジア選手権)など
A=コンチネンタルツアー・ゴールド、アジア大会など
B=日本選手権など
C=コンチネンタルツアー・ブロンズ

以下、D、E、Fと続く

アジア選手権はWAのカテゴリーで上から4つめの「GL」に位置づけられている。これはアジア大会や日本選手権よりも高い。ブダペスト世界選手権への出場を目指す選手にとって非常に重要だと言える。また、エリア選手権の優勝者(※マラソンを除く)は、条件付きだがブダペスト世界選手権への出場資格を得られる可能性もある。

7月1日(※一部種目除く)からはパリ五輪の参加標準記録・ワールドランキングの対象期間もスタート。記録、ポイントともにパリ五輪に向けても抑えておきたいところ。

もちろん、ブダペスト世界選手権後となるアジア大会もパリ五輪を目指す上で重要な一戦であり、代表選手達は「アジアナンバー1」の称号を目指すところでもある。

コロナ禍での延期などもあり、世界選手権、アジア選手権、アジア大会と3つの国際大会が開かれる2023年。そこでの活躍がパリ五輪にもつながっていく。

日本陸連は6月13日にアジア選手権(タイ・バンコク/7月12日~16日)、15日にアジア大会(中国・杭州/9月29日~10月5日)の日本代表選手を発表した。 陸上界にとって今年の最大のイベントとなるのは8月のブダペスト世界選手権。しかし、このアジア規模の2大会も重要な一戦となる。この2つにはどんな違いがあるか。 まず、アジア選手権は2年に1回、アジア大会は4年に1回開催される。アジア選手権は陸上競技のエリアチャンピオンを決定する大会。主催はアジア陸連となる。一方、アジア大会は「アジアのオリンピック」と言える大会で、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催しており、日本ではJOCの管轄となっている。陸上競技だけではなく、さまざまな競技が行われる。 ●アジア選手権=2年に1回、アジア陸連主催 ●アジア大会=4年に1回、アジアオリンピック評議会主催 一般的にアジア大会のほうが大会規模も大きく、日本国内においてはメディアに取り上げられる機会も多い。しかし、実はアジア選手権の重要度は非常に高いと言える。 オリンピックや世界選手権の出場資格の一つとして、世界陸連(WA)は「ワールドランキング」を設けている。ワールドランキングは、記録や大会の順位ポイントで計算されるが、大会の「価値=カテゴリー」によって得られる順位ポイントが異なる。WAが定めるカテゴリーは以下の通り。 OW=オリンピック、世界選手権 DF=ダイヤモンドリーグ・ファイナルなど GW=ダイヤモンドリーグなど GL=エリア選手権(アジア選手権)など A=コンチネンタルツアー・ゴールド、アジア大会など B=日本選手権など C=コンチネンタルツアー・ブロンズ 以下、D、E、Fと続く アジア選手権はWAのカテゴリーで上から4つめの「GL」に位置づけられている。これはアジア大会や日本選手権よりも高い。ブダペスト世界選手権への出場を目指す選手にとって非常に重要だと言える。また、エリア選手権の優勝者(※マラソンを除く)は、条件付きだがブダペスト世界選手権への出場資格を得られる可能性もある。 7月1日(※一部種目除く)からはパリ五輪の参加標準記録・ワールドランキングの対象期間もスタート。記録、ポイントともにパリ五輪に向けても抑えておきたいところ。 もちろん、ブダペスト世界選手権後となるアジア大会もパリ五輪を目指す上で重要な一戦であり、代表選手達は「アジアナンバー1」の称号を目指すところでもある。 コロナ禍での延期などもあり、世界選手権、アジア選手権、アジア大会と3つの国際大会が開かれる2023年。そこでの活躍がパリ五輪にもつながっていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.25

100mH福部真子「引退しないといけないのかな…」菊池病の公表に葛藤も「あとで後悔したくない」元気な姿アピール

女子100mハードル日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)がインタビューに応じ、昨年末に公表した「菊池病」と発覚した時の状況や、今の調子、復帰に向けた思いを聞いた。 「元気です!見てもらった通り!」。オンラインで画面越 […]

NEWS 大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート

2025.03.25

大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート

2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で始まった。全国から選手約270人が参加し、20度を超える汗ばむ陽気の中で打ち解けながら練習に取り組ん […]

NEWS HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」

2025.03.25

HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」

デッカーズジャパンは3月25日、パフォーマンスフットウェア&アパレルブランド「HOKA」の人気シリーズの新作シューズ「CLIFTON 10(クリフトン 10)」の発売に先駆けてメディア向けの商品説明会・トークセッションを […]

NEWS 富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」

2025.03.25

富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」

富士通が3月25日、2025年度新加入選手の合同取材会見を開き、男子長距離の篠原倖太朗(駒大)、平林樹(城西大)、鈴木康也(麗澤大)、女子400mハードルの山本亜美(立命大)が登壇した。 城西大の主将を務めた平林は「こう […]

NEWS 400mH山本亜美が富士通へ「より一層の覚悟持って」目指すはロス五輪

2025.03.25

400mH山本亜美が富士通へ「より一層の覚悟持って」目指すはロス五輪

富士通が3月25日、2025年度新加入選手の合同取材会見を開き、男子長距離の篠原倖太朗(駒大)、平林樹(城西大)、鈴木康也(麗澤大)、女子400mハードルの山本亜美(立命大)が登壇した。 23年ブダペスト世界選手権代表の […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top