2022.01.28
♯7
「箱根駅伝2022の“思い出ファースト”」往路編
乃木坂46のメンバーとして大活躍しながら、“駅伝好きアイドル”として『観測史上、最大風速』の注目を集める「でんちゃん」こと佐藤楓さん。2021-22年大学駅伝シーズンを通して大会の見どころや注目選手など紹介してきた連載企画も残りあと少し! もちろんテーマは今年正月に行われた箱根駅伝についてです!
何から話せばいいのだろう……というくらい、語りたいところがあり過ぎた箱根駅伝2022。ちゃんと見ていないとすぐ展開が変わっていった激しい順位変動もあった。この1回だけでは思い出を語れないだろう……。ということで、まずは往路編をお届け! やっぱり好きだった箱根駅伝、大切な思い出。今年の大会で感じたでんちゃんの“思い出ファースト”は!?
前回のコラム♯6今、話したい箱根駅伝がある
青学大が3区で先頭に立ってそのまま優勝!
こんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。みなさん! 1月2日、3日の箱根駅伝はご覧になられましたか? 今年も見応えたっぷりの大会となりました。個人的には従兄弟が卒業して最初の箱根駅伝ということもあり、新鮮な気持ちで、少し心に余裕を持って見ることができました。これまで以上にそれぞれのチーム、一人ひとりの選手のストーリーを感じ取ることができたと思っています。
今大会を制したのは青山学院大学でした。10時間43分42秒の大会新記録で2年ぶり6度目の総合優勝。選手のみなさん、おめでとうございました! この連載では大会前に順位予想をしたのですが、私の優勝予想は……青山学院大学! 的中しました。その他の上位候補も結構当たっていたんですよ!
■でんちゃんの優勝予想(と実際の順位)
1位 青山学院大学 ⇒【見事に的中!】
2位 駒澤大学 ⇒(3位)
3位 東洋大学 ⇒(4位)
4位 東京国際大 ⇒(5位)
5位 創価大学 ⇒(7位)
◎箱根駅伝2022の全成績&区間賞一覧
箱根駅伝についてたっぷり語ってくれたでんちゃん!
今回は私なりに箱根駅伝で印象に残ったシーンや選手を振り返っていきたいと思います。まずは往路から!
青山学院大学の戦いを振り返ると、まず1区の志貴勇斗選手(2年)が区間5位と粘ったのが大きかったと思います。1区はとにかく出遅れないことが重要です。小柄で集団のどこにいるかな……? と探していましたが、ちゃんと集団の中で粘りを見せていました。
優勝へのでんちゃん的MVPは3区の太田選手とのこと
2区の近藤幸太郎選手(3年)はさすが、エースとしての自覚・責任が感じられる安定した走りでした。そして何と言っても3区の太田蒼生選手(1年)の活躍! 各校、3区と4区は重要視している中で、1年生ながら青山学院大学の3区に起用されたということは、それだけ信頼のある選手で、調子も良かったのだろうなと思いましたが、予想以上の走りでした。東京国際大学の丹所健選手(3年)と並走して、スパートをかけてトップに立ったところで、青山学院大学の優勝が大きく近づいたと感じました。あの場面が優勝への一歩目だったと思います。しっかりついて行って粘る。1年生なのに“頭脳戦”ができる選手です!
キャプテンの飯田貴之選手(4年)が4区に入って区間3位。飯田選手は1年の時に8区区間2位、2年生では5区区間2位、昨年は9区2位で、4年間すべて違う区間を走って区間3位以内なんです。それぞれ特徴も違うコースなのに、その安定感が光ります。
飯田選手からタスキを受けて走り出す「若の神」若林選手
山上りの5区は原晋監督が「若の神」と名づけた1年生の若林宏樹選手が務めました。最初は少しペースを抑え気味だったので「大丈夫かな?」と心配しましたが、上りが始まると「本当に上っているの!?」と思うほどすいすいと、力強い走りを披露。区間2位になったことのある飯田選手ではなく若林選手を起用されたのもうなずけます。高校時代から箱根の山上りを目指していたということで、将来の「山の神」候補ですね!
青山学院大学は5時間22分06秒で2年ぶりの往路優勝。2位に2分37秒差をつける完勝でした!
