2020.01.17
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上 敦)
先日、京都で行われた女子に続き、今週末の1月19日(日)には広島で第25回全国都道府県対抗男子駅伝が開催されます。
ブログ当番として書くネタに困っていたので、この欄を借りて、大会展望というか見どころを綴りたいと思います。私見が入っていますので、その辺はご容赦を。〔1月8日の主催者発表を元に記述〕
ざっとルールを説明しますと、7区間48kmで争われ、47都道府県代表の中学生、高校生、学生・一般がタスキをつなぎます。
区間はそれぞれ、各カテゴリーで指定されています。
◎ジュニア(A)→1区(7km)、4区(5km)、5区(8.5km)
(今回は2001年4月2日~2004年4月1日に生まれた競技者が対象。ルール上は〝高校生〟でなくても出走可能)
◎ジュニア(B)→2区(3km)、6区(3km)
(2004年4月2日~2006年4月1日に生まれた現在の中2、中3世代の競技者が対象)
◎社会人(大学生を含む)→3区(8.5km)、7区(13km)
となっています。
選手の中には年末年始に行われた中学、高校、箱根、実業団の各駅伝に出て快走した人もいれば、チームとしてそれらの大会に出られず、この広島で活躍を誓う人もいたりとさまざま。社会人選手の中には実業団所属ではない、市民ランナー的な活動で代表を勝ち取った人もいます。各都道府県の〝長距離事情〟だったり、勢いなどを反映していると個人的には思います。
また、女子同様に「ふるさと制度」があり、通っていた中学校や高校の所在地とは異なる都道府県に住んでいても、その所在地のチームから出場することができます(ただし、ふるさと制度は1区間のみ)。
カテゴリー別に注目選手紹介
さてここから各カテゴリー別に有力選手を紹介していきます。
【社会人】
今年も華やかな実績を持つ選手が名を連ねました。
実業団勢では東京五輪マラソン代表に内定している服部勇馬選手(新潟・トヨタ自動車)、前マラソン日本記録保持者の設楽悠太選手(埼玉・Honda)、10000mの日本記録保持者・村山紘太選手(宮城・旭化成)といったお馴染みの実力者のほか、元日の全日本実業団対抗駅伝で3区区間新の西山雄介選手(三重・トヨタ自動車)、6区区間新でチーム4連覇に貢献した小野知大選手(宮崎・旭化成)ら勢いのあるランナーがエントリーしています。
学生では、箱根駅伝で〝花の2区〟を史上初の1時間5分台で駆け抜けた相澤晃選手(福島・東洋大)や、デッドヒートを繰り広げた伊藤達彦選手(静岡・東京国際大)のほか、同じ区間でチームを7位からトップに押し上げて総合優勝に貢献した岸本大紀選手(新潟・青学大)、山下りの6区で区間新をマークした館澤亨次選手(神奈川・東海大)といったランナーが登場する予定です。
箱根駅伝の2区で激走を繰り広げた相澤選手(左)、伊藤選手もエントリー
【ジュニア(A)】
今シーズンは5000mで13分台を記録した日本人高校生が11人を数えるなど盛況でしたが、その大半が出場する見込みです。参加選手中トップタイムの13分51秒91を持つ石田洸介選手(群馬・東農大二高2年)や、3000m障害で高校記録を樹立し、5000mでも石田君に次ぐ13分51秒97をマークしている三浦龍司選手(京都・洛南高3年)がその代表格ですね。
また、昨年末の全国高校駅伝で12年ぶりの優勝を果たした仙台育英(宮城)からは吉居大和選手と喜早駿介選手のダブルエースがエントリーしています。〝花の1区〟で16年ぶりに日本人最高記録を塗り替えた佐藤一世選手(千葉・八千代松陰高3年)や、区間2位と好走した松山和希選手(福島・学法石川高3年)も注目ですね。
さらには前回の男子駅伝1区を制した菖蒲敦司選手(山口・西京高3年)、国体少年A5000mで日本人トップの2位に入った鶴川正也選手(熊本・九州学院高2年)と、有力選手が続々参戦します。
全国高校駅伝1区(10km)で日本人歴代最高となる28分48秒をマークした佐藤選手(中央の12番)ら各校のエースが広島に集結
【ジュニア(B)】
中学生もトラック・駅伝の各全国大会で活躍した選手が登場します。
夏の大阪全中での上位入賞者では、1500mと3000mで2冠を獲得した小山翔也選手(埼玉・平野中3年)を筆頭に、3000m3位の長嶋幸宝選手(兵庫・氷丘中3年)、1500m2位・3000m4位の山口彰太選手(栃木・足利二中3年)といった選手の名前が見られます。また800mの王者で、自己ベストが中学歴代2位(1分52秒44)の杉本仁選手(岡山・邑久中3年)もエントリーされています。
上記の選手たちは冬の全中駅伝にチームとして出場できなかっただけに、この駅伝ではよりいっそう力が入るはずです。
その全中駅伝からは1区で区間賞を獲得した倉本晃羽選手(三重・白子中3年)が出場する予定です。夏の全中は出場権を得ることができませんでしたが、11月に3000mで2019年中学最高の8分27秒92をマーク。駅伝での快走につなげました。
夏の全中2冠の小山選手(1143番)や1500m2位の山口選手(その右)も出場予定
では優勝候補、上位候補は一体・・・・・・
と、各カテゴリーの有力選手と書き連ねましたが、では優勝候補はどこでしょうか。
