2019.12.17
〝なにわ〟が誇る高校トップハイジャンパーCross Talk
目指すはU20日本記録、そして世界!
大阪が誇る高校トップハイジャンパーの2人。
左から2m17のベストを持つ坂井宏和(東海大仰星高3)、今季高校3冠を達成した江頭亮(大塚高3)
中学時代から世代トップクラスの実力を持っていた江頭亮(大塚高3)、そして昨シーズン2年生ながら2m 17 を跳んでリストトップに立った坂井宏和(東海大仰星高3)は、大阪が誇る男子走高跳の〝逸材〟。今季は江頭が高校タイトル3冠を獲得した一方、坂井はケガで思うような結果を残すことができなかった。将来を期待される2人が語る今シーズン、お互いの印象、そして来季に懸ける想いとは――。
構成/編集部
●2019年シーズンを振り返って
江頭「高校記録に届かなかった」 坂井「〝2番〟では納得できない」
江頭 インターハイは勝つことができてうれしかったし、高校3冠もできたけど、高校記録(2m23 /戸邉直人)の更新を狙っていたから……。インターハイの2m15での優勝は目指していたものとは全然違うものだった。1年間がんばったのに……という感じ。
坂井 僕は全然いいところがなかった。4月の練習中に思いっ切り足首をひねってしまって、疲労骨折と靱帯損傷と診断された。1ヵ月後にインターハイ路線が始まって、練習なしで、テープで固めて痛み止めを打って出場して。何とか跳べたけど、近畿大会でも同じ箇所を痛めて、全国でもダメ(予選敗退)。
江頭 僕も2年の時はケガで結構苦しんだから気持ちがよくわかる。
坂井 ケガをしたから見えることも多いよね。両親が病院へ送り迎えしてくれたり、周囲の人がたくさん応援してくれたり。
江頭 最後は、U20日本選手権でちゃんと2位に来た。
坂井 最終的に2m11を跳べたけど、結局それだけ。〝2番〟という響きに納得している場合じゃないなって思っている。
江頭 自分がケガをしている時に坂井の調子が良かった時は、正直、嫌な思いも少しあったけど、坂井がいたからこそ、2年の終わりからの冬季練習もがんばれたかな。
坂井 2年の時も、江頭がベストの状態だったら負けてばっかり。あまり勝てている印象はない。今季はその強さをあらためて思い知らされたな。江頭は中学の時から全国大会で活躍していて、雲の上の存在。大阪の中だけでも、江頭だけじゃなくてライバルがいっぱいいたよね。だから、高校に入る時は、先輩たちや江頭に近づけるようにと思ってがんばってきた。
●お互いの印象
江頭「うらやましいところばかり」 坂井「お手本みたいな選手」
江頭 坂井は身体的にすごく恵まれているし、脚も腱も強い。うらやましいところばっかりだよ。
坂井 助走からクリアランスまで、僕より江頭のほうが全部上だよ。お手本みたいな選手だし、江頭みたいな脚さばきができたらいいなってずっと思っている。跳躍ではどんなところ意識してるん?
江頭 助走の安定かな。高くなってきたら力んでしまうところがあるから、そこでリラックスして毎回同じ助走ができるように。それを踏み切りにつなげていくところを意識しているよ。
坂井 一緒だね。やっぱり助走。クリアランスがいくらうまくても、助走と踏み切りの力がなかったら浮き上がれないし。クリアランスも大事で、僕はヘタだから練習しないといけないけど。それよりは助走と踏み切りに重点を置いている。
江頭 どんなイメージ?
坂井 例えば助走の11歩でメリハリをつける。全部100%でいったら踏み切りにつなげられないから、〝省エネ〟というか、リズムでいく感じ。で、踏み切りはガツッと。〝ハマる〟というより〝ハメる〟というイメージかな。合宿で思ったけど、江頭は測定も強いよね。
江頭 メディシンボール投げとか立ち幅跳びとか、結構、やったことある種目だからね。
坂井 走幅跳とか三段跳とか、他のみんなも強くて、ボロ負け。劣っているところばかりだよ。
江頭 僕はシーズン中より体重が4kgほど増えて70kgをオーバー。動いてみてそれを感じたよ。でも、いつも冬季はその流れだし、しっかり食べて、また1月くらいから減らしていこうかな。坂井も食事とか気にする?
坂井 あまり食生活のことは気にしたことなかった。体重の増減もしないし。そういうところも見直していかないと上のレベルで戦えないね。
※この続きは2019年12月13日発売の『月刊陸上競技1月号』をご覧ください。
〝なにわ〟が誇る高校トップハイジャンパーCross Talk 目指すはU20日本記録、そして世界!
