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【誌面転載】〝なにわ〟が誇る高校トップハイジャンパーCross Talk「坂井宏和 (東海大仰星高3)✕ 江頭 亮 (大塚高3)」
【誌面転載】〝なにわ〟が誇る高校トップハイジャンパーCross Talk「坂井宏和 (東海大仰星高3)✕ 江頭 亮 (大塚高3)」

〝なにわ〟が誇る高校トップハイジャンパーCross Talk
目指すはU20日本記録、そして世界!


大阪が誇る高校トップハイジャンパーの2人。
左から2m17のベストを持つ坂井宏和(東海大仰星高3)、今季高校3冠を達成した江頭亮(大塚高3)

中学時代から世代トップクラスの実力を持っていた江頭亮(大塚高3)、そして昨シーズン2年生ながら2m 17 を跳んでリストトップに立った坂井宏和(東海大仰星高3)は、大阪が誇る男子走高跳の〝逸材〟。今季は江頭が高校タイトル3冠を獲得した一方、坂井はケガで思うような結果を残すことができなかった。将来を期待される2人が語る今シーズン、お互いの印象、そして来季に懸ける想いとは――。

構成/編集部

●2019年シーズンを振り返って
江頭「高校記録に届かなかった」  坂井「〝2番〟では納得できない」

江頭 インターハイは勝つことができてうれしかったし、高校3冠もできたけど、高校記録(2m23 /戸邉直人)の更新を狙っていたから……。インターハイの2m15での優勝は目指していたものとは全然違うものだった。1年間がんばったのに……という感じ。
坂井 僕は全然いいところがなかった。4月の練習中に思いっ切り足首をひねってしまって、疲労骨折と靱帯損傷と診断された。1ヵ月後にインターハイ路線が始まって、練習なしで、テープで固めて痛み止めを打って出場して。何とか跳べたけど、近畿大会でも同じ箇所を痛めて、全国でもダメ(予選敗退)。
江頭 僕も2年の時はケガで結構苦しんだから気持ちがよくわかる。
坂井 ケガをしたから見えることも多いよね。両親が病院へ送り迎えしてくれたり、周囲の人がたくさん応援してくれたり。
江頭 最後は、U20日本選手権でちゃんと2位に来た。
坂井 最終的に2m11を跳べたけど、結局それだけ。〝2番〟という響きに納得している場合じゃないなって思っている。
江頭 自分がケガをしている時に坂井の調子が良かった時は、正直、嫌な思いも少しあったけど、坂井がいたからこそ、2年の終わりからの冬季練習もがんばれたかな。
坂井 2年の時も、江頭がベストの状態だったら負けてばっかり。あまり勝てている印象はない。今季はその強さをあらためて思い知らされたな。江頭は中学の時から全国大会で活躍していて、雲の上の存在。大阪の中だけでも、江頭だけじゃなくてライバルがいっぱいいたよね。だから、高校に入る時は、先輩たちや江頭に近づけるようにと思ってがんばってきた。

●お互いの印象
江頭「うらやましいところばかり」  坂井「お手本みたいな選手」

江頭 坂井は身体的にすごく恵まれているし、脚も腱も強い。うらやましいところばっかりだよ。
坂井 助走からクリアランスまで、僕より江頭のほうが全部上だよ。お手本みたいな選手だし、江頭みたいな脚さばきができたらいいなってずっと思っている。跳躍ではどんなところ意識してるん?
江頭 助走の安定かな。高くなってきたら力んでしまうところがあるから、そこでリラックスして毎回同じ助走ができるように。それを踏み切りにつなげていくところを意識しているよ。
坂井 一緒だね。やっぱり助走。クリアランスがいくらうまくても、助走と踏み切りの力がなかったら浮き上がれないし。クリアランスも大事で、僕はヘタだから練習しないといけないけど。それよりは助走と踏み切りに重点を置いている。
江頭 どんなイメージ?
坂井 例えば助走の11歩でメリハリをつける。全部100%でいったら踏み切りにつなげられないから、〝省エネ〟というか、リズムでいく感じ。で、踏み切りはガツッと。〝ハマる〟というより〝ハメる〟というイメージかな。合宿で思ったけど、江頭は測定も強いよね。
江頭 メディシンボール投げとか立ち幅跳びとか、結構、やったことある種目だからね。
坂井 走幅跳とか三段跳とか、他のみんなも強くて、ボロ負け。劣っているところばかりだよ。
江頭 僕はシーズン中より体重が4kgほど増えて70kgをオーバー。動いてみてそれを感じたよ。でも、いつも冬季はその流れだし、しっかり食べて、また1月くらいから減らしていこうかな。坂井も食事とか気にする?
坂井 あまり食生活のことは気にしたことなかった。体重の増減もしないし。そういうところも見直していかないと上のレベルで戦えないね。

