2022.12.24
箱根駅伝Stories
新春の風物詩・箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。12月19日から区間エントリーが発表される29日まで、全校の特集記事を掲載していく。
丹所健、山谷昌也、イェゴン・ヴィンセント、ルカ・ムセンビ……そうそうたる顔ぶれがそろう東京国際大の4年生において、2年時から頭角を現した宗像聖。3年時は出雲駅伝の初優勝メンバーとなり、今季は主将として牽引してきた。出雲駅伝で見せたサプライズを、最後の箱根路で再現するつもりだ。
悔しさが残った高校3年時の都大路
10月の出雲駅伝、開会式で選手宣誓を務めたのが、前年に初出場・初優勝の快挙を成し遂げた東京国際大の主将・宗像聖(4年)だった。
宗像は前年5区で区間3位と好走したが、今年は状態が上がらず、「監督とメンバー決めをした際に、『外してください』とお願いしました」と今年はサポートにまわった。
しかし、最後の箱根駅伝に向けては静かに燃えている。
福島・蓬田中時代は野球部で、冬季に特設される駅伝部に1年時から参加。福島県中学駅伝4区で区間賞を獲得して、「高校では陸上をやりたい」と県内の強豪・学法石川高に入学した。
同期は全中3000mで2位に入った横田俊吾(現・青学大)をはじめ、小指卓也(現・早大)、櫛田佳希(現・明大)、中澤雄大(現・中大)ら20人ほど。「入学時の3000mベストは9分40秒くらい。学年でも下のほうだったので、男子のメニューができず、女子と一緒に走っていたんです。やっていけるのかなという気持ちと、女子の練習はやりたくない、という恥ずかしさがありました」と当時を振り返る。
それでも1年の秋からメキメキと力をつけていく。「強い同級生から影響を受けましたね。追いつこうと思って頑張りました」と宗像は言う。2年時は3000m障害で東北大会7位、3年時には同種目でインターハイに出場した。
「高校入学時は自分がインターハイに行けると思っていなかったので、東北大会で3番に入れたのはうれしかったですね。でも、全国大会は予選で落ちてしまって、すごく悔しかった記憶が残っています」
高校駅伝でもレギュラーの座をつかみ、福島県大会は7区で区間賞を獲得。しかし、その後に腸脛靭帯を痛めて、全国高校駅伝を走ることはできなかった。
「大会1週間前の練習で故障をしてしまい、監督から直接メンバーから外すことを言い渡されました。それまでは順調だったので、その時が一番悔しかったですね」
次のページ 出雲駅伝初優勝メンバーになった3年時
悔しさが残った高校3年時の都大路
10月の出雲駅伝、開会式で選手宣誓を務めたのが、前年に初出場・初優勝の快挙を成し遂げた東京国際大の主将・宗像聖(4年)だった。 宗像は前年5区で区間3位と好走したが、今年は状態が上がらず、「監督とメンバー決めをした際に、『外してください』とお願いしました」と今年はサポートにまわった。 しかし、最後の箱根駅伝に向けては静かに燃えている。 福島・蓬田中時代は野球部で、冬季に特設される駅伝部に1年時から参加。福島県中学駅伝4区で区間賞を獲得して、「高校では陸上をやりたい」と県内の強豪・学法石川高に入学した。 同期は全中3000mで2位に入った横田俊吾(現・青学大)をはじめ、小指卓也(現・早大)、櫛田佳希(現・明大)、中澤雄大(現・中大)ら20人ほど。「入学時の3000mベストは9分40秒くらい。学年でも下のほうだったので、男子のメニューができず、女子と一緒に走っていたんです。やっていけるのかなという気持ちと、女子の練習はやりたくない、という恥ずかしさがありました」と当時を振り返る。 それでも1年の秋からメキメキと力をつけていく。「強い同級生から影響を受けましたね。追いつこうと思って頑張りました」と宗像は言う。2年時は3000m障害で東北大会7位、3年時には同種目でインターハイに出場した。 「高校入学時は自分がインターハイに行けると思っていなかったので、東北大会で3番に入れたのはうれしかったですね。でも、全国大会は予選で落ちてしまって、すごく悔しかった記憶が残っています」 高校駅伝でもレギュラーの座をつかみ、福島県大会は7区で区間賞を獲得。しかし、その後に腸脛靭帯を痛めて、全国高校駅伝を走ることはできなかった。 「大会1週間前の練習で故障をしてしまい、監督から直接メンバーから外すことを言い渡されました。それまでは順調だったので、その時が一番悔しかったですね」 次のページ 出雲駅伝初優勝メンバーになった3年時出雲駅伝初優勝メンバーになった3年時
