HOME 学生長距離

2020.06.24

PlayBack箱根駅伝1991/大東大が史上初の3冠王者に!
PlayBack箱根駅伝1991/大東大が史上初の3冠王者に!

総合連覇を飾った大東大陣営。出雲、全日本に続いて学生駅伝3冠を成し遂げた

平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は大東大が史上初の3冠と2連覇を同時に達成した第67回大会(1991年)を紹介する。大会を歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!?

プレイバック箱根駅伝 – 写真で振り返るHakone History

4区で首位に立った大東大が2連覇、山梨学大が過去最高の2位

先頭をひた走っていた明大をとらえて首位に浮上した大東大の4区・松浦忠明(左)

 直前の出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、史上初の駅伝3冠を目指した前回王者の大東大。その立役者となった松浦忠明、実井謙二郎、大津睦、広藤敏幸(以上4年)、島嵜貴之(3年)、奈良修(2年)が中心となり、この大会も圧倒的な戦力を見せつけた。

1区では櫛部静二、花田勝彦とともに「早大三羽烏」と称されたルーキーの武井隆次が区間記録を4秒更新する快走でトップ中継。以下、日体大、東農大、日大と続き、大東大は2分55秒差の10位発進と出遅れた。

 2区では大きく順位が変動した。日体大が後に世界選手権10000m代表となる平塚潤(4年)の快走で首位を奪うと、山梨学大のジョセフ・オツオリ(3年)が6人抜きの区間賞で2位に浮上。2年ぶりの出場となった明大が3位につけ、トップで走り出した早大の櫛部は20kmまでは健闘したものの、残り3kmで脱水症状に見舞われて14位まで順位を落とした。

3区では明大が実に30年ぶりとなるトップ中継を果たした後ろで、大東大が大津の2年連続区間賞で2位までランクアップ。4区の松浦が区間トップの走りで首位を奪取すると、以降は後続との差を広げる一方だった。

4区終了時で1分21秒だった2位との差は、5区終了時で4分08秒、6区終了時で6分08秒。最終的には6分26秒の大差をつけて2連覇&3冠を達成した。

往路で5位につけた山梨学大が出場5回目で過去最高の2位。最終10区で高梨信介(1年)の区間賞で2つ順位を上げた中大が3年連続の3位となった。

復路優勝は6区と9区で区間賞を獲得した順大。7区では駒大の大場康成(3年)が区間新の快走で9位から5位まで順位を上げて見せ場を作った。

<人物Close-up>
実井謙二郎(大東大4)
箱根駅伝2連覇、学生駅伝3冠を成し遂げたチームにおいて、絶対的エースとして君臨したのが実井謙二郎(4年)だ。1年目の箱根で1区区間賞(区間新)と鮮烈なデビューを飾ると、2年時から3年連続で“花の2区”に抜てき。区間賞には縁がなかったが、区間4位、区間3位、区間4位と抜群の安定感が光った。卒業後は主にマラソンで活躍し、1996年の東京国際では当時日本歴代6位となる2時間8分50秒でアトランタ五輪代表をつかんだ。その後も長らく活躍を続け、2008年には39歳9ヵ月で2時間12分48秒をマークしている。

<総合成績>

1位 大東文化大学 11.19.07(往路1位、復路2位)
2位 山梨学院大学 11.25.33(往路5位、復路3位)
3位 中央大学   11.26.31(往路2位、復路5位)
4位 日本大学   11.27.16(往路3位、復路6位)
5位 日本体育大学 11.27.50(往路4位、復路7位)
6位 順天堂大学  11.28.30(往路9位、復路1位)
7位 東京農業大学 11.32.49(往路7位、復路9位)
8位 東海大学   11.33.44(往路12位、復路4位)
9位 駒澤大学   11.34.43(往路11位、復路8位)
========シード権ライン=========
10位 法政大学   11.38.06(往路8位、復路13位)
11位 早稲田大学  11.38.36(往路10位、復路12位)
12位 専修大学   11.43.06(往路13位、復路10位)
13位 国士舘大学  11.45.26(往路14位、復路11位)
14位 明治大学   11.48.13(往路6位、復路15位)
15位 東洋大学   11.59.57(往路15位、復路14位)