Sakai Hirokazu
2001 年11 月5日生まれ。188cm・70kg。枚方長尾中→東海大仰星高(大阪)。中学から陸上を始めたが、全国大会出場歴はなし。高1で2m 03 を跳び、インターハイにも出場し頭角を現すと、昨シーズンは国体とU 18日本選手権の2冠。10 月には高2歴代4位の2m 17 を跳んだ。今季はケガに泣かされたが、秋のU 20 日本選手権では2m 11 で2位に食い込んだ。卒業後は東海大に進学予定。
●年次ベスト&主要大会成績 ★=自己ベスト
14 年(中1) 1m 62
15 年(中2) 1m 60
16 年(中3) 1m 85
17 年(高1) 2m 03 IH記録なし、U18記録なし
18 年(高2)★2m 17 IH⑯、国体①、U18①
19 年(高3) 2m 11 IH予選落ち、U20②

 

Egashira Ryo
2001 年10 月12 日生まれ。181cm・66kg。金岡南中→大塚高(大阪)。中学生の時に2m 00 を跳び注目を集める。高2でユースオリンピックアジア予選代表に選出。今季はインターハイに2m 15 で優勝すると、国体を2m 18、U 20 日本選手権を2m 14 で制し、高校タイトル3冠を獲得した。卒業後は日大に進学予定。
●年次ベスト&主要大会成績 ★=自己ベスト
14 年(中1) 1m 61 世界ユース1位
15 年(中2) 1m 78 世界ユース1位
16 年(中3) 2m 00 全中④、ジュニア五輪⑪
17 年(高1) 2m 06 U18記録なし
18 年(高2) 2m 10 ユース五輪アジア予選⑦、IH⑱、U18⑧
19 年(高3)★2m 18 IH①、国体①、U20①

※この続きは2019年12月13日発売の『月刊陸上競技1月号』をご覧ください。

〝なにわ〟が誇る高校トップハイジャンパーCross Talk 目指すはU20日本記録、そして世界!

大阪が誇る高校トップハイジャンパーの2人。 左から2m17のベストを持つ坂井宏和(東海大仰星高3)、今季高校3冠を達成した江頭亮(大塚高3)

中学時代から世代トップクラスの実力を持っていた江頭亮(大塚高3)、そして昨シーズン2年生ながら2m 17 を跳んでリストトップに立った坂井宏和(東海大仰星高3)は、大阪が誇る男子走高跳の〝逸材〟。今季は江頭が高校タイトル3冠を獲得した一方、坂井はケガで思うような結果を残すことができなかった。将来を期待される2人が語る今シーズン、お互いの印象、そして来季に懸ける想いとは――。 構成/編集部

●2019年シーズンを振り返って 江頭「高校記録に届かなかった」  坂井「〝2番〟では納得できない」

江頭 インターハイは勝つことができてうれしかったし、高校3冠もできたけど、高校記録(2m23 /戸邉直人)の更新を狙っていたから……。インターハイの2m15での優勝は目指していたものとは全然違うものだった。1年間がんばったのに……という感じ。 坂井 僕は全然いいところがなかった。4月の練習中に思いっ切り足首をひねってしまって、疲労骨折と靱帯損傷と診断された。1ヵ月後にインターハイ路線が始まって、練習なしで、テープで固めて痛み止めを打って出場して。何とか跳べたけど、近畿大会でも同じ箇所を痛めて、全国でもダメ(予選敗退)。 江頭 僕も2年の時はケガで結構苦しんだから気持ちがよくわかる。 坂井 ケガをしたから見えることも多いよね。両親が病院へ送り迎えしてくれたり、周囲の人がたくさん応援してくれたり。 江頭 最後は、U20日本選手権でちゃんと2位に来た。 坂井 最終的に2m11を跳べたけど、結局それだけ。〝2番〟という響きに納得している場合じゃないなって思っている。 江頭 自分がケガをしている時に坂井の調子が良かった時は、正直、嫌な思いも少しあったけど、坂井がいたからこそ、2年の終わりからの冬季練習もがんばれたかな。 坂井 2年の時も、江頭がベストの状態だったら負けてばっかり。あまり勝てている印象はない。今季はその強さをあらためて思い知らされたな。江頭は中学の時から全国大会で活躍していて、雲の上の存在。大阪の中だけでも、江頭だけじゃなくてライバルがいっぱいいたよね。だから、高校に入る時は、先輩たちや江頭に近づけるようにと思ってがんばってきた。

