HOME 国内

2023.06.04

田中希実 圧巻の2年連続2種目制覇 世界陸上に向け「決勝には残れるイメージができた」/日本選手権
田中希実 圧巻の2年連続2種目制覇 世界陸上に向け「決勝には残れるイメージができた」/日本選手権

田中希実(New Balance)

◇第107回日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)4日目

ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権の4日目に女子5000mが行われ、田中希実(New Balance)が15分10秒63で2連覇を達成。2年連続で1500mとの2冠に輝いた。

2日前の1500mを終えて、「5000mの選手にはないスプリントを見せたい」と語っていた通り、圧倒的なスピードだった。集団がハイペースなら「(世界選手権の)標準記録(14分57秒00)を狙ってラスト3周から行こう」と考えていたが、最初の1000m通過が3分02秒に落ち着いたため、プランを切り替えた。

9分21秒で通過した3000mから果敢に飛び出す。「怖さはありましたが、自分が絶対に勝てると思うところで出るのはズルいと思った。自分の可能性にチャレンジしよう」。ブダペスト世界選手権マラソン代表の加世田梨花(ダイハツ)、小海遥(第一生命グループ)が追いかけるが、その差をジリジリと広げていく。

そして、「スプリント」を見せつけたのは残り1周から。「本当は500mあたりから出たかった」そうだが、1500mの残り800mから見せたロングスプリンターのような腕振りで、ぐんぐん加速する。最後の400mは60秒。61秒だった1500mの時を上回るスピードで観客を魅了した。

「ハイペースの展開だったら標準記録は見えた」と確信できるほど、「自分の力がついていることが確認できました」。昨年まで2年連続で800mを含む3種目に挑戦してきたが、今回は「1500mと5000mで世界で戦う」という明確な目標のために、2種目に絞った。

その中で5000mは「(世界選手権で)決勝には残れるイメージができた。あとは入賞にどう絡んでいくか」。そして、「メダル争いもイメージしてトレーニングをしてもいいのかな」と思えるまでに、手応えをつかんだ日本選手権となった。

広告の下にコンテンツが続きます

6月2日のダイヤモンドリーグ・ラバト大会女子1500mで、東京五輪、オレゴン世界選手権金メダルのフェイス・キピエゴン(ケニア)が、史上初の3分50秒切りとなる3分49秒11の世界新記録を樹立した。そのニュースを、田中は1500mのレース後に知ったという。

「逆にうれしくなりました」と田中。この後ケニアに渡り、さらにスピードを求めていく。いよいよ、世界と戦うための準備を本格化させていく。

◇第107回日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)4日目 ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権の4日目に女子5000mが行われ、田中希実(New Balance)が15分10秒63で2連覇を達成。2年連続で1500mとの2冠に輝いた。 2日前の1500mを終えて、「5000mの選手にはないスプリントを見せたい」と語っていた通り、圧倒的なスピードだった。集団がハイペースなら「(世界選手権の)標準記録(14分57秒00)を狙ってラスト3周から行こう」と考えていたが、最初の1000m通過が3分02秒に落ち着いたため、プランを切り替えた。 9分21秒で通過した3000mから果敢に飛び出す。「怖さはありましたが、自分が絶対に勝てると思うところで出るのはズルいと思った。自分の可能性にチャレンジしよう」。ブダペスト世界選手権マラソン代表の加世田梨花(ダイハツ)、小海遥(第一生命グループ)が追いかけるが、その差をジリジリと広げていく。 そして、「スプリント」を見せつけたのは残り1周から。「本当は500mあたりから出たかった」そうだが、1500mの残り800mから見せたロングスプリンターのような腕振りで、ぐんぐん加速する。最後の400mは60秒。61秒だった1500mの時を上回るスピードで観客を魅了した。 「ハイペースの展開だったら標準記録は見えた」と確信できるほど、「自分の力がついていることが確認できました」。昨年まで2年連続で800mを含む3種目に挑戦してきたが、今回は「1500mと5000mで世界で戦う」という明確な目標のために、2種目に絞った。 その中で5000mは「(世界選手権で)決勝には残れるイメージができた。あとは入賞にどう絡んでいくか」。そして、「メダル争いもイメージしてトレーニングをしてもいいのかな」と思えるまでに、手応えをつかんだ日本選手権となった。 6月2日のダイヤモンドリーグ・ラバト大会女子1500mで、東京五輪、オレゴン世界選手権金メダルのフェイス・キピエゴン(ケニア)が、史上初の3分50秒切りとなる3分49秒11の世界新記録を樹立した。そのニュースを、田中は1500mのレース後に知ったという。 「逆にうれしくなりました」と田中。この後ケニアに渡り、さらにスピードを求めていく。いよいよ、世界と戦うための準備を本格化させていく。

【動画】圧倒的スパート!女子5000mで連覇を飾った田中希実の走りをチェック!

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.18

選抜女子駅伝オーダー発表 積水化学は1区松本明莉、パナソニック5区森田香織 高校3連覇狙う神村学園は5区瀬戸口凜

第36回選抜女子駅伝北九州大会(1月19日/福岡・北九州市の小倉城歴史の道発着)前日の1月18日、各チームのオーダーが発表された。 一般の部(5区間27.2km)は実業団チームと地元・北九州市一般選抜を含めた10チームが […]

NEWS 都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔

2025.01.18

都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]

NEWS 西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

2025.01.17

西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]

NEWS 編集部コラム「年末年始の風物詩」

2025.01.17

編集部コラム「年末年始の風物詩」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

2025.01.17

中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top