2022.02.25
オレゴン世界選手権代表選考会、パリ五輪代表選考レース・マラソングランドチャンピオンシップ出場権などを懸けた「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会」は2月27日、大阪府庁前をスタート、大阪市内を巡って大阪城公園内にフィニッシュする42.195kmで行われる。
日本最古のマラソン大会だったびわ湖毎日マラソンと、2011年からスタートした大阪マラソンが統合され、新たにスタートを切る今大会。本来であれば2万人の一般ランナーも参加する大規模レースを予定していたが、2月16日に「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療のひっ迫状況を踏まえ、2万人規模の市民マラソンの実施は困難」と一般ランナー部門の中止を決定。約300人が出場予定のエリート部門のみで実施される。
レース2日前となった2月25日、招待選手の記者会見が行われ、元日本記録保持者の設楽悠太(Honda)、川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)らが意気込みを語った。
設楽は今大会に向けて、チームが初優勝を飾ったニューイヤー駅伝後からトレーニングを開始。昨年12月の福岡国際では20㎞付近で左ふくらはぎに痛みを感じて途中棄権したが、2月6日の別府大分毎日マラソンでは25kmまでペースメーカーを務め、2時間9分切り続出の高速レースに一役買うなどその影響はなさそう。「昔と比べたら設定タイムも上がっているし、追い込めているので、手応えはある」と順調ぶりをアピールした。
2018年の東京マラソンで2時間6分16秒の当時日本記録を出して以降は、マラソンで思うような結果を残せていない。その中での新設大会出場は「ワクワクというか、初マラソンの時のような感情を思い出した」と、心機一転のレースとなりそうだ。
海外マラソン挑戦を視野に入れており、「まずはここで結果を残さないと次につながらない。どんな展開になるかわからないが、先頭争いできるレースをしたい」と意気込みをのぞかせた。
同じく順調さをうかがわせるのが川内。オレゴン世界選手権出場を目指した昨年の福岡では、ケガの影響で調整不十分だったこともあり、2時間11分33秒で12位と不本意な結果に終わったが、その後は「2ヵ月ぐらいいい練習ができていて、思う通りの調整ができた」と話す。
いつも通りにレースをこなす調整スタイルながら、1月の10kmレースで28分53秒、2月の全日本実業団ハーフでは1時間2分13秒といずれも自己新をマーク。練習の中でも「10年前にやろうとしてできなかったポイント練習ができている」。3月5日に35歳の誕生日を迎えるが、まだまだ成長が止まらない。
今大会のターゲットは記録よりも順位。昨年まで行われていたびわ湖は常連であり、大阪マラソンには第1回大会に出場した経緯があることから今大会を選んだが、「東京や福岡では3位があるけど、びわ湖も大阪も4位というイヤな数字が残っていた。(両方を塗り替えられる)一番いいチャンス。3位以内、メダルを狙いたい」と力強く語った。
5度の折り返しを含めてカーブが多く、ペースメーカーが離れる30km以降には上り坂も待ち構える。設楽は「コースの印象はアップダウンもあって、タフなレースになる。そこは何も考えずに、まずはついていくことだけを考えて様子を見て、勝負所を考えながら走りたい」、川内は「(30kmを過ぎてからの)五條宮から四天王寺あたりが一番疲労もたまるし、記録や順位につながるキーポイントになる」と本番へのイメージを高めていた。
このほか、2020年の東京マラソンで2時間7分39秒をマークした一色恭志(GMOインターネットグループ)、昨年のびわ湖で2時間7分40秒を出した青木優(カネボウ)、同レースで初マラソンながら2時間8分台を出した山下一貴(三菱重工)と土井大輔(黒崎播磨)らが招待選手として名を連ね、一般参加では北京世界選手権代表の今井正人(トヨタ自動車九州)、村山謙太(旭化成)、37歳の岡本直己(中国電力)、2時間8分台を2度出している山本憲二(マツダ)らが注目。24歳の浦野雄平(富士通)らが初マラソンに挑む。
女子は34歳の堀江美里(シスメックス)ら4人が招待され、10代の頃からトラック、駅伝で活躍してきた鷲見梓沙、青山瑠衣のユニバーサルエンターテインメント勢が初めてマラソンに挑戦する。
■第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会
2月27日(日)大阪府庁前スタート・大阪城公園内フィニッシュ
スタート:午前9時15分
中 継:NHK総合/9時00分~
公式サイトはこちら
■招待選手一覧 右は自己ベスト(※ハーフマラソンの記録)
●男子
川内 優輝(あいおいニッセイ同和損保) 2.07.27
村本 一樹(住友電工) 2.07.36
一色 恭志(GMOインターネットグループ) 2.07.39
青木 優(カネボウ) 2.07.40
設楽 悠太(Honda) 2.06.11
山下 一貴(三菱重工) 2.08.10
土井 大輔(黒崎播磨) 2.08.13
ジェームス・ルンガル(中央発條) 2.08.25
●女子
堀江 美里(シスメックス) 2.25.44
鷲見 梓沙(ユニバーサルエンターテインメント) 1.09.21※
青山 瑠衣(ユニバーサルエンターテインメント) 1.10.04※
青木 奈波(岩谷産業) 1.11.54
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.25
積水化学「1強」の力示すも連覇ならず「想定以上の走りができなかった」/クイーンズ駅伝
-
2024.11.20
-
2024.11.24
-
2024.11.23
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
-
2024.11.10
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.25
JP日本郵政グループが“本命”積水化学の連覇を阻む チームが考える「勝てた理由」/クイーンズ駅伝
◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) ともに、長く日本の女子長距離界を牽引してきた33歳の鈴木亜由子(JP […]
2024.11.25
積水化学「1強」の力示すも連覇ならず「想定以上の走りができなかった」/クイーンズ駅伝
◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) クイーンズ駅伝が行われ、JP日本郵政グループが2時間13分54秒で4 […]
2024.11.25
歴史的熱戦!JP日本郵政Gが積水化学に競り勝つ!しまむらが初の3位 パナソニック4位、エディオン2年ぶりシード/クイーンズ駅伝
◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) クイーンズ駅伝が行われ、JP日本郵政グループが2時間13分54秒で4 […]
2024.11.24
小江戸川越ハーフで東洋大勢がワン・ツー 吉田周が2年連続1時間2分台で連覇 2位は西村真周
小江戸川越ハーフマラソンが11月24日、埼玉県川越市の川越水上公園発着で行われ、男子の招待ハーフでは吉田周(東洋大4年)が1時間2分54秒(速報値)で2年連続優勝を果たした。 吉田は前回大会を1時間2分43秒の自己ベスト […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会