2019.12.27
【駅伝大好きアイドル×山の神】
駅伝の楽しみ方を独自の切り口で伝えるトークイベント「#西村駅伝」が開催
駅伝大好きアイドルとして各種イベントなどに引っ張りだこの西村菜那子さん(NGT48、左)とプロランナー・神野大地選手
12月26日、「駅伝に詳しすぎるアイドル」ことNGT48の西村菜那子さんが、都内で駅伝の楽しみ方を独自の切り口で紹介していくイベント「#西村駅伝」を開催した。
その記念すべき第1回目は、箱根駅伝の「5区」がテーマ。ゲストには青学大3年時に箱根の山を最速で駆け上がった「山の神」ことプロランナーの神野大地選手(セルソース)が駆けつけ、〝5区の極意〟や知られざる箱根駅伝の裏側について語った。ここでは、約100分間にわたるイベントの模様を紹介する。
↓西村さんによる連載コラムの最新回がこちら
今大会は「復路優勝に注目!」
12月22日のアジアマラソン選手権で優勝し、23日に帰国したばかりの神野大地選手を招いて開催された
会場は約80人の観客で埋まり、イベントは和やかなムードでスタート。駅伝に詳しくない観客のために箱根駅伝の概要についての説明が行われ、総合、往路、復路と3部門に「優勝」が分かれていることに対し、「今年(95回大会)は往路が東洋大学、復路が青山学院大学、総合優勝が東海大学とすべて違ったんですよね。これはかなり珍しく、駅伝戦国時代を物語ってるなと思います」と、さっそく自慢の駅伝知識を披露した西村さん。
神野選手が「復路優勝はテレビでも紹介されることはほとんどないですし、みなさんも知らないですよね?」と話すと、西村さんは「それなら今回は復路優勝校に注目しましょう!」と会場を盛り上げた。
区間エントリーと当日変更について
「2区は権太坂よりもラスト3kmで待ち構える『戸塚の壁』に注目してもらいたいです!」と力説する神野選手
トークはかなりディープなところまで展開され、毎年12月29日に行われる箱根駅伝の区間エントリーと当日変更についての話へ。
西村「区間エントリーは監督同士の駆け引きがあると思うんですけど、私が思うのは、交代されるのがわかっていながら、29日に名前が載ってしまう選手はどんな心境なのかなと……」
神野「当日変更があることを知らない人も多いので、友達とかから『○区走るんだね! がんばって』とか、すごく連絡が来るんです。アオガクの場合は29日の時点で誰が何区を走るかが決まっているので、誰が外れるかはわかっているし、走ることが決まっていて補欠に入っている選手は自分が走ることをSNSで言うこともできない。すごい複雑ですね」
西村「それってアイドルだと、テレビで『今日はNGT48の○○さんと○○さんが出演します。※ただし当日変更もあります』みたいなことですよね(笑)」
神野「最後の3人とかで迷っていたら、レース前日とかに発表されることもあります。そもそも何で入れ替えをするかというと、例えば上から強い選手を10人並べてしまうと、2区を走る予定だったエースの選手がケガをしてしまった場合、11番手の選手をエース区間の2区に入れないといけなくなってしまいます。そうならないように、主力級は補欠に置いておいて、どこの区間にも入れられるようにします。あとは監督同士の駆け引き、探り合いですよね」
「沿道に知り合いがいても全然気づかない」
いよいよ〝本題〟でもある「5区」について。まずは2年生の時に2区を走った神野選手が、いかにして「山の神」になったのかを話してくれた。
「3年生の時は当初2区を走る予定で、5区は1つ後輩の一色恭志(現・GMOアスリーツ)が走る予定でした。ところが、一緒に坂の練習をした時に僕のほうが圧倒的に速くて、原監督が11月中旬くらいに『神野は5区さ~』と(笑)。箱根で優勝した時に原監督が『実は神野の山の適性は夏には見抜いていて~』と言っていたんですけど、心の中では『いやいや当初2区だったじゃん!』って(笑)」(神野)
5区は〝上り〟に大きな注目が集まるが、実は最高地点(874m/15.8km地点)からフィニッシュの芦ノ湖にかけては下りが中心となる。「山の神」はいかにして上りと下りの走り分けをしていたのか。
「上りと下りは全然違いますね。僕は上りに向いていて、下りはどちらかというと後傾してしまって速く走れないんです。下りは脚の回転が必要なので、シンプルに足が速い人が有利ですね」(神野)
イベント途中には西村さんが〝選挙公約〟で行った「箱根駅伝5区を歩く」映像が上映され、大いに盛り上がった