●お互いの印象 江頭「うらやましいところばかり」  坂井「お手本みたいな選手」

江頭 坂井は身体的にすごく恵まれているし、脚も腱も強い。うらやましいところばっかりだよ。 坂井 助走からクリアランスまで、僕より江頭のほうが全部上だよ。お手本みたいな選手だし、江頭みたいな脚さばきができたらいいなってずっと思っている。跳躍ではどんなところ意識してるん? 江頭 助走の安定かな。高くなってきたら力んでしまうところがあるから、そこでリラックスして毎回同じ助走ができるように。それを踏み切りにつなげていくところを意識しているよ。 坂井 一緒だね。やっぱり助走。クリアランスがいくらうまくても、助走と踏み切りの力がなかったら浮き上がれないし。クリアランスも大事で、僕はヘタだから練習しないといけないけど。それよりは助走と踏み切りに重点を置いている。 江頭 どんなイメージ? 坂井 例えば助走の11歩でメリハリをつける。全部100%でいったら踏み切りにつなげられないから、〝省エネ〟というか、リズムでいく感じ。で、踏み切りはガツッと。〝ハマる〟というより〝ハメる〟というイメージかな。合宿で思ったけど、江頭は測定も強いよね。 江頭 メディシンボール投げとか立ち幅跳びとか、結構、やったことある種目だからね。 坂井 走幅跳とか三段跳とか、他のみんなも強くて、ボロ負け。劣っているところばかりだよ。 江頭 僕はシーズン中より体重が4kgほど増えて70kgをオーバー。動いてみてそれを感じたよ。でも、いつも冬季はその流れだし、しっかり食べて、また1月くらいから減らしていこうかな。坂井も食事とか気にする? 坂井 あまり食生活のことは気にしたことなかった。体重の増減もしないし。そういうところも見直していかないと上のレベルで戦えないね。
Sakai Hirokazu 2001 年11 月5日生まれ。188cm・70kg。枚方長尾中→東海大仰星高(大阪)。中学から陸上を始めたが、全国大会出場歴はなし。高1で2m 03 を跳び、インターハイにも出場し頭角を現すと、昨シーズンは国体とU 18日本選手権の2冠。10 月には高2歴代4位の2m 17 を跳んだ。今季はケガに泣かされたが、秋のU 20 日本選手権では2m 11 で2位に食い込んだ。卒業後は東海大に進学予定。 ●年次ベスト&主要大会成績 ★=自己ベスト 14 年(中1) 1m 62 15 年(中2) 1m 60 16 年(中3) 1m 85 17 年(高1) 2m 03 IH記録なし、U18記録なし 18 年(高2)★2m 17 IH⑯、国体①、U18① 19 年(高3) 2m 11 IH予選落ち、U20②
 
Egashira Ryo 2001 年10 月12 日生まれ。181cm・66kg。金岡南中→大塚高(大阪)。中学生の時に2m 00 を跳び注目を集める。高2でユースオリンピックアジア予選代表に選出。今季はインターハイに2m 15 で優勝すると、国体を2m 18、U 20 日本選手権を2m 14 で制し、高校タイトル3冠を獲得した。卒業後は日大に進学予定。 ●年次ベスト&主要大会成績 ★=自己ベスト 14 年(中1) 1m 61 世界ユース1位 15 年(中2) 1m 78 世界ユース1位 16 年(中3) 2m 00 全中④、ジュニア五輪⑪ 17 年(高1) 2m 06 U18記録なし 18 年(高2) 2m 10 ユース五輪アジア予選⑦、IH⑱、U18⑧ 19 年(高3)★2m 18 IH①、国体①、U20①
※この続きは2019年12月13日発売の『月刊陸上競技1月号』をご覧ください。

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