HOME 国内、大学

2022.09.09

世界の3000m障害4位に輝いた三浦龍司「しっかりと順位を残せたことがすごくうれしい」/DLファイナル
世界の3000m障害4位に輝いた三浦龍司「しっかりと順位を残せたことがすごくうれしい」/DLファイナル


写真/Mochizuki Jiro(Agence SHOT)

◇ダイヤモンドリーグ・ファイナル(9月7~8日/スイス・チューリヒ)

その1年の世界チャンピオンを決めるDLファイナル。男子3000m障害でその舞台に三浦龍司(順大)が立った。出場者は10人だが、ペースメーカーが2人入ったため、実質はわずか8人――。

8月27日のDLローザンヌで8分13秒06で4位に食い込み、ファイナルへの切符をつかんだ。中長距離種目で日本人初。それだけでも十分に快挙だが、単に出場しただけでは終わらない。世界トップの争いに堂々と立ち向かい、4位でフィニッシュ。タイムは今季ベストの8分12秒65。その力が、世界に通じることを見事に証明した。

「この舞台に立てることがまず今シーズンは考えていなかったですし、すごく満足感のある中で偶然のもの」と三浦。そんなビッグゲームの雰囲気を十分に味わいながらも、いざレースが始まると、最初の1000m通過が2分40秒というハイペースの中で中段にポジションを取り、冷静にレースを進めた。

その後、集団最後方に位置が変わったが、東京五輪、オレゴン世界選手権をいずれも制した現世界王者ソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)が最後方から前へ進出するのに合わせて、再び中段まで押し上げる。

広告の下にコンテンツが続きます

優勝争いは激しさを増し、少し前との距離が開く。だが、三浦は前だけをしっかりと見据える。ラスト1周。7番手あたりから1人、また1人とかわしていった。得意のスパートを発揮し、最後の直線では4位まで順位を上げてフィニッシュした。優勝は8分07秒67でソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)だった。

「ローザンヌで勝ち取った最終決戦。出られてすごく良い経験ができたなというのと、同じ4位ですけど、しっかりと順位を残せたことがすごくうれしいです」。三浦は充実感いっぱいに振り返った。

昨年の東京五輪で7位入賞となる快挙を成し遂げた。今季は4月に1500mで日本歴代日本歴代2位となる3分36秒59をマークして弾みをつけると、3000m障害では5月のセイコーゴールデングランプリで8分22秒25の優勝。日本選手権は8分14秒47で連覇を果たしている。

その後はDLストックホルム大会の3000mに出場して7分47秒98で10位。オレゴン世界選手権では8分21秒80で予選敗退に終わったが、DLローザンヌで来年のブダペスト世界選手権の参加標準記録(8分15秒00)も突破するなど、アスリートとしてのレベルは着実に上がっている。

「なかなか贅沢というか、なかなか経験できないような雰囲気と競技場。選手としてもすごくありがたい、貴重な体験をさせてもらっています。これをできて良かったで満足で終わらせるのではなく、来年からも目標にしていきたい」

その言葉には、「自分の実力がついてきた」確かな自信を感じさせる。

もちろん、今回のレースにトップ選手のすべてが出ているわけではないことはわかっている。ブダペスト、そして再来年のパリ五輪に向けて世界のレベルはどんどん上がってくるだろう。それでも、2025年東京世界選手権も含めて続く世界との戦いに向けて、「戦えるようにしていきたい」と三浦はきっぱりと語った。

◇三浦龍司(みうら・りゅうじ)
2002年2月11日生まれ、20歳。島根県出身。浜田東中(島根)→洛南高(京都)→順大。小1から地元のクラブチーム「浜田JAS」に通い始め、ハードルなどさまざまな種目に取り組んだ。中学時代から全国大会に出場。中学から3000m障害に向けた取り組みをしていた。高3時に30年ぶりに高校記録を樹立。順大進学後も41年ぶり日本学生新、37年ぶりU20日本新など、次々と記録を打ち立てた。昨年の東京五輪予選で8分09秒92の日本新を樹立して決勝進出。7位入賞の快挙を成し遂げた。今夏のオレゴン世界選手権は予選敗退に終わるも、DLローザンヌ大会で8分13秒06の4位。DLファイナルでは8分12秒65の4位だった。
主な自己ベスト
1500m 3分36秒59=日本歴代2位
3000m 7分47秒98=日本歴代4位
5000m 13分26秒78
10000m 28分32秒28
3000m障害 8分09秒92=日本記録
ハーフ 1時間01分41秒