<区間賞>
1区(21.3km)武井隆次(早 大1)   1.03.26=区間新
2区(23.0km)J.オツオリ(山梨学大3) 1.08.40
3区(21.3km)大津 睦(大東大4)   1.04.03
4区(20.9km)松浦忠明(大東大4)   1.05.24
5区(20.7km)北原慎也(駒 大4)   1.13.35
6区(20.7km)紺野 浩(順 大4)   1.00.26
7区(21.2km)大場康成(駒 大3)   1.04.44=区間新
8区(21.3km)松井紀仁(日体大1)   1.08.12
9区(23.0km)新藤伸之(順 大3)   1.12.39
10区(21.3km)高梨信介(中 大1)   1.07.54

【関連記事】
PlayBack箱根駅伝1990/山を攻略した大東大が平成初の王者に!
【学生駅伝ストーリー】77歳の“新指揮官”青葉監督が目指す名門・日大「箱根シード権への道」
【学生駅伝ストーリー】東海大黄金世代、それぞれの4年間(1)館澤亨次 頼れる主将
【学生駅伝ストーリー】“高校最速”から学生長距離界のトップへ。お互いをライバルと認め合う早大・中谷雄飛と駒大・田澤廉
【学生駅伝ストーリー】相澤晃を育てた「ガクセキ・メソッド」と東洋大での4年間

総合連覇を飾った大東大陣営。出雲、全日本に続いて学生駅伝3冠を成し遂げた 平成以降の箱根駅伝を振り返る「PlayBack箱根駅伝」。今回は大東大が史上初の3冠と2連覇を同時に達成した第67回大会(1991年)を紹介する。大会を歴史を知ることで、正月の箱根路がより楽しみになるかも!? https://www.rikujyokyogi.co.jp/hakone_history

4区で首位に立った大東大が2連覇、山梨学大が過去最高の2位

先頭をひた走っていた明大をとらえて首位に浮上した大東大の4区・松浦忠明(左)

 直前の出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、史上初の駅伝3冠を目指した前回王者の大東大。その立役者となった松浦忠明、実井謙二郎、大津睦、広藤敏幸(以上4年)、島嵜貴之(3年)、奈良修(2年)が中心となり、この大会も圧倒的な戦力を見せつけた。

1区では櫛部静二、花田勝彦とともに「早大三羽烏」と称されたルーキーの武井隆次が区間記録を4秒更新する快走でトップ中継。以下、日体大、東農大、日大と続き、大東大は2分55秒差の10位発進と出遅れた。

 2区では大きく順位が変動した。日体大が後に世界選手権10000m代表となる平塚潤(4年)の快走で首位を奪うと、山梨学大のジョセフ・オツオリ(3年)が6人抜きの区間賞で2位に浮上。2年ぶりの出場となった明大が3位につけ、トップで走り出した早大の櫛部は20kmまでは健闘したものの、残り3kmで脱水症状に見舞われて14位まで順位を落とした。

3区では明大が実に30年ぶりとなるトップ中継を果たした後ろで、大東大が大津の2年連続区間賞で2位までランクアップ。4区の松浦が区間トップの走りで首位を奪取すると、以降は後続との差を広げる一方だった。

4区終了時で1分21秒だった2位との差は、5区終了時で4分08秒、6区終了時で6分08秒。最終的には6分26秒の大差をつけて2連覇&3冠を達成した。

往路で5位につけた山梨学大が出場5回目で過去最高の2位。最終10区で高梨信介(1年)の区間賞で2つ順位を上げた中大が3年連続の3位となった。

復路優勝は6区と9区で区間賞を獲得した順大。7区では駒大の大場康成(3年)が区間新の快走で9位から5位まで順位を上げて見せ場を作った。

<人物Close-up> 実井謙二郎(大東大4) 箱根駅伝2連覇、学生駅伝3冠を成し遂げたチームにおいて、絶対的エースとして君臨したのが実井謙二郎(4年)だ。1年目の箱根で1区区間賞(区間新)と鮮烈なデビューを飾ると、2年時から3年連続で“花の2区”に抜てき。区間賞には縁がなかったが、区間4位、区間3位、区間4位と抜群の安定感が光った。卒業後は主にマラソンで活躍し、1996年の東京国際では当時日本歴代6位となる2時間8分50秒でアトランタ五輪代表をつかんだ。その後も長らく活躍を続け、2008年には39歳9ヵ月で2時間12分48秒をマークしている。

