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2022.11.25

積水化学の連覇か、資生堂の16年ぶりVか?田中希実、新谷仁美、廣中璃梨佳らの激走にも注目!/クイーンズ駅伝展望
積水化学の連覇か、資生堂の16年ぶりVか?田中希実、新谷仁美、廣中璃梨佳らの激走にも注目!/クイーンズ駅伝展望

第42回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城)は11月27日、宮城県松島町文化観光交流館前スタート、仙台市陸上競技場(弘進ゴムアスリートパーク仙台)フィニッシュの6区間42.195kmで行われる。

シード権を得ている前回大会上位8チームと、予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/10月23日)の上位16チームの計24チームが、駅伝女王の座を懸けて争う。

なお、今年も新型コロナウイルス感染症対策が講じられるが、3年ぶりに沿道での観戦や応援の自粛要請を行わずに開催されることになる。

優勝争いの構図は、今年も昨年と同様に「積水化学vs資生堂」となりそうだ。

前回大会、創部25年目で悲願の初優勝を飾った積水化学と、52秒差で15年ぶり栄冠に一歩及ばなかった2位の資生堂。今年も、3区、5区の長距離区間を任せられるエースと、その間をつなぐ選手層ともに他チームを上回る。

では、両チームの戦力を比較してみると、積水化学は10000mの日本記録(30分20秒44)保持者・新谷仁美、9月のベルリン・マラソンで2時間22分13秒の自己新をマークした佐藤早也伽、1500mで東京五輪、オレゴン世界選手権に出場した卜部蘭が軸。そこに、世界選手権2大会連続代表(17年、19年)の鍋島莉奈がJP日本郵政グループから今年移籍してきたことで、厚みが加わった。

前々回は佐藤、卜部、新谷を1~3区に並べて独走態勢を築いたが、5区でJP日本郵政グループ逆転を許して2位。前回は3区・佐藤でトップに立ち、5区・新谷で優勝を決定づけた。今回も、5区に新谷を起用できるオーダーを組めるかがカギになりそう。

新谷はオレゴン世界選手権はマラソンで代表入りしたが、本番は新型コロナウイルス陽性のため欠場を余儀なくされた。それでも、11月13日の東日本女子駅伝では東京の最終9区(10km)を務めて区間賞(31分08秒)。2位から逆転し、3年ぶりの優勝に導いて健在ぶりを示している。どんな位置でタスキをもらっても、連覇につながる走りをするだけの準備は整っているようだ。

一方の資生堂も、前回を上回る総合力を築いてきた。前回5区で新谷を1秒上回る区間賞に輝いた五島莉乃が、オレゴン世界選手権10000m出場などエースに成長。16年リオ五輪以降は坐骨の痛みに苦しんだ高島由香、19年ドーハ世界選手権5000m出場の木村友香らが駅伝シーズンに向けて調子を上げている。

そこに、21年東京五輪マラソン8位入賞の一山麻緒がワコールから移籍して加わったことが大きい。さらに、5000mを14分56秒05を持つジュディ・ジェプングティチがインターナショナル区間の4区に入ることで、どの区間からも勝負を仕掛けられる布陣となりそう。16年ぶりの優勝となれば、会社創業150周年を飾るメモリアルVとなる。

JP日本郵政グループ、ダイハツなどが上位争い

2強を追うのは前回4位、5位のJP日本郵政グループ、ダイハツあたりが有力か。

前回、3連覇を逃したJP日本郵政グループは大エース・廣中璃梨佳をどう生かすかがポイントになりそう。

東京五輪で10000m7位入賞、5000m日本新(14分52秒84)という大活躍を見せた廣中は、今夏のオレゴン世界選手権でも2種目で奮闘。日本女子長距離を牽引する1人としての地位を固めている。

マラソンでは9月のベルリンで鈴木亜由子と大西ひかりがいずれも自己新、3月の名古屋ウィメンズで好走した太田琴菜も含めてパリ五輪選考選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得している。選手層の厚みを見ると、2年ぶりVも十分視野に入る。

