HOME ニュース、国内

2022.06.23

1500m自己新の荒井七海 世界陸上届かずも手応え 米国武者修行「成果出てきた」/ホクレンDC
1500m自己新の荒井七海 世界陸上届かずも手応え 米国武者修行「成果出てきた」/ホクレンDC

◇ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022:20周年記念大会(6月22日・北海道深川市)

ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022の「20周年記念大会」が北海道深川市で行われた。

男子1500mは日本記録(3分35秒42)を上回るオレゴン世界選手権の参加標準記録・3分35秒00がターゲットタイム。元800m日本記録保持者の横田真人(TWOLAPS TCコーチ)が700mまで、昨年の千歳大会で日本記録をアシストした安倍優紀 (東海大)が1100mまでペースメーカーを務めた。

レースは、入りの400mをほぼ設定通りの55秒9、800mを1分53秒96と、ターゲットタイムを射程圏内に入れ、縦長の隊列で進んだ。ラスト1周(1100m)は2分38秒と、日本記録達成時とほぼ同じタイムで通過した。

ラスト1周の鐘が鳴って、満を持して先頭に立ったのが、荒井七海(Honda)だった。

「日本選手権はあまり順位が良くなかった(6位)のですが、4月、5月、6月と良い波を持ってこられていました」

広告の下にコンテンツが続きます

日本選手権の前にも標高1750mの湯の丸高原(長野県東御市)で高地トレーニングを行なっていたが、日本選手権の翌日から同地に移動し、このレースに向けて前々日まで調整してきた。

「良いトレーニングができていて、調子が良いことは間違いなかった。国内で3分35秒を出すのは難しいですが、自己ベストは絶対にいけるなと思っていました」と自信を持ってレースに臨んでいた。

荒井は、それまで2、3番手で勝機を伺っていたが、ラスト1周でトップに立つと、食い下がる森田佳祐(SUBARU)らを突き放した。

記録との勝負の行方は、参加標準記録にはわずかに届かず、3分36秒62でフィニッシュ。「ターゲットに及ばず、中距離のチームとしては情けない」とレースを振り返った。

それでも、昨年マークした当時の日本記録(3分37秒05)を上回る自己ベストに、手応えを口にした。

「世界選手権の標準記録をターゲットにしつつも、まず自己ベストは確実に行きたいと思っていたので、そこをクリアできたことは最低限よかったかなと思います」と自己ベストを出したことは素直に喜んだ。

昨年までの2年間はアメリカの強豪クラブ・バウワーマン・トラッククラブでトレーニングを積んできた。

「アメリカのコーチからは『3年かかる』と言われていて、3年目の今年、その成果が少しずつ出てきたなっていう実感があります」

オレゴン世界選手権への出場は叶わなかったものの、荒井にとっては、着実な成長を実感できたレースになった。

文・写真/和田悟志

◇ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022:20周年記念大会(6月22日・北海道深川市) ホクレン・ディスタンスチャレンジ2022の「20周年記念大会」が北海道深川市で行われた。 男子1500mは日本記録(3分35秒42)を上回るオレゴン世界選手権の参加標準記録・3分35秒00がターゲットタイム。元800m日本記録保持者の横田真人(TWOLAPS TCコーチ)が700mまで、昨年の千歳大会で日本記録をアシストした安倍優紀 (東海大)が1100mまでペースメーカーを務めた。 レースは、入りの400mをほぼ設定通りの55秒9、800mを1分53秒96と、ターゲットタイムを射程圏内に入れ、縦長の隊列で進んだ。ラスト1周(1100m)は2分38秒と、日本記録達成時とほぼ同じタイムで通過した。 ラスト1周の鐘が鳴って、満を持して先頭に立ったのが、荒井七海(Honda)だった。 「日本選手権はあまり順位が良くなかった(6位)のですが、4月、5月、6月と良い波を持ってこられていました」 日本選手権の前にも標高1750mの湯の丸高原(長野県東御市)で高地トレーニングを行なっていたが、日本選手権の翌日から同地に移動し、このレースに向けて前々日まで調整してきた。 「良いトレーニングができていて、調子が良いことは間違いなかった。国内で3分35秒を出すのは難しいですが、自己ベストは絶対にいけるなと思っていました」と自信を持ってレースに臨んでいた。 荒井は、それまで2、3番手で勝機を伺っていたが、ラスト1周でトップに立つと、食い下がる森田佳祐(SUBARU)らを突き放した。 記録との勝負の行方は、参加標準記録にはわずかに届かず、3分36秒62でフィニッシュ。「ターゲットに及ばず、中距離のチームとしては情けない」とレースを振り返った。 それでも、昨年マークした当時の日本記録(3分37秒05)を上回る自己ベストに、手応えを口にした。 「世界選手権の標準記録をターゲットにしつつも、まず自己ベストは確実に行きたいと思っていたので、そこをクリアできたことは最低限よかったかなと思います」と自己ベストを出したことは素直に喜んだ。 昨年までの2年間はアメリカの強豪クラブ・バウワーマン・トラッククラブでトレーニングを積んできた。 「アメリカのコーチからは『3年かかる』と言われていて、3年目の今年、その成果が少しずつ出てきたなっていう実感があります」 オレゴン世界選手権への出場は叶わなかったものの、荒井にとっては、着実な成長を実感できたレースになった。 文・写真/和田悟志

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.01

女子走幅跳前日本記録保持者・井村久美子さんが夫・俊雄氏とともに青学大短距離ブロック特別アドバイザリーコーチ就任!

青学大陸上競技部短距離ブロックは4月1日、女子走幅跳前日本記録保持者の井村久美子さんと夫・井村俊雄氏がスペシャルアドバイザリーコーチに就任することを発表した。 井村さんは1981年生まれの44歳。山形県酒田市で陸上一家に […]

NEWS SUBARUの真船恭輔が現役引退「本当に楽しい陸上人生」小山司、小林光二コーチも社業に専念

2025.03.31

SUBARUの真船恭輔が現役引退「本当に楽しい陸上人生」小山司、小林光二コーチも社業に専念

SUBARUは3月31日付で引退選手と退部者を発表した。 真船恭輔、小山司の2名が現役を引退する。真船は1997年生まれの27歳。学法石川高(福島)時代には2年連続で全国高校駅伝に出場。相澤晃(旭化成)、阿部弘輝(住友電 […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル

2025.03.31

【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

NEWS 京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走

2025.03.31

京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走

京セラの白井明衣が、3月23日に行われた鹿児島県実業団陸上競技記録会の女子3000mに出場。このレースをもって競技生活を引退することが公式Instagramで伝えられた。 白井は山口・中村女高を卒業後、2020年より京セ […]

NEWS NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部

2025.03.31

NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部

NDソフトは2024年度で大倉秀太、鈴木太基の2選手が退部すると発表した。 鈴木は愛知・豊川工高を経て大東大に進学。4年時には全日本大学駅伝で7区4位、箱根駅伝7区9位と3大駅伝に出走している。卒業後はラフィネで活動し、 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top