2020.05.08
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第41回「思い出の2016年長野全中」(松永貴允)
報道する大会がない!!
からといって、雑誌を発売しないわけにはいきません。
5月14日(木)、通常通り『月刊陸上競技6月号』が発売されます。編集部内でさまざまな企画を練り、選手や指導者にご協力いただきながら、何とか完成にたどり着きそうです(現在締め切り真っただ中!!汗)。
今回はなんと! 6月号では初の試みとなる学生長距離の別冊付録もつきます。駅伝ファンの方、そうでない方もぜひご覧いただきたいと思います。
雑誌の宣伝はここまでにして、そろそろ本題に入ります。
陸上だけにとどまらず、各スポーツ団体で大会の中止・延期が相次いでいます。そうすると雑誌としては企画・特集が中心となるのですが、定番なのが「過去の大会プレイバック」です。
みなさんは陸上競技のどの大会が思い出に残っていますか?
個人的に印象に残っているのが、2016年の長野全中です。昨年の日本選手権で高校生優勝を成し遂げた男子800mのクレイ・アーロン竜波選手や女子100mの御家瀬緑選手が中学3年生だったこの大会。私にとってはライターとして活動し始め、最初に取材した陸上競技の全国大会でもありました。
大会のハイライトは最終日の男子1500m。同種目で当時中学記録を保持していた佐々木塁選手(盛岡河南3岩手/現・青学大)に、800mの中学記録保持者である馬場勇一郎選手(上郷3愛知/現・明大)、前日の3000mを制した林田洋翔選手(桜が原3長崎/現・MHPS)がそろい、レース前から好勝負の予感が漂っていました。
全中史上に残る名勝負だった2016年長野全中の男子1500m。服部凱杏選手(左から2人目)が当時・中学記録保持者の佐々木塁選手(右から4人目)ら有力選手を退けて頂点に立った
序盤のレースを牽引したのは中学記録保持者の佐々木選手。1周目を63秒を通過すると、2周目には当時2年生の石田洸介選手(浅川・福岡/現、東農大二高・群馬)が先頭に立ち800mは2分09秒。いまだ混戦状態の中、残り600mでロングスパートをかけたのが800m2位の服部凱杏選手(千種3愛知/現・立大)でした。服部選手はそのまま驚異的な末脚で逃げ切り、2位に3秒以上の差をつける3分54秒49の大会新。フィニッシュ付近で見ていた私は「中学生でこんなレースをする子がいたのか……」と衝撃を受けた記憶が鮮明に残っています。
男子3000mでは林田洋翔選手(桜が原・長崎、左端)が残り1000mからのロングスパートで圧勝。入賞者8人のうち2位の佐々木選手、5位の赤坂匠選手(樹徳・群馬)、7位の志貴勇斗選手(山形六)、8位の多田奏太選手(旭川神居東・北海道)は今春に青学大へ進学してチームメイトに
その他にも決勝に11秒台の選手が6人もそろい、史上空前のハイレベル決戦となった女子100m、首位が何度も入れ替わる〝三つ巴〟の激戦だった女子走幅跳、直前で雨が止み、綺麗な虹がかかる中で中学タイ記録が誕生した最終種目の男子4×100mリレーなど、印象的なシーンが昨日のことのように思い出されます。
男子800mは馬場勇一郎選手(上郷・愛知、右)が中学記録保持者の貫録を見せつけてV。2019年の日本選手権王者であるクレイ・アーロン竜波選手(片瀬・神奈川)が2位だった
ハイレベルの女子100mは井戸アビゲイル風果選手(美濃加茂西・岐阜、左から2人目)が制した
大会最終種目の男子4×100mリレーは花園中が42秒77の中学タイ(当時)でV。鮮やかな虹がレースを彩った
この時の中学3年生も、この春には大学生or社会人。まだ陸上を続けてくれている選手が多く、専門誌編集者としてはうれしい限りです。
あれから幾つもの大会を取材しましたが、やはり初めての全国大会取材は特別な思い入れがあります。この時の初心を忘れず、今後も選手への取材を続けていこうと思います。
早く大会で選手を取材できる日が来ないかなぁ。
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。171cm、70kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。 |
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
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編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
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編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
