2023.04.30
ケガで全国中学駅伝を断念
――では、中学でも自然な流れで陸上部に?
横道 育った地域は陸上が盛んで、地元の中学にも速い選手がたまたま集まっていたので、やるのが当然という感じでした。でも、ダンスがずっと好きだったので並行しながら入部しました。
――陸上部はどんな雰囲気でしたか。
横道 強い選手が多くて練習も厳しかったです。でも、先輩たちもすごく優しかったので萎縮することはなかったです。1年生の時にはチームが全中駅伝に出場しました。
朝練習もありました。自然に囲まれた学校なので、山の中を走ることも多かったです。練習後にはクエン酸や青汁を飲むのですが、その青汁がおいしくなくて…(笑)。あと、バケツに氷水を浸してのアイシングが苦手でした!
――横道さんの成績は?
横道 入学してすぐにシンスプリント(※すねの痛み)を発症しました。しばらくは試合に出ていて、800mで2分30秒を切るくらいだったんです。小学校のクラブのコーチも「強い」って期待をしてくれていたので、頑張ろうって思っていたのですが…。
県大会出場を決めてから全然走れなくなってしまいました。出るたびに記録を更新していたので楽しくて仕方なかったのですが、ケガをして以降は本当に悔しかったです。全中駅伝も補欠で出場できませんでした。「ケガをしていなかったら出られたかな」って。
――そんななかでも頑張れたのは。
横道 家族もすごく応援してくれて、いろんなお医者さんを見つけてきてくれました。それに先輩や同い年の仲間が頑張っている姿を見て、頑張れた気がします。
結局、全国大会は出られませんでしたが、補欠として同行した時はすごく楽しかった思い出が残っています。山口(全中駅伝の開催地)に行くまでの道中もそうですし、おいしいものを食べたり、コースを下見したり。そういうのが楽しかったです。
――ちなみに仲の良い選手で陸上を続けている人はいますか。
横道 順天堂大の西澤侑真くん(現・トヨタ紡織)と早稲田大の鈴木創士くん(現・安川電機)は高校の同級生なんです! 創士くんとは小学生の時に一緒に練習したこともあります。高校に入った時、侑真くんは「陸上部に入ってよ!」って言ってくれましたね(笑)。箱根駅伝もすごく応援していました。
拓殖大の牛佳慧ちゃん(日本郵政グループ)は小学校から一緒の陸上チームでした。私はいろんな大会で2位が多かったんですが、佳慧ちゃんがいたからなんです! 赤堀かりんちゃん(日体大、現・東京メトロ)もライバルでした。みんなの活躍は今も気にしています。
物心ついた時から走っていた!
――横道さんと言えば、AKB48「チーム8」活動時に駅伝で活躍されたのが大きく報じられたのが印象に残っています。 横道 中2の静岡県駅伝で4区を走って区間2位でした。実は当時、すでに芸能活動をしていたので部活は辞めているんです。駅伝は出ていました。 ――そうなのですね! そのあたりも詳しく聞かせてください。元々、陸上を始めたきっかけは? 横道 物心ついた時から走るのが日課でした。父は陸上経験者で、その後両親ともにトライアスロンをやっていました。私も小学校の時はトライアスロンをしていました。水泳は2歳から習っていて、小さい時から家族みんなで朝早くから走っていましたね。泣きながら走っていたこともあります(笑)。 ――他に習い事はされていましたか。 横道 祖母の影響でタップダンスを4歳から通っていました。それでダンスが好きになってジャズダンスも。あとは、ピアノとか体操……学校終わりに2つハシゴしていたこともあります。 [caption id="attachment_100391" align="alignnone" width="800"] 小学生の頃から陸上クラブに通い始めたという横道さん[/caption] ――スポーツ一家なんですね! 箱根駅伝のデータを見て、静岡県出身で順大・横道正憲選手(磐田農業高校卒/1986、87年に9区)という名前を見つけたのですが…。 横道 父の従兄弟です! 妹も中学生の頃から全国大会で入賞していて、全国高校駅伝にも出場しています。 ――すごい家系ですね! ご自身はいつから陸上を? 横道 小4から地元のクラブチームに入りました。家族ぐるみで仲が良かった友達がクラブに入っていたので体験に行きました。「入ったら速くなれるかな」って思って自分から行きたいと言って始めましたね。結構、負けず嫌いだったんです(笑)。 ――走ることは好きだったんですね。 横道 当時は好きというよりも、ごく自然なことだったんです。今思うと強豪チームでペース走やビルドアップ走など本格的な練習をしていました。でも、走るのが生活の一部だったので、嫌とかすら思わなかったです! 練習でも「もっと強くなりたい」と思ってコースを少し遠回りしていました。なんだか自分が速くなった気がしていましたね。ケガで全国中学駅伝を断念