平成最後の前回大会を制した福島はエース・相澤選手に加え、ジュニア(A)は学法石川高勢が充実しています。埼玉は設楽選手らHondaの実業団勢、中学生では小山選手もおり、高校生も粒ぞろい。さらに三重も上位候補で西山選手のほか、箱根駅伝で東海大の2区を務めた塩澤稀夕選手、中学生の倉本選手と強力です。
また、京都も三浦選手ら洛南高勢が充実。中学生も3000m8分30秒台~40秒台の力があり、一般では一色恭志選手(GMOアスリーツ)がエントリーしています。千葉も前述の佐藤選手はじめジュニア区間が強いです。
さらに個人的な注目は宮城です。前週の女子は中盤から終盤にかけてトップを走りました。男子も仙台育英高勢のほか、一般・学生では村山選手や、箱根駅伝3区で区間新(区間2位)をマークした遠藤大地選手(帝京大)が控えています。
ほかにも東京、神奈川、長野、愛知、兵庫、広島はジュニア区間が比較的充実しており、1区で流れをつかめば、上位争いを繰り広げるでしょう。服部選手、岸本選手と社会人区間が充実している新潟は、実業団駅伝で左腿を押さえていた服部選手の状態が気になるところです。
この冬は全国的に少雪ですので、北海道や東北地方、北陸地方のチームも十分にトレーニングを積んできているのではないでしょうか。そういったチームの快走がレースを一層おもしろくします。
年末年始の駅伝はいずれも高速レースとなりましたが、果たして男子駅伝は? ちなみに7区間のうち、1区(2003年)、3区(05年)、5区(09年)、7区(04年)は10年以上破られておりません。また、大会記録は長野が出した2時間18分43秒ですが、樹立したのは2009年。11年ぶりの大会新が生まれるかも注目ですね。
とういうことで週末は〝駅伝オールスター〟の全国都道府県対抗男子駅伝をご注目ください!
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。2016年1月の全国都道府県対抗男子駅伝の取材が人生初の広島訪問だった。その後は高校生の合宿や織田記念、U20・U18日本選手権の取材で、気がつくと年1回のペースでお邪魔している。夜になると、時間に可能な限り食を堪能し、普段飲まない酒が結構進む。 |
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
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編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
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編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
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第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上 敦)
先日、京都で行われた女子に続き、今週末の1月19日(日)には広島で第25回全国都道府県対抗男子駅伝が開催されます。 ブログ当番として書くネタに困っていたので、この欄を借りて、大会展望というか見どころを綴りたいと思います。私見が入っていますので、その辺はご容赦を。〔1月8日の主催者発表を元に記述〕 詳細は大会公式サイトへ ざっとルールを説明しますと、7区間48kmで争われ、47都道府県代表の中学生、高校生、学生・一般がタスキをつなぎます。 区間はそれぞれ、各カテゴリーで指定されています。 ◎ジュニア(A)→1区(7km)、4区(5km)、5区(8.5km) (今回は2001年4月2日~2004年4月1日に生まれた競技者が対象。ルール上は〝高校生〟でなくても出走可能) ◎ジュニア(B)→2区(3km)、6区(3km) (2004年4月2日~2006年4月1日に生まれた現在の中2、中3世代の競技者が対象) ◎社会人(大学生を含む)→3区(8.5km)、7区(13km) となっています。 選手の中には年末年始に行われた中学、高校、箱根、実業団の各駅伝に出て快走した人もいれば、チームとしてそれらの大会に出られず、この広島で活躍を誓う人もいたりとさまざま。社会人選手の中には実業団所属ではない、市民ランナー的な活動で代表を勝ち取った人もいます。各都道府県の〝長距離事情〟だったり、勢いなどを反映していると個人的には思います。 また、女子同様に「ふるさと制度」があり、通っていた中学校や高校の所在地とは異なる都道府県に住んでいても、その所在地のチームから出場することができます(ただし、ふるさと制度は1区間のみ)。 カテゴリー別に注目選手紹介 さてここから各カテゴリー別に有力選手を紹介していきます。 【社会人】 今年も華やかな実績を持つ選手が名を連ねました。 実業団勢では東京五輪マラソン代表に内定している服部勇馬選手(新潟・トヨタ自動車)、前マラソン日本記録保持者の設楽悠太選手(埼玉・Honda)、10000mの日本記録保持者・村山紘太選手(宮城・旭化成)といったお馴染みの実力者のほか、元日の全日本実業団対抗駅伝で3区区間新の西山雄介選手(三重・トヨタ自動車)、6区区間新でチーム4連覇に貢献した小野知大選手(宮崎・旭化成)ら勢いのあるランナーがエントリーしています。 