<総合成績>

1位 大東文化大学 11.19.07(往路1位、復路2位) 2位 山梨学院大学 11.25.33(往路5位、復路3位) 3位 中央大学   11.26.31(往路2位、復路5位) 4位 日本大学   11.27.16(往路3位、復路6位) 5位 日本体育大学 11.27.50(往路4位、復路7位) 6位 順天堂大学  11.28.30(往路9位、復路1位) 7位 東京農業大学 11.32.49(往路7位、復路9位) 8位 東海大学   11.33.44(往路12位、復路4位) 9位 駒澤大学   11.34.43(往路11位、復路8位) ========シード権ライン========= 10位 法政大学   11.38.06(往路8位、復路13位) 11位 早稲田大学  11.38.36(往路10位、復路12位) 12位 専修大学   11.43.06(往路13位、復路10位) 13位 国士舘大学  11.45.26(往路14位、復路11位) 14位 明治大学   11.48.13(往路6位、復路15位) 15位 東洋大学   11.59.57(往路15位、復路14位)

<区間賞> 1区(21.3km)武井隆次(早 大1)   1.03.26=区間新 2区(23.0km)J.オツオリ(山梨学大3) 1.08.40 3区(21.3km)大津 睦(大東大4)   1.04.03 4区(20.9km)松浦忠明(大東大4)   1.05.24 5区(20.7km)北原慎也(駒 大4)   1.13.35 6区(20.7km)紺野 浩(順 大4)   1.00.26 7区(21.2km)大場康成(駒 大3)   1.04.44=区間新 8区(21.3km)松井紀仁(日体大1)   1.08.12 9区(23.0km)新藤伸之(順 大3)   1.12.39 10区(21.3km)高梨信介(中 大1)   1.07.54

【関連記事】 PlayBack箱根駅伝1990/山を攻略した大東大が平成初の王者に! 【学生駅伝ストーリー】77歳の“新指揮官”青葉監督が目指す名門・日大「箱根シード権への道」 【学生駅伝ストーリー】東海大黄金世代、それぞれの4年間(1)館澤亨次 頼れる主将 【学生駅伝ストーリー】“高校最速”から学生長距離界のトップへ。お互いをライバルと認め合う早大・中谷雄飛と駒大・田澤廉 【学生駅伝ストーリー】相澤晃を育てた「ガクセキ・メソッド」と東洋大での4年間

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.24

資生堂が4区を変更 パリ五輪代表・高島由香から石田萌笑へ/クイーンズ駅伝

◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)の区間エントリーの最終確定 […]

NEWS 積水化学が連覇か?日本郵政グループら女王奪還か?クイーンズ駅伝きょう12時15分号砲

2024.11.24

積水化学が連覇か?日本郵政グループら女王奪還か?クイーンズ駅伝きょう12時15分号砲

◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城)は今日、宮城県松島 […]

NEWS 中大が総合トップ 吉居駿恭が27分44秒48の大学新記録!! 2、3組も組トップ占める/MARCH対抗戦

2024.11.23

中大が総合トップ 吉居駿恭が27分44秒48の大学新記録!! 2、3組も組トップ占める/MARCH対抗戦

◇MARCH対抗戦2024(11月23日/東京・町田GIONスタジアム) 明大、青学大、立教大、中大、法大の5大学が10000mレースで争うMARCH対抗戦2024が行われ、最終の4組で青学大の鶴川正也(4年)が27分4 […]

NEWS 遠藤日向が7年ぶりの10000m「長く感じました」五輪逃した悔しさにじみ「来年飛躍できるように」/八王子LD

2024.11.23

遠藤日向が7年ぶりの10000m「長く感じました」五輪逃した悔しさにじみ「来年飛躍できるように」/八王子LD

◇2024八王子ロングディスタンス(11月23日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、最終8組はシン・ガルビア(インド)がインド新となる27分14秒88でトップを飾っ […]

NEWS 青学大・鶴川正也が27分43秒33でトップ! ラストの直線で逆転「絶対に勝ちきろうと思った」/MARCH対抗戦

2024.11.23

青学大・鶴川正也が27分43秒33でトップ! ラストの直線で逆転「絶対に勝ちきろうと思った」/MARCH対抗戦

◇MARCH対抗戦2024(11月23日/東京・町田GIONスタジアム) 明大、青学大、立教大、中大、法大の5大学が10000mレースで争うMARCH対抗戦2024が行われ、最終の4組で青学大の鶴川正也(4年)が27分4 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top