――では、中学でも自然な流れで陸上部に? 横道 育った地域は陸上が盛んで、地元の中学にも速い選手がたまたま集まっていたので、やるのが当然という感じでした。でも、ダンスがずっと好きだったので並行しながら入部しました。 ――陸上部はどんな雰囲気でしたか。 横道 強い選手が多くて練習も厳しかったです。でも、先輩たちもすごく優しかったので萎縮することはなかったです。1年生の時にはチームが全中駅伝に出場しました。 朝練習もありました。自然に囲まれた学校なので、山の中を走ることも多かったです。練習後にはクエン酸や青汁を飲むのですが、その青汁がおいしくなくて…(笑)。あと、バケツに氷水を浸してのアイシングが苦手でした! ――横道さんの成績は? 横道 入学してすぐにシンスプリント(※すねの痛み)を発症しました。しばらくは試合に出ていて、800mで2分30秒を切るくらいだったんです。小学校のクラブのコーチも「強い」って期待をしてくれていたので、頑張ろうって思っていたのですが…。 県大会出場を決めてから全然走れなくなってしまいました。出るたびに記録を更新していたので楽しくて仕方なかったのですが、ケガをして以降は本当に悔しかったです。全中駅伝も補欠で出場できませんでした。「ケガをしていなかったら出られたかな」って。 [caption id="attachment_100392" align="alignnone" width="800"] 今も現役で走っている知人も多いという[/caption] ――そんななかでも頑張れたのは。 横道 家族もすごく応援してくれて、いろんなお医者さんを見つけてきてくれました。それに先輩や同い年の仲間が頑張っている姿を見て、頑張れた気がします。 結局、全国大会は出られませんでしたが、補欠として同行した時はすごく楽しかった思い出が残っています。山口(全中駅伝の開催地)に行くまでの道中もそうですし、おいしいものを食べたり、コースを下見したり。そういうのが楽しかったです。 ――ちなみに仲の良い選手で陸上を続けている人はいますか。 横道 順天堂大の西澤侑真くん(現・トヨタ紡織)と早稲田大の鈴木創士くん(現・安川電機)は高校の同級生なんです! 創士くんとは小学生の時に一緒に練習したこともあります。高校に入った時、侑真くんは「陸上部に入ってよ!」って言ってくれましたね(笑)。箱根駅伝もすごく応援していました。 拓殖大の牛佳慧ちゃん(日本郵政グループ)は小学校から一緒の陸上チームでした。私はいろんな大会で2位が多かったんですが、佳慧ちゃんがいたからなんです! 赤堀かりんちゃん(日体大、現・東京メトロ)もライバルでした。みんなの活躍は今も気にしています。ミュージカル女優にあこがれ
――芸能活動を始めたきっかけを教えてください。 横道 ずっとミュージカルが好きで舞台『アニー』など、いろいろなオーディションを受けていました。そんな頃に母から「こういうオーディションがあるよ」と勧められたのがAKB48でした。中1の時にオーディションを受けて中2の4月から活動をスタートしました。 ――陸上をしながらだったと思いますが迷いはなかったですか。 横道 結構、迷いました。でも、その時期にケガをしていたのもあって…。しばらくは両立していたのですが、レッスンやお仕事が徐々に増えていって部活に行けなくなりました。 それでも、先生から「駅伝は出てほしい」と声をかけていただいて、駅伝シーズンが近づくと少しだけ練習に参加して2、3年目も県駅伝に出場しました。私も出たかったのでそれはうれしかったです。 全中駅伝に行きたかった思いは今でもあります。ケガをしていなかったらどうなったかな、もっと良い時期を過ごせたらどうだったかなと思いますね。 ――中2の県駅伝で活躍した時の心境は? 横道 区間2位だったので、1位の人がいるのに大きく取り上げられたのは少し複雑でした。でもその後は足の速い子って認知してもらえて、AKB48の運動会でも貢献できたので良かったです! [caption id="attachment_100393" align="alignnone" width="800"] 特に駅伝が好きだったと振り返る横道さん[/caption] ――陸上、長距離、駅伝の魅力はどんなところですか。 横道 長距離はたくさんの声援を聞くことができます。応援の声があるから速く走れるんです。駅伝はタスキをもらった時の相手の表情や、頑張れっていう一言や、そういったものがつながる時に「頑張るぞ」って思えます。全力で走ったからこそタスキを次の走者に渡せる。速い、遅いではなくて、「全力で頑張る」というのが良い走り、良いチームだと思います。一人じゃないって大きいですよね。 ――それはアイドル活動でも同じかもしれませんね! アイドルをしていた時のやりがいは? 横道 パフォーマンスをファンの方にお届けして、それで「元気をもらった」など感想を直接もらえたり、笑顔になってもらえたり。ファンの方々の存在はすごく大きかったです。同期もすごく仲が良くて、いろいろな活動で各地に行くときは修学旅行みたいで楽しかったですね。 ――そんななかで卒業を決めた理由を聞かせてください。 横道 活動が忙しくなるにつれて、たくさんの曲を覚えて披露することに大変になってしまったのがあります。もっと表現することをしたいなって強く思うようになって卒業を決めました。AKB48卒業後はフリーランスで活動!