学生では、箱根駅伝で〝花の2区〟を史上初の1時間5分台で駆け抜けた相澤晃選手(福島・東洋大)や、デッドヒートを繰り広げた伊藤達彦選手(静岡・東京国際大)のほか、同じ区間でチームを7位からトップに押し上げて総合優勝に貢献した岸本大紀選手(新潟・青学大)、山下りの6区で区間新をマークした館澤亨次選手(神奈川・東海大)といったランナーが登場する予定です。 箱根駅伝の2区で激走を繰り広げた相澤選手(左)、伊藤選手もエントリー 【ジュニア(A)】 今シーズンは5000mで13分台を記録した日本人高校生が11人を数えるなど盛況でしたが、その大半が出場する見込みです。参加選手中トップタイムの13分51秒91を持つ石田洸介選手(群馬・東農大二高2年)や、3000m障害で高校記録を樹立し、5000mでも石田君に次ぐ13分51秒97をマークしている三浦龍司選手(京都・洛南高3年)がその代表格ですね。 また、昨年末の全国高校駅伝で12年ぶりの優勝を果たした仙台育英(宮城)からは吉居大和選手と喜早駿介選手のダブルエースがエントリーしています。〝花の1区〟で16年ぶりに日本人最高記録を塗り替えた佐藤一世選手(千葉・八千代松陰高3年)や、区間2位と好走した松山和希選手(福島・学法石川高3年)も注目ですね。 さらには前回の男子駅伝1区を制した菖蒲敦司選手(山口・西京高3年)、国体少年A5000mで日本人トップの2位に入った鶴川正也選手(熊本・九州学院高2年)と、有力選手が続々参戦します。 全国高校駅伝1区(10km)で日本人歴代最高となる28分48秒をマークした佐藤選手(中央の12番)ら各校のエースが広島に集結 【ジュニア(B)】 中学生もトラック・駅伝の各全国大会で活躍した選手が登場します。 夏の大阪全中での上位入賞者では、1500mと3000mで2冠を獲得した小山翔也選手(埼玉・平野中3年)を筆頭に、3000m3位の長嶋幸宝選手(兵庫・氷丘中3年)、1500m2位・3000m4位の山口彰太選手(栃木・足利二中3年)といった選手の名前が見られます。また800mの王者で、自己ベストが中学歴代2位(1分52秒44)の杉本仁選手(岡山・邑久中3年)もエントリーされています。 上記の選手たちは冬の全中駅伝にチームとして出場できなかっただけに、この駅伝ではよりいっそう力が入るはずです。 その全中駅伝からは1区で区間賞を獲得した倉本晃羽選手(三重・白子中3年)が出場する予定です。夏の全中は出場権を得ることができませんでしたが、11月に3000mで2019年中学最高の8分27秒92をマーク。駅伝での快走につなげました。 夏の全中2冠の小山選手(1143番)や1500m2位の山口選手(その右)も出場予定 では優勝候補、上位候補は一体・・・・・・ と、各カテゴリーの有力選手と書き連ねましたが、では優勝候補はどこでしょうか。 平成最後の前回大会を制した福島はエース・相澤選手に加え、ジュニア(A)は学法石川高勢が充実しています。埼玉は設楽選手らHondaの実業団勢、中学生では小山選手もおり、高校生も粒ぞろい。さらに三重も上位候補で西山選手のほか、箱根駅伝で東海大の2区を務めた塩澤稀夕選手、中学生の倉本選手と強力です。 また、京都も三浦選手ら洛南高勢が充実。中学生も3000m8分30秒台~40秒台の力があり、一般では一色恭志選手(GMOアスリーツ)がエントリーしています。千葉も前述の佐藤選手はじめジュニア区間が強いです。 さらに個人的な注目は宮城です。前週の女子は中盤から終盤にかけてトップを走りました。男子も仙台育英高勢のほか、一般・学生では村山選手や、箱根駅伝3区で区間新(区間2位)をマークした遠藤大地選手(帝京大)が控えています。 ほかにも東京、神奈川、長野、愛知、兵庫、広島はジュニア区間が比較的充実しており、1区で流れをつかめば、上位争いを繰り広げるでしょう。服部選手、岸本選手と社会人区間が充実している新潟は、実業団駅伝で左腿を押さえていた服部選手の状態が気になるところです。 この冬は全国的に少雪ですので、北海道や東北地方、北陸地方のチームも十分にトレーニングを積んできているのではないでしょうか。そういったチームの快走がレースを一層おもしろくします。 年末年始の駅伝はいずれも高速レースとなりましたが、果たして男子駅伝は? ちなみに7区間のうち、1区(2003年)、3区(05年)、5区(09年)、7区(04年)は10年以上破られておりません。また、大会記録は長野が出した2時間18分43秒ですが、樹立したのは2009年。11年ぶりの大会新が生まれるかも注目ですね。 とういうことで週末は〝駅伝オールスター〟の全国都道府県対抗男子駅伝をご注目ください!井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。2016年1月の全国都道府県対抗男子駅伝の取材が人生初の広島訪問だった。その後は高校生の合宿や織田記念、U20・U18日本選手権の取材で、気がつくと年1回のペースでお邪魔している。夜になると、時間に可能な限り食を堪能し、普段飲まない酒が結構進む。 |
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