HOME 国内

2023.06.10

中村明彦、最後の大会「目に焼き付けてほしい」盟友・右代啓祐は砲丸投トップ ベテラン2人が見せ場/日本選手権混成
中村明彦、最後の大会「目に焼き付けてほしい」盟友・右代啓祐は砲丸投トップ ベテラン2人が見せ場/日本選手権混成

走高跳で見事なジャンプを見せた中村明彦

◇第107回日本選手権・混成競技(6月10、11日/秋田県立中央公園陸上競技場)

第107回日本選手権・混成競技の初日が行われた。

男子十種競技のリオ五輪代表で、今季限りで現役引退を表明した中村明彦(スズキ)が最後の日本選手権に挑んだ。

初日を終えて3784点の5位。「スタートは良かった」と言うように、100mはこれまで何度も湧かせてきたスピードを生かし10秒台となる10秒96(-0.4)で組トップを取った。

さらに走高跳では全体トップタイとなる1m94をジャンプ。「良いパフォーマンスができました」と胸を張る。これには会場から大きな拍手が送られた。

16、17、20、21年と4度の優勝を積み重ねてきた日本選手権。「もちろん順位を上げていくこと、優勝を目指していく」と言う。家族も応援に駆けつけ、「目に焼き付けてほしいです」と笑顔を浮かべる。

広告の下にコンテンツが続きます

また、後輩たちに対しては「何かを伝えられるという余裕はないですが、前半が良くなくてもベテランらしくまとめて、最後に記録を残すところを見せられれば」と話し、「明日もよろしくお願いします」と笑顔を見せて会場を後にした。

その中村に対し、「僕はまだ辞めるとは認めないよと、会う度に言っています」と笑うのがもう一人のレジェンド・右代啓祐(国士舘クラブ)。ともに8000点に到達し、世界への扉をこじ開けてきた2人で戦う最後の日本選手権となる。

右代は得意の砲丸投で全体トップ。「記録は全然ですが、まだまだ若手には負けないぞ、というところを見せられた。これで危機感を持ってもらいたい」と語る。

初日を終えて3378点で12位。もうすぐ37歳になる中で「吹っ切れた部分もあるし、どれだけ長くやれるか楽しみ」という境地にありつつも、「アスリートととして高みを目指しているし、1位になりたい、アジア大会に行きたいと思っています」とも。「自分はまだまだやるぞ、という気持ちで400mも走り切れた」と笑う。

それぞれ得意種目で全体トップとなった2人。こういった勝負どころで「存在感」を発揮する力を「2人で一緒に後輩たちに伝えられたら」と力を込めた。

全体トップは丸山優真(住友電工)で、2日目に初優勝を懸けて臨んでいく。

◇第107回日本選手権・混成競技(6月10、11日/秋田県立中央公園陸上競技場) 第107回日本選手権・混成競技の初日が行われた。 男子十種競技のリオ五輪代表で、今季限りで現役引退を表明した中村明彦(スズキ)が最後の日本選手権に挑んだ。 初日を終えて3784点の5位。「スタートは良かった」と言うように、100mはこれまで何度も湧かせてきたスピードを生かし10秒台となる10秒96(-0.4)で組トップを取った。 さらに走高跳では全体トップタイとなる1m94をジャンプ。「良いパフォーマンスができました」と胸を張る。これには会場から大きな拍手が送られた。 16、17、20、21年と4度の優勝を積み重ねてきた日本選手権。「もちろん順位を上げていくこと、優勝を目指していく」と言う。家族も応援に駆けつけ、「目に焼き付けてほしいです」と笑顔を浮かべる。 また、後輩たちに対しては「何かを伝えられるという余裕はないですが、前半が良くなくてもベテランらしくまとめて、最後に記録を残すところを見せられれば」と話し、「明日もよろしくお願いします」と笑顔を見せて会場を後にした。 その中村に対し、「僕はまだ辞めるとは認めないよと、会う度に言っています」と笑うのがもう一人のレジェンド・右代啓祐(国士舘クラブ)。ともに8000点に到達し、世界への扉をこじ開けてきた2人で戦う最後の日本選手権となる。 右代は得意の砲丸投で全体トップ。「記録は全然ですが、まだまだ若手には負けないぞ、というところを見せられた。これで危機感を持ってもらいたい」と語る。 初日を終えて3378点で12位。もうすぐ37歳になる中で「吹っ切れた部分もあるし、どれだけ長くやれるか楽しみ」という境地にありつつも、「アスリートととして高みを目指しているし、1位になりたい、アジア大会に行きたいと思っています」とも。「自分はまだまだやるぞ、という気持ちで400mも走り切れた」と笑う。 それぞれ得意種目で全体トップとなった2人。こういった勝負どころで「存在感」を発揮する力を「2人で一緒に後輩たちに伝えられたら」と力を込めた。 全体トップは丸山優真(住友電工)で、2日目に初優勝を懸けて臨んでいく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.26

やり投・北口榛花が奄美大島で合宿「初戦までに形を見つけたい」世界選手権連覇へ「プレッシャーはない」

女子やり投の北口榛花(JAL)が合宿先の鹿児島県・奄美大島で会見を開いた。 昨年のパリ五輪で女子トラック&フィールド種目初の金メダルを獲得した北口。2月中旬から約1ヵ月はスペインのテネリフェ島で合宿を積んで一時帰国し、3 […]

NEWS 【男子100m】柏田琉依(山口FSL・中2)10秒80=中2歴代2位タイ

2025.03.26

【男子100m】柏田琉依(山口FSL・中2)10秒80=中2歴代2位タイ

山口県中学校春季記録会が3月22日、山口市の維新みらいふスタジアムで行われ、男子100mで柏田琉依(山口FSL/2年)が中2歴代2位タイの10秒80(+1.6)をマークした。 柏田のこれまでの自己ベストは、昨年11月に出 […]

NEWS 日本選手権室内・日本室内大阪大会が終了 リレーフェス今年実施せず、U16リレーは7/12~13の日本選手権リレー・混成と併催

2025.03.26

日本選手権室内・日本室内大阪大会が終了 リレーフェス今年実施せず、U16リレーは7/12~13の日本選手権リレー・混成と併催

日本陸連は3月26日、都内での理事会後、2025年度の主要競技会日程を発表した。 これまで、主に毎年2月に実施していた日本選手権室内・日本室内大阪大会は終了とし、25年度から行われない。 同大会は元々、1984年に「国際 […]

NEWS 【男子3000m】尾田祥太(Runup Academy・中2) 8分37秒25=中2歴代6位

2025.03.26

【男子3000m】尾田祥太(Runup Academy・中2) 8分37秒25=中2歴代6位

3月22日、名古屋市のパロマ瑞穂北陸上競技場で愛知陸協長距離競技会(第1回トヨタ紡織記録挑戦会)が行われ、男子3000mに出場した尾田祥太(Runup Academy/岡崎南中2愛知)が8分37秒25の中2歴代6位のタイ […]

NEWS セイコーGGPと日本選手権で東京世界陸上の運営トレーニング実施「大会運営に必要な能力・経験」の蓄積目指す

2025.03.26

セイコーGGPと日本選手権で東京世界陸上の運営トレーニング実施「大会運営に必要な能力・経験」の蓄積目指す

公益財団法人東京2025世界陸上財団は3月26日に理事会を開き、本番での運営能力向上を図るため、運営トレーニングを実施することを発表した。 トレーニングの対象大会は、本番のメイン会場である国立競技場で行われるセイコーゴー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top