大阪が誇る高校トップハイジャンパーの2人。
左から2m17のベストを持つ坂井宏和(東海大仰星高3)、今季高校3冠を達成した江頭亮(大塚高3)
●2019年シーズンを振り返って 江頭「高校記録に届かなかった」 坂井「〝2番〟では納得できない」
江頭 インターハイは勝つことができてうれしかったし、高校3冠もできたけど、高校記録(2m23 /戸邉直人)の更新を狙っていたから……。インターハイの2m15での優勝は目指していたものとは全然違うものだった。1年間がんばったのに……という感じ。 坂井 僕は全然いいところがなかった。4月の練習中に思いっ切り足首をひねってしまって、疲労骨折と靱帯損傷と診断された。1ヵ月後にインターハイ路線が始まって、練習なしで、テープで固めて痛み止めを打って出場して。何とか跳べたけど、近畿大会でも同じ箇所を痛めて、全国でもダメ(予選敗退)。 江頭 僕も2年の時はケガで結構苦しんだから気持ちがよくわかる。 坂井 ケガをしたから見えることも多いよね。両親が病院へ送り迎えしてくれたり、周囲の人がたくさん応援してくれたり。 江頭 最後は、U20日本選手権でちゃんと2位に来た。 坂井 最終的に2m11を跳べたけど、結局それだけ。〝2番〟という響きに納得している場合じゃないなって思っている。 江頭 自分がケガをしている時に坂井の調子が良かった時は、正直、嫌な思いも少しあったけど、坂井がいたからこそ、2年の終わりからの冬季練習もがんばれたかな。 坂井 2年の時も、江頭がベストの状態だったら負けてばっかり。あまり勝てている印象はない。今季はその強さをあらためて思い知らされたな。江頭は中学の時から全国大会で活躍していて、雲の上の存在。大阪の中だけでも、江頭だけじゃなくてライバルがいっぱいいたよね。だから、高校に入る時は、先輩たちや江頭に近づけるようにと思ってがんばってきた。●お互いの印象 江頭「うらやましいところばかり」 坂井「お手本みたいな選手」
江頭 坂井は身体的にすごく恵まれているし、脚も腱も強い。うらやましいところばっかりだよ。 坂井 助走からクリアランスまで、僕より江頭のほうが全部上だよ。お手本みたいな選手だし、江頭みたいな脚さばきができたらいいなってずっと思っている。跳躍ではどんなところ意識してるん? 江頭 助走の安定かな。高くなってきたら力んでしまうところがあるから、そこでリラックスして毎回同じ助走ができるように。それを踏み切りにつなげていくところを意識しているよ。 坂井 一緒だね。やっぱり助走。クリアランスがいくらうまくても、助走と踏み切りの力がなかったら浮き上がれないし。クリアランスも大事で、僕はヘタだから練習しないといけないけど。それよりは助走と踏み切りに重点を置いている。 江頭 どんなイメージ? 坂井 例えば助走の11歩でメリハリをつける。全部100%でいったら踏み切りにつなげられないから、〝省エネ〟というか、リズムでいく感じ。で、踏み切りはガツッと。〝ハマる〟というより〝ハメる〟というイメージかな。合宿で思ったけど、江頭は測定も強いよね。 江頭 メディシンボール投げとか立ち幅跳びとか、結構、やったことある種目だからね。 坂井 走幅跳とか三段跳とか、他のみんなも強くて、ボロ負け。劣っているところばかりだよ。 江頭 僕はシーズン中より体重が4kgほど増えて70kgをオーバー。動いてみてそれを感じたよ。でも、いつも冬季はその流れだし、しっかり食べて、また1月くらいから減らしていこうかな。坂井も食事とか気にする? 坂井 あまり食生活のことは気にしたことなかった。体重の増減もしないし。そういうところも見直していかないと上のレベルで戦えないね。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.29
青学大・若林宏樹の学生ラストランは2位!TBS感謝祭マラソン激走「箱根よりきつかった」
-
2025.03.29
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.29
青学大・若林宏樹の学生ラストランは2位!TBS感謝祭マラソン激走「箱根よりきつかった」
青学大の若林宏樹がTBSの「オールスター感謝祭2025春」に出演した。若林は番組恒例の赤坂ミニマラソンに出場して2位だった。 約5km、心臓破りの坂がランナーたちを苦しめる番組の人気企画。今年の箱根駅伝で5区区間新を出し […]
2025.03.29
女子やり投で16歳・嚴子怡が64m83 自身のU20世界記録を42cm塗り替え3度目の更新
3月28日に中国・成都で行われた投てきの招待競技会女子やり投で、16歳の嚴子怡が自身の持つU20世界記録を42cm更新する64m83を放った。 嚴は2008年5月生まれ。2023年に国際学校スポーツ連盟が主催するU15世 […]
2025.03.29
鈴木琉胤5000mで高校歴代2位13分25秒59 “世界”のレースを体感して日本人トップ 4月から早大へ/WAコンチネンタルツアー
2025年の世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド初戦となるモーリー・プラント競技会が3月29日、豪州・メルボルンで行われた。 男子5000mには4月から早大に進学する鈴木琉胤(八千代松陰高3千葉)が出場。高校歴 […]
2025.03.29
走高跳で男女上位 真野友博1位、髙橋渚1m86で2位 100mH田中佑美Vで3位まで日本勢/WAコンチネンタルツアー
2025年の世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ゴールド初戦となるモーリー・プラント競技会が3月29日、豪州・メルボルンで行われた。 日本からは22名が出場し、2種目で優勝。走高跳では男子が昨年のパリ五輪代表で22年世 […]
2025.03.29
編集部コラム「いつのまにか700号超え」
攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報