2022.10.17
トラックの公認・非公認種目で日本記録に挑戦し、飛躍のきっかけにしてほしい――と2012年に始まった日本記録挑戦会兼住友電工杯の第11回大会が16日、兵庫県伊丹市の住友総合グランドで開催された。
過去には男子60m6秒63の日本タイ記録(当時)、同200mハードル22秒54のアジア最高記録などが誕生。トラックシーズン最終盤に選手たちが来季構想を描く機会としてひと役買ってきた。今回は60mや300mなど男女計13種目が実施。そのほか、50mや中学生4×100mリレー、一般参加オープン1500mなどのイベント種目が行われた。
桐生祥秀(日本生命)が企画した50mで争うイベント「Sprint 50 Challenge」では、小中学生が住友電工と大阪ガスのゲスト選手と対決。タイムレースの5組で多田修平(住友電工)が5秒95をマークすると、7組では坂井隆一郎(大阪ガス)が5秒84の快速タイムを叩き出した。
男子100mは60m3位だった勝瀬健大(関西実業団)が10秒41(-0.4)で岩崎浩太郎(ユティック)らに競り勝った。インタビューでマイクを向けられると、男泣き。それもそのはず、咲くやこの花高3年時の10秒43以来、実に7年ぶり自己記録更新だった。
男子5000mは阿部弘輝(住友電工)が13分56秒01で優勝。第1回大会で松岡佑起(大塚製薬)がマークした14分02秒02の大会記録を10年ぶりに更新した。
女子では三浦愛華(園田学園女大3年)が60mを7秒48(-0.6)、100mを11秒80(+0.2)、4×200mリレー(2走)を1分38秒56で勝ち、3冠の活躍を見せた。女子100mハードルは地元伊丹市出身の中島ひとみ(長谷川体育施設)が13秒25(+2.2)で快勝した。
一般参加のオープン1500mには小学1年生からシニアまで幅広い年齢の男女ランナーが出場。住友電工の遠藤日向らがペースメーカーを務め、運動会気分で盛り上がった。
日本記録やそれに迫る記録は生まれなかったが、競技を楽しむ姿勢と真剣な力走が入り混じり、記録を追いかけるという初心に立ち返らせてくれる。そんな意義のある挑戦会の一日だった。


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