ダイハツもマラソンを経た選手たちが、駅伝シーズンでその力を発揮すれば上位が見える。2位は過去に複数回経験があり、初の頂点への足掛かりとできるか。

オレゴン世界選手権では松田瑞生が9位と奮闘。入社2年目の加世田梨花がベルリンで2時間21分55秒の大幅自己新をマークし、竹本香奈子もMGC出場権を獲得している。

さらにシード権争いに目を向けると、今大会のシードチームであるヤマダホールディングス、ユニバーサルエンターテインメント、ワコール、さらには予選会上位のパナソニック、九電工、天満屋、第一生命グループなど、多くのチームが絡んだ熾烈な展開となりそう。

なかでも予選会トップ通過のパナソニックは、17年、18年と2連覇した実績が光る。前回は25位と苦戦したが、しっかりとチームを立て直してきた。

予選会下位通過ながら、エディオンや豊田自動織機の存在も見逃せない。エディオンには東京五輪、オレゴン世界選手権5000m出場の萩谷楓、10月のロンドン・マラソンで日本歴代8位の2時間21分42秒をマークした細田あいと、長距離区間で確実に上位に入ってくるだろう。

豊田自動織機はルーキー・田中希実がスタンバイ。過去のさまざまな駅伝で経験してきた1区に登場すれば、いきなりレースを大きく動かす存在になる。スピードランナー・後藤夢も含め、前回の16位から大きくジャンプアップしてくる可能性は十分ある。

レースは12時15に分スタート。TBS系列で11時50分から生中継される予定だ。

全日本実業団対抗女子駅伝 出場チーム

●シード(前回上位8チーム)
積水化学 14年連続24回目
資生堂 7年連続31回目
デンソー 19年連続30回目
JP日本郵政グループ 8年連続8回目
ダイハツ 15年連続32回目
ヤマダホールディングス 14年連続17回目
ユニバーサルエンターテインメント 16年連続16回目
ワコール 23年連続30回目
●予選会通過チーム
パナソニック 23年連続34回目
九電工 12年連続31回目
天満屋 31年連続31回目
第一生命グループ 2年連続26回目
ダイソー 2年連続2回目
三井住友海上 4年連続28回目
岩谷産業 2年連続2回目
大塚製薬 5年連続10回目
ユニクロ 2年連続11回目
エディオン 5年連続29回目
スターツ 6年連続13回目
豊田自動織機 15年連続16回目
ルートインホテルズ 5年連続6回目
しまむら 2年連続16回目
日立 4年連続26回目
肥後銀行 2年ぶり7回目

第42回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城)は11月27日、宮城県松島町文化観光交流館前スタート、仙台市陸上競技場(弘進ゴムアスリートパーク仙台)フィニッシュの6区間42.195kmで行われる。 シード権を得ている前回大会上位8チームと、予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/10月23日)の上位16チームの計24チームが、駅伝女王の座を懸けて争う。 なお、今年も新型コロナウイルス感染症対策が講じられるが、3年ぶりに沿道での観戦や応援の自粛要請を行わずに開催されることになる。 優勝争いの構図は、今年も昨年と同様に「積水化学vs資生堂」となりそうだ。 前回大会、創部25年目で悲願の初優勝を飾った積水化学と、52秒差で15年ぶり栄冠に一歩及ばなかった2位の資生堂。今年も、3区、5区の長距離区間を任せられるエースと、その間をつなぐ選手層ともに他チームを上回る。 では、両チームの戦力を比較してみると、積水化学は10000mの日本記録(30分20秒44)保持者・新谷仁美、9月のベルリン・マラソンで2時間22分13秒の自己新をマークした佐藤早也伽、1500mで東京五輪、オレゴン世界選手権に出場した卜部蘭が軸。そこに、世界選手権2大会連続代表(17年、19年)の鍋島莉奈がJP日本郵政グループから今年移籍してきたことで、厚みが加わった。 前々回は佐藤、卜部、新谷を1~3区に並べて独走態勢を築いたが、5区でJP日本郵政グループ逆転を許して2位。前回は3区・佐藤でトップに立ち、5区・新谷で優勝を決定づけた。今回も、5区に新谷を起用できるオーダーを組めるかがカギになりそう。 新谷はオレゴン世界選手権はマラソンで代表入りしたが、本番は新型コロナウイルス陽性のため欠場を余儀なくされた。それでも、11月13日の東日本女子駅伝では東京の最終9区(10km)を務めて区間賞(31分08秒)。2位から逆転し、3年ぶりの優勝に導いて健在ぶりを示している。どんな位置でタスキをもらっても、連覇につながる走りをするだけの準備は整っているようだ。 一方の資生堂も、前回を上回る総合力を築いてきた。前回5区で新谷を1秒上回る区間賞に輝いた五島莉乃が、オレゴン世界選手権10000m出場などエースに成長。16年リオ五輪以降は坐骨の痛みに苦しんだ高島由香、19年ドーハ世界選手権5000m出場の木村友香らが駅伝シーズンに向けて調子を上げている。 そこに、21年東京五輪マラソン8位入賞の一山麻緒がワコールから移籍して加わったことが大きい。さらに、5000mを14分56秒05を持つジュディ・ジェプングティチがインターナショナル区間の4区に入ることで、どの区間からも勝負を仕掛けられる布陣となりそう。16年ぶりの優勝となれば、会社創業150周年を飾るメモリアルVとなる。