中大・吉居選手の15年ぶり区間新で幕開け
優勝した青山学院大学以外で、印象に残った選手を区間ごとに振り返っていきたいと思います!
まず1区は、中央大学の吉居大和選手(2年)が別格の走りを見せました。あんなに独走するなんて……。佐藤悠基選手(当時・東海大学)の区間記録を15年ぶりに更新しました! 駒澤大学の唐澤拓海選手(2年)も好スタート。2位以下も1時間1分台が多いハイペースでした。前回大会はスローペースで混戦だったのですが、今回はまた違ったワクワクした展開になりましたね。
1区から超ハイペース。中大・吉居選手の飛び出しにワクワク!
エースが集う2区に、順天堂大学の三浦龍司選手(2年)が入ったのは驚きました。東京五輪3000m障害7位の三浦選手は区間11位。決して悪い走りではないのですが、オリンピアンを持ってしても、この2区は難しい区間なのだなと改めて実感しました。5人の留学生が出走しましたが、東京国際大のイェゴン・ヴィンセント選手(3年)と、国士舘大学のライモイ・ヴィンセント選手(4年)による“ダブル・ヴィンセント対決”も見応え十分でした。イェゴン・ヴィンセント選手は2区の区間記録保持者で、今回は万全ではないなかでも区間5位タイの走りでした。
並み居る留学生を抑えての区間賞は駒澤大学のエース・田澤廉選手(3年)。さすがの一言ですね! インタビューでは「少しでも後ろの選手に楽をさせたい」と語っていて、10000mで日本歴代2位の記録を持ち、オレゴン世界選手権を目指す田澤選手ほどの選手でもチームのためを思って走るのが駅伝の良さだなと感じました。法政大学の鎌田航生選手(4年)は1時間7分11秒(区間9位)で、坪田智夫監督の法大記録を更新。坪田監督も高く評価されていました。東洋大学の松山和希選手(2年)は2年連続で2区を走り、秋にケガがありながらも前回よりいいタイム(1時間7分02秒)と、箱根にしっかり合わせてきましたね。
テレビ観戦しながらいろいろなことを感じたという
3区の区間賞は東京国際大の丹所選手。青山学院大学の太田選手に追いつき、2位に浮上しました。印象に残ったのは國學院大學の山本歩夢選手です。1年生ながら6人抜き! 1、2区で苦戦した順天堂大学ですが、ここで伊豫田達弥選手(3年)が7つ順位を上げて流れを引き寄せました。帝京大学の遠藤大地選手(4年)は4年連続で3区を走り、すべて区間4位以上。4年連続同じ区間を走る遠藤選手や、すべて違うコースを走る青山学院大学の飯田選手と、いろんなタイプの選手がいるのも箱根駅伝のおもしろさの一つですね。
魂の走りを見せた創価大の嶋津雄大選手(4年)が4区区間賞を獲得しました。嶋津選手は2年前に10区を区間新記録(当時)で区間賞。前回も4区を走って区間2位でした。創価大はここで一気に11位から5位に浮上。嶋津選手は目の病気(※暗いところで見えづらくなる網膜色素変性症)を抱えている選手ですが、インタビューでも人柄の良さが現れています。また、並走が続いた順天堂大学の石井一希選手と並んだ時に、嶋津選手が石井選手に「ついて来いよ!」と合図をしていたんです! 大学の垣根を越えて高め合う姿も駅伝らしい場面でした。嶋津選手は休学していた時期もあったことで、もう1回箱根を走る権利を持ちます。駅伝ファンとしてはもう1回見てみたいなぁと思っています。月陸さん情報によると、「もう一回箱根にチャレンジする」とのこと。とても楽しみです!!
魂の走りを見せた嶋津選手。もう1回箱根駅伝を目指すとか
以前は“つなぎ区間”と言われていた3、4区ですが、近年は重要度が増しています。結果的に、ここで流れをつかんだチームは、総合順位でも上位に来ていますし、逆に苦しい結果となった大学は厳しい駅伝となった印象です。
5区は2年連続区間賞を獲得したのが帝京大学の細谷翔馬選手(4年)。山区間(5区、6区)は、1度目は勢いで好走しても次の年はその苦しさを実感しているからこそ「怖さ」があるようで、なかなか前回同等以上の入りができない選手もいます。2年連続区間賞は最近いたかな……? と思って調べると、東洋大学の「山の神」柏原竜二さん以来でした! 帝京大学は過去最高の往路2位。とてもインパクトがありました。帝京大は往路5人中4人が4年生。さすが「育成力」に定評がある大学ですね!