西村さんは2018年に発売されたAKB48 53rdシングルの世界選抜総選挙における公約で「目標の75位を達成したら箱根駅伝の5区を歩く」と明言し、見事43位で目標達成。実際に5区のコースを歩いたそうで、「途中にある『箱根駅伝ミュージアムまで12km』という看板で心が折れました。12km先って何の参考にもならないんですよ!」と会場を笑わせた。
神野選手は「沿道に知り合いがいても全然気づかない」と明かし、「家族とか友達とかに来てもらっても、あまりわからない。(気圧の差で)耳がおかしくなっているので、インタビューを受けている時も正常じゃないです」と、標高800m以上を一気に駆け上がると表れる体の異常について話した。
〝西村監督〟による「NGT48のメンバーで箱根駅伝のオーダーを組むなら」
イベント中盤では〝西村監督〟による「NGT48のメンバーで箱根駅伝のオーダーを組むなら」という企画が開催された。箱根駅伝の区間の特徴とメンバーの特徴をマッチさせ、発表されたオーダーが以下の通りだ。
※カッコ内は西村監督の評価
1区 角ゆりあ(集団の中でも自分の力を発揮できるメンバー)
2区 本間日陽(エースとして堂々と走ってほしい)
3区 古舘 葵(平坦な道が続くため、コツコツタイプの人間を置きたい)
4区 荻野由佳(アップダウンにヘコタレナイ気持ちに期待)
5区 三村妃乃(本番に強い。寒さにも強そう)
6区 加藤美南(アクロバットが得意で、メンバーで一番「人間じゃねえ」【人間離れした】人物)
7区 中井りか(数々の困難を乗り越えてきた。風が強かろうが、日差しが強かろうが、中井は折れない)
8区 日下部愛菜(タフさはNGT48でナンバーワン)
9区 清司麗菜(復路のエース)
10区 西潟茉莉奈(みんなの気持ちを背負って走ってほしい。年齢的に心配だけど、9区までに貯金を作っておくので大丈夫)
西村菜那子から神野大地へのヲタ質問
その後、西村さんから神野選手への質問コーナーとなった。
Q.4代目山の神候補はどなただと思いますか?
「國學院大學の浦野雄平選手です。前回区間賞を獲得しましたが、今回はかなりいいという話を聞いているので。でも、僕の走りを超えるのは難しいので、4代目就任はたぶん無理です(笑)。でも、個人的にはあまり4代目は生まれてほしくないですね。まだ早いです(笑)」
Q.本当は何区を走りたかった?
「高校生の時は1区が走りたかったです。それはなぜかというと、1区の選手がトップで帰ってきたときにタスキを持って拳を突き上げるじゃないですか。あれがメチャクチャカッコよく見えたんです。ヨーイドンで走り始めて、トップで帰ってくるって、一番わかりやすいじゃないですか」
Q.神野選手が監督だったら、誰を1位指名しますか?
「間違いなく東洋大学の相澤晃選手ですね。どこを走るかわからないですけど、2区を走るなら日本人最高記録を狙えると思うので、メチャクチャ強いですね」
Q.選手同士ってどうやって仲良くなるんですか?(特に他校)
「レース後のダウンジョグでレースの話をしたりすることで関係が出来上がることが多いですね。僕らが大学4年の時は、箱根が終わった3日後くらいに、1993年度世代で飲み会をしました」
2人の優勝校予想は??
優勝予想に〝5強〟をすべて挙げたものの、最終的には母校の青学大を選んだ神野選手
最後に行われた箱根駅伝の優勝校予想では、西村さんは前回王者の東海大と回答。「層が厚く、5区の西田(壮志)選手の調子がいいと聞いている、往路と復路ともに駒がそろっている」と理由を挙げた。一方、神野選手は「混戦で予想が難しい」と一度は迷いを見せたものの、最後は「母校を信じます」と青学大を選択。どうやら、このイベント直前に原晋監督にメールをしたところ、「勝てます」と返信が来たことが決め手となったようだ。
その他、今大会の注目選手として、西村さんは「青木涼真選手(法大)、田中龍誠選手(東洋大)」を挙げ、神野選手は「浦野雄平選手(國學院大)、今西駿介選手(東洋大)」と回答。「実は今西選手が山下りに挑むきっかけを作ったのは僕なんですよ!」と知られざるエピソードを明かした。
100分間のイベントは大盛況のうちに終了。同イベントは2区、3区、4区……と続編が予定されており、ランナーや監督など駅伝関係者をゲストとして迎えるプランなのだという。気になる方は、「#西村駅伝」をチェックだ!