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編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
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編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
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報道する大会がない!! からといって、雑誌を発売しないわけにはいきません。 5月14日(木)、通常通り『月刊陸上競技6月号』が発売されます。編集部内でさまざまな企画を練り、選手や指導者にご協力いただきながら、何とか完成にたどり着きそうです(現在締め切り真っただ中!!汗)。 今回はなんと! 6月号では初の試みとなる学生長距離の別冊付録もつきます。駅伝ファンの方、そうでない方もぜひご覧いただきたいと思います。 雑誌の宣伝はここまでにして、そろそろ本題に入ります。 陸上だけにとどまらず、各スポーツ団体で大会の中止・延期が相次いでいます。そうすると雑誌としては企画・特集が中心となるのですが、定番なのが「過去の大会プレイバック」です。 みなさんは陸上競技のどの大会が思い出に残っていますか? 個人的に印象に残っているのが、2016年の長野全中です。昨年の日本選手権で高校生優勝を成し遂げた男子800mのクレイ・アーロン竜波選手や女子100mの御家瀬緑選手が中学3年生だったこの大会。私にとってはライターとして活動し始め、最初に取材した陸上競技の全国大会でもありました。 大会のハイライトは最終日の男子1500m。同種目で当時中学記録を保持していた佐々木塁選手(盛岡河南3岩手/現・青学大)に、800mの中学記録保持者である馬場勇一郎選手(上郷3愛知/現・明大)、前日の3000mを制した林田洋翔選手(桜が原3長崎/現・MHPS)がそろい、レース前から好勝負の予感が漂っていました。 全中史上に残る名勝負だった2016年長野全中の男子1500m。服部凱杏選手(左から2人目)が当時・中学記録保持者の佐々木塁選手(右から4人目)ら有力選手を退けて頂点に立った 序盤のレースを牽引したのは中学記録保持者の佐々木選手。1周目を63秒を通過すると、2周目には当時2年生の石田洸介選手(浅川・福岡/現、東農大二高・群馬)が先頭に立ち800mは2分09秒。いまだ混戦状態の中、残り600mでロングスパートをかけたのが800m2位の服部凱杏選手(千種3愛知/現・立大)でした。服部選手はそのまま驚異的な末脚で逃げ切り、2位に3秒以上の差をつける3分54秒49の大会新。フィニッシュ付近で見ていた私は「中学生でこんなレースをする子がいたのか……」と衝撃を受けた記憶が鮮明に残っています。 男子3000mでは林田洋翔選手(桜が原・長崎、左端)が残り1000mからのロングスパートで圧勝。入賞者8人のうち2位の佐々木選手、5位の赤坂匠選手(樹徳・群馬)、7位の志貴勇斗選手(山形六)、8位の多田奏太選手(旭川神居東・北海道)は今春に青学大へ進学してチームメイトに その他にも決勝に11秒台の選手が6人もそろい、史上空前のハイレベル決戦となった女子100m、首位が何度も入れ替わる〝三つ巴〟の激戦だった女子走幅跳、直前で雨が止み、綺麗な虹がかかる中で中学タイ記録が誕生した最終種目の男子4×100mリレーなど、印象的なシーンが昨日のことのように思い出されます。 男子800mは馬場勇一郎選手(上郷・愛知、右)が中学記録保持者の貫録を見せつけてV。2019年の日本選手権王者であるクレイ・アーロン竜波選手(片瀬・神奈川)が2位だった ハイレベルの女子100mは井戸アビゲイル風果選手(美濃加茂西・岐阜、左から2人目)が制した 大会最終種目の男子4×100mリレーは花園中が42秒77の中学タイ(当時)でV。鮮やかな虹がレースを彩った この時の中学3年生も、この春には大学生or社会人。まだ陸上を続けてくれている選手が多く、専門誌編集者としてはうれしい限りです。 あれから幾つもの大会を取材しましたが、やはり初めての全国大会取材は特別な思い入れがあります。この時の初心を忘れず、今後も選手への取材を続けていこうと思います。 早く大会で選手を取材できる日が来ないかなぁ。松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。171cm、70kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。 |
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