2020.07.17
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第51回「指が痛い。」(向永拓史)
7月に入ってから指が痛いんです。目もチカチカして疲れています。
なぜなら、急にTwitterをする回数が激増したから。
今月、ようやく競技会が再開しました。まだまだ、通常通りの開催とはいきませんが、それでも陸上界にとって大きな前進ですね。
リスタート早々、各地で好記録が出るわ、出るわ。
特に驚いたのが高校生のみなさん。インターハイがなくなり、県大会ができず。そんな中で作った先月号の付録「高校アスリート2020」でした。
でも、あっちこっちで良い記録が飛び出しました。
それをツイートしていると、どこかの高校生の方が「みんなの大会速報を見ていると元気が出た。自分も受験勉強を頑張ろう」というツイートを見ました。感動しました。もしかすると、大人が思っている以上に、高校生は強いのかも。そんなふうに感じました。
インターハイについて、以前このコラムで、「秋のU20・U18を高校生に」と書きました。結果的に、それに近いかたちが取られるようになりました(予想が当たった!と自慢するわけではないです。誰でも思おうことですから)。
今はリモート選手権や、横田真人さんが主宰されるバーチャレ、棒高跳のスポチャレなど、いろいろなかたちの〝大会〟があります。どれも素晴らしい発想で、多くの中高生の励みになったり、目標になったりしていると思います。自分たちも、報道することなどで、力になりたいと思います。
それでも、賛否あるかもしれませんが、僕はやっぱり「全国大会」「日本一を決める大会」が必要だと思います。
勝つことが大事なのではなく、「日本一決定戦」に向かって仲間たちと努力を重ねることが、人生にとってとても大切だと思うからです。「日本一決定戦」でしか湧かない感情、できない経験がきっとあると思います。
だから、広島での高校日本一決定戦、そして新横浜での中学日本一決定戦に出場される選手は、全力で日本一を目指して頑張ってほしいなと思います。
それともう一つ。
ずっと中学、高校の話題で持ちきりでしたが、大学生の事態も深刻を極めています。
もしかすると、中学高校は陸上を続けようと思えば続けられる選手が多い気がしますが、大学生はそうはいきません。〝引退率〟でいえば、最も高いでしょう。ほとんどの4年生は競技を引退し、一般企業に就職します。
今は就職活動さえままならず、授業も先行き不透明。陸上の練習どころではない、という学生も多いと思います。
いつもなら、春先の学校対校戦で「どうすんの?」なんて挨拶して、「今年で引退します」と聞くと、「そっか、最後まで頑張って!ずっと応援しているから」って伝えられます。そして、日本インカレや関東インカレで、「お疲れさま」って言えるんです。
でも、今年はそれができるかわかりません。すでに引退している選手も多いでしょう。中学、高校から見てきた選手が引退する時のさみしさは、毎年慣れないものですが、今年はいつも以上にさみしいものになりそうです。
こんな悲しい文章をキーボードで叩いていると、指が痛いですね。
直接言えたり、顔を見たり、最後の試合を見たり。それができるように祈っていますが、一応、これまで取材してきた大学4年生にここで伝えておきます。
陸上をしていても、陸上を辞めても、これからもずっと応援しています。
向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg(全盛期のマラドーナと同じ)、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。趣味は一人カラオケで、自己ベストは8時間。 |
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第51回「指が痛い。」(向永拓史)
7月に入ってから指が痛いんです。目もチカチカして疲れています。 なぜなら、急にTwitterをする回数が激増したから。 今月、ようやく競技会が再開しました。まだまだ、通常通りの開催とはいきませんが、それでも陸上界にとって大きな前進ですね。 リスタート早々、各地で好記録が出るわ、出るわ。 特に驚いたのが高校生のみなさん。インターハイがなくなり、県大会ができず。そんな中で作った先月号の付録「高校アスリート2020」でした。 でも、あっちこっちで良い記録が飛び出しました。 それをツイートしていると、どこかの高校生の方が「みんなの大会速報を見ていると元気が出た。自分も受験勉強を頑張ろう」というツイートを見ました。感動しました。もしかすると、大人が思っている以上に、高校生は強いのかも。そんなふうに感じました。 インターハイについて、以前このコラムで、「秋のU20・U18を高校生に」と書きました。結果的に、それに近いかたちが取られるようになりました(予想が当たった!と自慢するわけではないです。誰でも思おうことですから)。 今はリモート選手権や、横田真人さんが主宰されるバーチャレ、棒高跳のスポチャレなど、いろいろなかたちの〝大会〟があります。どれも素晴らしい発想で、多くの中高生の励みになったり、目標になったりしていると思います。自分たちも、報道することなどで、力になりたいと思います。 それでも、賛否あるかもしれませんが、僕はやっぱり「全国大会」「日本一を決める大会」が必要だと思います。 勝つことが大事なのではなく、「日本一決定戦」に向かって仲間たちと努力を重ねることが、人生にとってとても大切だと思うからです。「日本一決定戦」でしか湧かない感情、できない経験がきっとあると思います。 だから、広島での高校日本一決定戦、そして新横浜での中学日本一決定戦に出場される選手は、全力で日本一を目指して頑張ってほしいなと思います。 それともう一つ。 ずっと中学、高校の話題で持ちきりでしたが、大学生の事態も深刻を極めています。 もしかすると、中学高校は陸上を続けようと思えば続けられる選手が多い気がしますが、大学生はそうはいきません。〝引退率〟でいえば、最も高いでしょう。ほとんどの4年生は競技を引退し、一般企業に就職します。 今は就職活動さえままならず、授業も先行き不透明。陸上の練習どころではない、という学生も多いと思います。 いつもなら、春先の学校対校戦で「どうすんの?」なんて挨拶して、「今年で引退します」と聞くと、「そっか、最後まで頑張って!ずっと応援しているから」って伝えられます。そして、日本インカレや関東インカレで、「お疲れさま」って言えるんです。 でも、今年はそれができるかわかりません。すでに引退している選手も多いでしょう。中学、高校から見てきた選手が引退する時のさみしさは、毎年慣れないものですが、今年はいつも以上にさみしいものになりそうです。 こんな悲しい文章をキーボードで叩いていると、指が痛いですね。 直接言えたり、顔を見たり、最後の試合を見たり。それができるように祈っていますが、一応、これまで取材してきた大学4年生にここで伝えておきます。 陸上をしていても、陸上を辞めても、これからもずっと応援しています。向永拓史(むかえ・ひろし) 月刊陸上競技編集部 新米編集部員 1983年8月30日生まれ。16★cm、★kg(全盛期のマラドーナと同じ)、O型。石川県金沢市生まれ、滋賀県育ち。両親の仕事の都合で多数の引っ越しを経験し、幼少期より「どうせ友達になっても離れる」とひねくれて育つ。運動音痴で絵を描くのが好きな少年だったが、小4の時に開幕したJリーグの影響で三浦知良に心酔し、天才漫画家になる未来を絶たれた。いろいろあって2011年全中以降、陸上競技の取材をすることになり、現在に至る。趣味は一人カラオケで、自己ベストは8時間。 |
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