文/松永貴允
【駅伝大好きアイドル×山の神】 駅伝の楽しみ方を独自の切り口で伝えるトークイベント「#西村駅伝」が開催
駅伝大好きアイドルとして各種イベントなどに引っ張りだこの西村菜那子さん(NGT48、左)とプロランナー・神野大地選手 12月26日、「駅伝に詳しすぎるアイドル」ことNGT48の西村菜那子さんが、都内で駅伝の楽しみ方を独自の切り口で紹介していくイベント「#西村駅伝」を開催した。 その記念すべき第1回目は、箱根駅伝の「5区」がテーマ。ゲストには青学大3年時に箱根の山を最速で駆け上がった「山の神」ことプロランナーの神野大地選手(セルソース)が駆けつけ、〝5区の極意〟や知られざる箱根駅伝の裏側について語った。ここでは、約100分間にわたるイベントの模様を紹介する。 ↓西村さんによる連載コラムの最新回がこちら https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/7353今大会は「復路優勝に注目!」
12月22日のアジアマラソン選手権で優勝し、23日に帰国したばかりの神野大地選手を招いて開催された 会場は約80人の観客で埋まり、イベントは和やかなムードでスタート。駅伝に詳しくない観客のために箱根駅伝の概要についての説明が行われ、総合、往路、復路と3部門に「優勝」が分かれていることに対し、「今年(95回大会)は往路が東洋大学、復路が青山学院大学、総合優勝が東海大学とすべて違ったんですよね。これはかなり珍しく、駅伝戦国時代を物語ってるなと思います」と、さっそく自慢の駅伝知識を披露した西村さん。 神野選手が「復路優勝はテレビでも紹介されることはほとんどないですし、みなさんも知らないですよね?」と話すと、西村さんは「それなら今回は復路優勝校に注目しましょう!」と会場を盛り上げた。区間エントリーと当日変更について
「2区は権太坂よりもラスト3kmで待ち構える『戸塚の壁』に注目してもらいたいです!」と力説する神野選手 トークはかなりディープなところまで展開され、毎年12月29日に行われる箱根駅伝の区間エントリーと当日変更についての話へ。 西村「区間エントリーは監督同士の駆け引きがあると思うんですけど、私が思うのは、交代されるのがわかっていながら、29日に名前が載ってしまう選手はどんな心境なのかなと……」 神野「当日変更があることを知らない人も多いので、友達とかから『○区走るんだね! がんばって』とか、すごく連絡が来るんです。アオガクの場合は29日の時点で誰が何区を走るかが決まっているので、誰が外れるかはわかっているし、走ることが決まっていて補欠に入っている選手は自分が走ることをSNSで言うこともできない。すごい複雑ですね」 西村「それってアイドルだと、テレビで『今日はNGT48の○○さんと○○さんが出演します。※ただし当日変更もあります』みたいなことですよね(笑)」 神野「最後の3人とかで迷っていたら、レース前日とかに発表されることもあります。そもそも何で入れ替えをするかというと、例えば上から強い選手を10人並べてしまうと、2区を走る予定だったエースの選手がケガをしてしまった場合、11番手の選手をエース区間の2区に入れないといけなくなってしまいます。そうならないように、主力級は補欠に置いておいて、どこの区間にも入れられるようにします。あとは監督同士の駆け引き、探り合いですよね」「沿道に知り合いがいても全然気づかない」
「山の神」誕生秘話を明かしてくれた神野選手(左) いよいよ〝本題〟でもある「5区」について。まずは2年生の時に2区を走った神野選手が、いかにして「山の神」になったのかを話してくれた。 「3年生の時は当初2区を走る予定で、5区は1つ後輩の一色恭志(現・GMOアスリーツ)が走る予定でした。ところが、一緒に坂の練習をした時に僕のほうが圧倒的に速くて、原監督が11月中旬くらいに『神野は5区さ~』と(笑)。箱根で優勝した時に原監督が『実は神野の山の適性は夏には見抜いていて~』と言っていたんですけど、心の中では『いやいや当初2区だったじゃん!』って(笑)」(神野) 5区は〝上り〟に大きな注目が集まるが、実は最高地点(874m/15.8km地点)からフィニッシュの芦ノ湖にかけては下りが中心となる。「山の神」はいかにして上りと下りの走り分けをしていたのか。 「上りと下りは全然違いますね。僕は上りに向いていて、下りはどちらかというと後傾してしまって速く走れないんです。