一時は6位まで順位を下げた駒澤大学でしたが、金子伊吹選手(2年)が区間4位で、往路3位に入りました。区間賞の細谷選手についていくような走りで、前回王者の意地を見た気がします。國學院大學も4位と健闘。とても印象的だったのが東洋大学の宮下隼人選手(4年)です。3年連続5区を務めた宮下選手。今回、思ったような結果(区間8位)ではなかったと思いますが、フィニッシュ後、苦しいはずなのに、3年間お世話になったコースにお辞儀する姿がとても素敵でした。
東洋大・宮下選手のお辞儀には今回も感動!
駿河台大の小田原中継所は箱根史に残る名シーン
上位争いだけではなく、感動的なシーンもたくさんありました! なかでも初出場となった駿河台大学の4区・今井隆生選手(4年)と5区・永井竜二選手(3年)のタスキリレーは感動でウルウルと涙ぐんでしまいます。
駿河台大4、5区の中継は歴史に残る名シーンです!
31歳の今井選手は元中学教師で、教員として勉強し直すために休職して大学に編入して、その後箱根駅伝を目指すようになった選手です。タスキをつないだ永井選手、実は中学教師時代の生徒なんです! 教え子とタスキをつなぐなんて奇跡ですよね。今井選手にとってこれが最初で最後の箱根駅伝。監督車に乗る徳本一善監督からこのような声がかけられました。
「ここに全部置いていけ」
「お前の残された時間はあと3分。しっかり見届けてやるよ。2年間、楽しかったこと思い出せ。俺は楽しかったぞ」
「2年間ありがとう。俺に謝ってきたらぶっ飛ばすから」
レース後は泣き崩れた今井選手。大会後のニュースや特集番組で何十回見ても泣いてしまいます。箱根駅伝の歴史に残る名シーンになると思います!
***
往路だけでもたっぷり語ってしまいました! 明日は復路編をお届けします。お楽しみに!
★次回はいよいよ最終回!復路のこと、そして箱根駅伝を見て改めて感じたことをお伝えします!★
佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」(From楓)。5月14、15日には「10th YEAR BIRTHDAY LIVE」を控える。最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
構成/向永拓史 撮影/船越陽一郎
乃木坂46佐藤楓の「駅伝ちゃんねる」
特別編 箱根駅伝を好きになる“きっかけ”を伝授
♯6今、話したい箱根駅伝がある
♯5全日本大学駅伝の思い出は眠らない
♯4もうすぐ~全日本大学駅伝~
♯3出雲と予選会のこと、知ってる?
♯2お互いに支え合って箱根駅伝本戦に行こう
♯1出雲駅伝はテレビ観戦したくなる
青学大が3区で先頭に立ってそのまま優勝!
こんにちは! 乃木坂46の佐藤楓です。みなさん! 1月2日、3日の箱根駅伝はご覧になられましたか? 今年も見応えたっぷりの大会となりました。個人的には従兄弟が卒業して最初の箱根駅伝ということもあり、新鮮な気持ちで、少し心に余裕を持って見ることができました。これまで以上にそれぞれのチーム、一人ひとりの選手のストーリーを感じ取ることができたと思っています。 今大会を制したのは青山学院大学でした。10時間43分42秒の大会新記録で2年ぶり6度目の総合優勝。選手のみなさん、おめでとうございました! この連載では大会前に順位予想をしたのですが、私の優勝予想は……青山学院大学! 的中しました。その他の上位候補も結構当たっていたんですよ! ■でんちゃんの優勝予想(と実際の順位) 1位 青山学院大学 ⇒【見事に的中!】 2位 駒澤大学 ⇒(3位) 3位 東洋大学 ⇒(4位) 4位 東京国際大 ⇒(5位) 5位 創価大学 ⇒(7位) ◎箱根駅伝2022の全成績&区間賞一覧 箱根駅伝についてたっぷり語ってくれたでんちゃん! 今回は私なりに箱根駅伝で印象に残ったシーンや選手を振り返っていきたいと思います。まずは往路から! 青山学院大学の戦いを振り返ると、まず1区の志貴勇斗選手(2年)が区間5位と粘ったのが大きかったと思います。