JP日本郵政グループ、ダイハツなどが上位争い

2強を追うのは前回4位、5位のJP日本郵政グループ、ダイハツあたりが有力か。 前回、3連覇を逃したJP日本郵政グループは大エース・廣中璃梨佳をどう生かすかがポイントになりそう。 東京五輪で10000m7位入賞、5000m日本新(14分52秒84)という大活躍を見せた廣中は、今夏のオレゴン世界選手権でも2種目で奮闘。日本女子長距離を牽引する1人としての地位を固めている。 マラソンでは9月のベルリンで鈴木亜由子と大西ひかりがいずれも自己新、3月の名古屋ウィメンズで好走した太田琴菜も含めてパリ五輪選考選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得している。選手層の厚みを見ると、2年ぶりVも十分視野に入る。 ダイハツもマラソンを経た選手たちが、駅伝シーズンでその力を発揮すれば上位が見える。2位は過去に複数回経験があり、初の頂点への足掛かりとできるか。 オレゴン世界選手権では松田瑞生が9位と奮闘。入社2年目の加世田梨花がベルリンで2時間21分55秒の大幅自己新をマークし、竹本香奈子もMGC出場権を獲得している。 さらにシード権争いに目を向けると、今大会のシードチームであるヤマダホールディングス、ユニバーサルエンターテインメント、ワコール、さらには予選会上位のパナソニック、九電工、天満屋、第一生命グループなど、多くのチームが絡んだ熾烈な展開となりそう。 なかでも予選会トップ通過のパナソニックは、17年、18年と2連覇した実績が光る。前回は25位と苦戦したが、しっかりとチームを立て直してきた。 予選会下位通過ながら、エディオンや豊田自動織機の存在も見逃せない。エディオンには東京五輪、オレゴン世界選手権5000m出場の萩谷楓、10月のロンドン・マラソンで日本歴代8位の2時間21分42秒をマークした細田あいと、長距離区間で確実に上位に入ってくるだろう。 豊田自動織機はルーキー・田中希実がスタンバイ。過去のさまざまな駅伝で経験してきた1区に登場すれば、いきなりレースを大きく動かす存在になる。スピードランナー・後藤夢も含め、前回の16位から大きくジャンプアップしてくる可能性は十分ある。 レースは12時15に分スタート。TBS系列で11時50分から生中継される予定だ。 全日本実業団対抗女子駅伝 出場チーム ●シード(前回上位8チーム) 積水化学 14年連続24回目 資生堂 7年連続31回目 デンソー 19年連続30回目 JP日本郵政グループ 8年連続8回目 ダイハツ 15年連続32回目 ヤマダホールディングス 14年連続17回目 ユニバーサルエンターテインメント 16年連続16回目 ワコール 23年連続30回目 ●予選会通過チーム パナソニック 23年連続34回目 九電工 12年連続31回目 天満屋 31年連続31回目 第一生命グループ 2年連続26回目 ダイソー 2年連続2回目 三井住友海上 4年連続28回目 岩谷産業 2年連続2回目 大塚製薬 5年連続10回目 ユニクロ 2年連続11回目 エディオン 5年連続29回目 スターツ 6年連続13回目 豊田自動織機 15年連続16回目 ルートインホテルズ 5年連続6回目 しまむら 2年連続16回目 日立 4年連続26回目 肥後銀行 2年ぶり7回目

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