写真/Mochizuki Jiro(Agence SHOT) ◇ダイヤモンドリーグ・ファイナル(9月7~8日/スイス・チューリヒ) その1年の世界チャンピオンを決めるDLファイナル。男子3000m障害でその舞台に三浦龍司(順大)が立った。出場者は10人だが、ペースメーカーが2人入ったため、実質はわずか8人――。 8月27日のDLローザンヌで8分13秒06で4位に食い込み、ファイナルへの切符をつかんだ。中長距離種目で日本人初。それだけでも十分に快挙だが、単に出場しただけでは終わらない。世界トップの争いに堂々と立ち向かい、4位でフィニッシュ。タイムは今季ベストの8分12秒65。その力が、世界に通じることを見事に証明した。 「この舞台に立てることがまず今シーズンは考えていなかったですし、すごく満足感のある中で偶然のもの」と三浦。そんなビッグゲームの雰囲気を十分に味わいながらも、いざレースが始まると、最初の1000m通過が2分40秒というハイペースの中で中段にポジションを取り、冷静にレースを進めた。 その後、集団最後方に位置が変わったが、東京五輪、オレゴン世界選手権をいずれも制した現世界王者ソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)が最後方から前へ進出するのに合わせて、再び中段まで押し上げる。 優勝争いは激しさを増し、少し前との距離が開く。だが、三浦は前だけをしっかりと見据える。ラスト1周。7番手あたりから1人、また1人とかわしていった。得意のスパートを発揮し、最後の直線では4位まで順位を上げてフィニッシュした。優勝は8分07秒67でソフィアン・エル・バッカリ(モロッコ)だった。 「ローザンヌで勝ち取った最終決戦。出られてすごく良い経験ができたなというのと、同じ4位ですけど、しっかりと順位を残せたことがすごくうれしいです」。三浦は充実感いっぱいに振り返った。 昨年の東京五輪で7位入賞となる快挙を成し遂げた。今季は4月に1500mで日本歴代日本歴代2位となる3分36秒59をマークして弾みをつけると、3000m障害では5月のセイコーゴールデングランプリで8分22秒25の優勝。日本選手権は8分14秒47で連覇を果たしている。 その後はDLストックホルム大会の3000mに出場して7分47秒98で10位。オレゴン世界選手権では8分21秒80で予選敗退に終わったが、DLローザンヌで来年のブダペスト世界選手権の参加標準記録(8分15秒00)も突破するなど、アスリートとしてのレベルは着実に上がっている。 「なかなか贅沢というか、なかなか経験できないような雰囲気と競技場。選手としてもすごくありがたい、貴重な体験をさせてもらっています。これをできて良かったで満足で終わらせるのではなく、来年からも目標にしていきたい」 その言葉には、「自分の実力がついてきた」確かな自信を感じさせる。 もちろん、今回のレースにトップ選手のすべてが出ているわけではないことはわかっている。ブダペスト、そして再来年のパリ五輪に向けて世界のレベルはどんどん上がってくるだろう。それでも、2025年東京世界選手権も含めて続く世界との戦いに向けて、「戦えるようにしていきたい」と三浦はきっぱりと語った。 ◇三浦龍司(みうら・りゅうじ) 2002年2月11日生まれ、20歳。島根県出身。浜田東中(島根)→洛南高(京都)→順大。小1から地元のクラブチーム「浜田JAS」に通い始め、ハードルなどさまざまな種目に取り組んだ。中学時代から全国大会に出場。中学から3000m障害に向けた取り組みをしていた。高3時に30年ぶりに高校記録を樹立。順大進学後も41年ぶり日本学生新、37年ぶりU20日本新など、次々と記録を打ち立てた。昨年の東京五輪予選で8分09秒92の日本新を樹立して決勝進出。7位入賞の快挙を成し遂げた。今夏のオレゴン世界選手権は予選敗退に終わるも、DLローザンヌ大会で8分13秒06の4位。DLファイナルでは8分12秒65の4位だった。 主な自己ベスト 1500m 3分36秒59=日本歴代2位 3000m 7分47秒98=日本歴代4位 5000m 13分26秒78 10000m 28分32秒28 3000m障害 8分09秒92=日本記録 ハーフ 1時間01分41秒
       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.03

Onの画期的なアッパー製造技術を搭載したレーシングシューズ「Cloudboom Strike LS」の新カラーが数量限定で登場!

スイスのスポーツブランド「On(オン)」およびオン・ジャパンは4月3日、⾰新的なアッパー製造技術「LightSpray™ (ライトスプレー) 」をブランド史上初搭載したレーシングシューズ「Cloudboom Strike […]

NEWS 陸上新時代へ 新たなリーグ「グランドスラム・トラック」が4日から開幕! 田中希実も参戦

2025.04.03

陸上新時代へ 新たなリーグ「グランドスラム・トラック」が4日から開幕! 田中希実も参戦

4月4日から6日の3日間、ジャマイカ・キングストンで「グランドスラム・トラック」の第1戦が行われる。 「グランドスラム・トラック」は男子400m前世界記録保持者のマイケル・ジョンソン氏が24年に構想を明かして企画がスター […]

NEWS 【男子800m】林達郎(淀川中1)が1分58秒19 中学1年生2人目の1分台

2025.04.03

【男子800m】林達郎(淀川中1)が1分58秒19 中学1年生2人目の1分台

3月31日、大阪府堺市の金岡公園陸上競技場で、大阪府中体連強化部記録会が行われ、男子800mで中学1年生の林達郎(淀川中)が1分58秒19をマークした。従来の中1最高記録は3月20日に西野蒼太(相模原旭・神奈川)が出した […]

NEWS セイコーGGP 女子やり投に北口榛花登場!! 世界のメダリストが集結し、夢の頂上決戦が実現

2025.04.03

セイコーGGP 女子やり投に北口榛花登場!! 世界のメダリストが集結し、夢の頂上決戦が実現

日本陸連は4月3日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の男女やり投に出場する選手を発表した。 女子ではブダペスト世界選手権、パリ五輪金メダリストの北口榛花(JAL)が凱旋出場。前回大会で […]

NEWS 順大スポーツ健康科学部と市船橋高が高大連携に関する協定締結 教員と学生・生徒の交流 順大教員の出張授業など

2025.04.03

順大スポーツ健康科学部と市船橋高が高大連携に関する協定締結 教員と学生・生徒の交流 順大教員の出張授業など

順天堂大学スポーツ健康科学部(和氣秀文学部長)と千葉・船橋市立船橋高校(近藤義行校長)は3月25日、高大連携に関する協定を締結した。 主な連携内容は次の3点。 ①教育に関する情報交換および教員・学生・生徒の交流 ②順大教 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報