高校卒業後は、「夏合宿に参加させていただいた時に、チームの雰囲気が良くて、この大学でやっていきたいと思えた」という東京国際大に進学した。 同学年には丹所健、山谷昌也、それからイェゴン・ヴィンセント、ルカ・ムセンビと高校時代と同じくハイレベルの選手がいた。 「留学生がチームメートにいる経験がなかったので、最初はどのように接していいのか悩みました。走りも違うので、ただただ『凄いな』と思いましたね。実績のある選手が同期にいたのは心強かったですし、自分も追いついて、チームの軸となるような選手になりたいと思いました」 [caption id="attachment_89482" align="alignnone" width="800"]
9区で前回のリベンジがしたい
今季は三大駅伝の「優勝」を目標に掲げ、主将としてチームを引っ張ってきた。 しかし、ヴィンセント、山谷らを欠いた影響もあり、出雲は8位、全日本は11位と振るわなかった。 「チーム全体として夏は今まで以上に走り込み、質の高い練習をやってきました。出雲と全日本は、その疲労もあったのかなと思います。両駅伝で思うような結果を出せなかった分、『箱根は絶対に勝つぞ』という気持ちでいます。自分の状態を上げていくだけでなく、4年生全員で雰囲気を作っていきたい」 全日本は4区で区間13位と力を発揮できず、同区間で争った高校時代の同期・横田俊吾(青学大)に1分以上の差をつけられた。スピードで勝負できなくても、実業団ではマラソンに挑戦する予定なだけに、箱根では学法石川時代の仲間に負けられない。 「個人的には前回と同じ区間でリベンジしたいと思っています。9区は2区と並ぶ最長区間(23.1km)ですし、自分の持ち味を発揮できる。東京国際大記録が1時間9分04秒なので、1時間8分台で行けるように頑張ります」 出雲駅伝のVメンバー6人のうち、5人がエントリー入りした東京国際大。キャプテンの宗像を中心に、再び「勝利をもぎとる雰囲気」を作り上げていく。 [caption id="attachment_89481" align="alignnone" width="800"]
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.30
順大1年の池間凛斗が13分36秒26!駒大・伊藤も自己新/日体大長距離競技会
2025.03.30
関口絢太が10000m28分07秒46の自己新 石原とともに米国遠征The TEN出場
-
2025.03.30
-
2025.03.30
-
2025.03.29
-
2025.03.29
-
2025.03.25
-
2025.03.26
-
2025.03.23
-
2025.03.19
-
2025.03.08
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.30
順大1年の池間凛斗が13分36秒26!駒大・伊藤も自己新/日体大長距離競技会
第319回日体大長距離競技会が3月30日に行われ、男子5000m8組で1年生の池間凛斗(順大)が13分36秒26の好記録をマークして組トップだった。 池間は沖縄出身で、宮崎・小林高卒。高校時代は全国高校駅伝1区で力走し、 […]
2025.03.30
【世界陸上プレイバック】―87年ローマ―走高跳頂上決戦はコスタディノワが制す!やり投・溝口が日本初入賞
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.03.30
関口絢太が10000m28分07秒46の自己新 石原とともに米国遠征The TEN出場
The TENが3月29日に米国・カリフォルニア州で行われ、男子10000mに出場した関口絢太(SGホールディングス)が28分07秒46の組5着だった。 関口は立教大出身で、昨年の箱根駅伝は10区区間3位。卒業後にSGホ […]
2025.03.30
丸山竜也が銅メダル 女子は川村楓の5位が最上位/アジアマラソン選手権
アジアマラソン選手権が3月30日、中国・浙江省嘉興で行われ、男子は丸山竜也(トヨタ自動車)が2時間11分51秒の3位に入った。 丸山は10km付近でやや先頭集団から離されそうになるものの、すぐに追いつき、横田俊吾(JR東 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報