――事務所に所属せずフリーランスとして活動をしたのは? 横道 これをしなさい、と言われるのがすごく苦手なんです…。それよりも自分のやりたいことと、自分の責任でできる。それを一生懸命にやりたいなっていう思いがありました。ただ、最初からフリーランスだったというよりも、グループを卒業した後に少しずつお仕事のオファーをいただくなかで、気がついたら一人でやっていたんです。事務所に所属しないかとお誘いもいただきましたが、自己責任で楽しく活動がしたくて今の形になりました。 ――大変…ですよね? 横道 めちゃくちゃ大変です!(笑) スケジュール調整やギャランティーの交渉など、本来マネージャーさんがやってくださっていたところを管理するので、気持ちの起伏もあって。それに影響されない役者にならないとなって思います。こうしたことが、いつか糧になると思って頑張っています。 ――現在は舞台を中心にご活躍されていますが、お仕事をされていて陸上の経験が生きていると感じることはありますか。 横道 現場で「粘り強いね」「全力だね」と褒めていただくことが多いのですが、それは陸上の経験があったからだと思います。陸上をしていた頃から手を抜くのが苦手なんです。お芝居では良い面も悪い面もあると思いますが、持久力や粘り強さは人一倍あるんじゃないかなって! 陸上をやっていてい本当に良かったと思います。 ――お芝居の魅力は? 横道 作品を見ると幸せな気分になったり感動したりしますよね。影響を受ける、考え方が変わる。少しでもそういったきっかけになるのは素敵だなってお思います。何か嫌なことがあっても、作品を見たことで「明日も頑張ろう」と思ってもらえる。そんな存在になれたらうれしいです。 ――今後やってみたいお仕事はありますか。 横道 やっぱりあこがれだったミュージカルをやってみたいです。今はすごく楽しくお仕事ができています。悩むこともたくさんありますが、苦しみ抜いて、いっぱい考えたら吹っ切れて楽しいなって思えます。 ――陸上や部活を頑張っている人たちへメッセージをお願いします! 横道 スポーツをしているとつまずくことも多いと思います。例えそれを乗り越えても本当に速くなるかもわかりません。でも、だからこそ今を全力でやるのが大切だと思います。走れる環境を作ってくれる方々、応援してくれる方々がいると思えれば、いい加減にできないし、そのぶん楽しく、一生懸命に走れると思います。 人生は楽しむのもすごく大事! 苦しんだ後にきっと楽しくなるはずです。感謝を忘れずに、全力で今を楽しんでください!!よこみち・ゆり/2000年10月23日生まれ、静岡県浜松市出身。150cm。幼い頃から走るのが日課。それと同時にダンスにも取り組む。小4から地元のクラブチームに所属して中長距離に励む。中学3年間は県駅伝で活躍した。中2でAKB48のチーム8メンバーとしてお披露目して活動をスタート。2019年に卒業し、現在はフリーランスで活動する。5月12日から14日まで舞台『NEVER EVER NEVER』(大阪)、6月14日から18日には舞台『暗殺警察』、7月5日から9日まで舞台『トラブルメーカーwww2 ~隣の星は青く見える~』への出演が決まっている。Twitter、Instagram |
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