下りは脚の回転が必要なので、シンプルに足が速い人が有利ですね」(神野) イベント途中には西村さんが〝選挙公約〟で行った「箱根駅伝5区を歩く」映像が上映され、大いに盛り上がった 西村さんは2018年に発売されたAKB48 53rdシングルの世界選抜総選挙における公約で「目標の75位を達成したら箱根駅伝の5区を歩く」と明言し、見事43位で目標達成。実際に5区のコースを歩いたそうで、「途中にある『箱根駅伝ミュージアムまで12km』という看板で心が折れました。12km先って何の参考にもならないんですよ!」と会場を笑わせた。 神野選手は「沿道に知り合いがいても全然気づかない」と明かし、「家族とか友達とかに来てもらっても、あまりわからない。(気圧の差で)耳がおかしくなっているので、インタビューを受けている時も正常じゃないです」と、標高800m以上を一気に駆け上がると表れる体の異常について話した。〝西村監督〟による「NGT48のメンバーで箱根駅伝のオーダーを組むなら」
イベント中盤では〝西村監督〟による「NGT48のメンバーで箱根駅伝のオーダーを組むなら」という企画が開催された。箱根駅伝の区間の特徴とメンバーの特徴をマッチさせ、発表されたオーダーが以下の通りだ。 ※カッコ内は西村監督の評価 1区 角ゆりあ(集団の中でも自分の力を発揮できるメンバー) 2区 本間日陽(エースとして堂々と走ってほしい) 3区 古舘 葵(平坦な道が続くため、コツコツタイプの人間を置きたい) 4区 荻野由佳(アップダウンにヘコタレナイ気持ちに期待) 5区 三村妃乃(本番に強い。寒さにも強そう) 6区 加藤美南(アクロバットが得意で、メンバーで一番「人間じゃねえ」【人間離れした】人物) 7区 中井りか(数々の困難を乗り越えてきた。風が強かろうが、日差しが強かろうが、中井は折れない) 8区 日下部愛菜(タフさはNGT48でナンバーワン) 9区 清司麗菜(復路のエース) 10区 西潟茉莉奈(みんなの気持ちを背負って走ってほしい。年齢的に心配だけど、9区までに貯金を作っておくので大丈夫)西村菜那子から神野大地へのヲタ質問
その後、西村さんから神野選手への質問コーナーとなった。 Q.4代目山の神候補はどなただと思いますか? 「國學院大學の浦野雄平選手です。前回区間賞を獲得しましたが、今回はかなりいいという話を聞いているので。でも、僕の走りを超えるのは難しいので、4代目就任はたぶん無理です(笑)。でも、個人的にはあまり4代目は生まれてほしくないですね。まだ早いです(笑)」 Q.本当は何区を走りたかった? 「高校生の時は1区が走りたかったです。それはなぜかというと、1区の選手がトップで帰ってきたときにタスキを持って拳を突き上げるじゃないですか。あれがメチャクチャカッコよく見えたんです。ヨーイドンで走り始めて、トップで帰ってくるって、一番わかりやすいじゃないですか」 Q.神野選手が監督だったら、誰を1位指名しますか? 「間違いなく東洋大学の相澤晃選手ですね。どこを走るかわからないですけど、2区を走るなら日本人最高記録を狙えると思うので、メチャクチャ強いですね」 Q.選手同士ってどうやって仲良くなるんですか?(特に他校) 「レース後のダウンジョグでレースの話をしたりすることで関係が出来上がることが多いですね。僕らが大学4年の時は、箱根が終わった3日後くらいに、1993年度世代で飲み会をしました」2人の優勝校予想は??
優勝予想に〝5強〟をすべて挙げたものの、最終的には母校の青学大を選んだ神野選手 最後に行われた箱根駅伝の優勝校予想では、西村さんは前回王者の東海大と回答。「層が厚く、5区の西田(壮志)選手の調子がいいと聞いている、往路と復路ともに駒がそろっている」と理由を挙げた。一方、神野選手は「混戦で予想が難しい」と一度は迷いを見せたものの、最後は「母校を信じます」と青学大を選択。どうやら、このイベント直前に原晋監督にメールをしたところ、「勝てます」と返信が来たことが決め手となったようだ。 その他、今大会の注目選手として、西村さんは「青木涼真選手(法大)、田中龍誠選手(東洋大)」を挙げ、神野選手は「浦野雄平選手(國學院大)、今西駿介選手(東洋大)」と回答。「実は今西選手が山下りに挑むきっかけを作ったのは僕なんですよ!」と知られざるエピソードを明かした。 「#西村駅伝」の〝第2区〟を約束した西村さん 100分間のイベントは大盛況のうちに終了。同イベントは2区、3区、4区……と続編が予定されており、ランナーや監督など駅伝関係者をゲストとして迎えるプランなのだという。気になる方は、「#西村駅伝」をチェックだ! 文/松永貴允 西村菜那子プロフィール(NGT48 Official Site) 神野大地オフィシャルサイト
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