1区はとにかく出遅れないことが重要です。小柄で集団のどこにいるかな……? と探していましたが、ちゃんと集団の中で粘りを見せていました。 優勝へのでんちゃん的MVPは3区の太田選手とのこと 2区の近藤幸太郎選手(3年)はさすが、エースとしての自覚・責任が感じられる安定した走りでした。そして何と言っても3区の太田蒼生選手(1年)の活躍! 各校、3区と4区は重要視している中で、1年生ながら青山学院大学の3区に起用されたということは、それだけ信頼のある選手で、調子も良かったのだろうなと思いましたが、予想以上の走りでした。東京国際大学の丹所健選手(3年)と並走して、スパートをかけてトップに立ったところで、青山学院大学の優勝が大きく近づいたと感じました。あの場面が優勝への一歩目だったと思います。しっかりついて行って粘る。1年生なのに“頭脳戦”ができる選手です! キャプテンの飯田貴之選手(4年)が4区に入って区間3位。飯田選手は1年の時に8区区間2位、2年生では5区区間2位、昨年は9区2位で、4年間すべて違う区間を走って区間3位以内なんです。それぞれ特徴も違うコースなのに、その安定感が光ります。 飯田選手からタスキを受けて走り出す「若の神」若林選手 山上りの5区は原晋監督が「若の神」と名づけた1年生の若林宏樹選手が務めました。最初は少しペースを抑え気味だったので「大丈夫かな?」と心配しましたが、上りが始まると「本当に上っているの!?」と思うほどすいすいと、力強い走りを披露。区間2位になったことのある飯田選手ではなく若林選手を起用されたのもうなずけます。高校時代から箱根の山上りを目指していたということで、将来の「山の神」候補ですね! 青山学院大学は5時間22分06秒で2年ぶりの往路優勝。2位に2分37秒差をつける完勝でした!中大・吉居選手の15年ぶり区間新で幕開け
優勝した青山学院大学以外で、印象に残った選手を区間ごとに振り返っていきたいと思います! まず1区は、中央大学の吉居大和選手(2年)が別格の走りを見せました。あんなに独走するなんて……。佐藤悠基選手(当時・東海大学)の区間記録を15年ぶりに更新しました! 駒澤大学の唐澤拓海選手(2年)も好スタート。2位以下も1時間1分台が多いハイペースでした。前回大会はスローペースで混戦だったのですが、今回はまた違ったワクワクした展開になりましたね。 1区から超ハイペース。中大・吉居選手の飛び出しにワクワク! エースが集う2区に、順天堂大学の三浦龍司選手(2年)が入ったのは驚きました。東京五輪3000m障害7位の三浦選手は区間11位。決して悪い走りではないのですが、オリンピアンを持ってしても、この2区は難しい区間なのだなと改めて実感しました。5人の留学生が出走しましたが、東京国際大のイェゴン・ヴィンセント選手(3年)と、国士舘大学のライモイ・ヴィンセント選手(4年)による“ダブル・ヴィンセント対決”も見応え十分でした。イェゴン・ヴィンセント選手は2区の区間記録保持者で、今回は万全ではないなかでも区間5位タイの走りでした。 並み居る留学生を抑えての区間賞は駒澤大学のエース・田澤廉選手(3年)。さすがの一言ですね! インタビューでは「少しでも後ろの選手に楽をさせたい」と語っていて、10000mで日本歴代2位の記録を持ち、オレゴン世界選手権を目指す田澤選手ほどの選手でもチームのためを思って走るのが駅伝の良さだなと感じました。法政大学の鎌田航生選手(4年)は1時間7分11秒(区間9位)で、坪田智夫監督の法大記録を更新。坪田監督も高く評価されていました。東洋大学の松山和希選手(2年)は2年連続で2区を走り、秋にケガがありながらも前回よりいいタイム(1時間7分02秒)と、箱根にしっかり合わせてきましたね。 テレビ観戦しながらいろいろなことを感じたという 3区の区間賞は東京国際大の丹所選手。青山学院大学の太田選手に追いつき、2位に浮上しました。印象に残ったのは國學院大學の山本歩夢選手です。1年生ながら6人抜き! 1、2区で苦戦した順天堂大学ですが、ここで伊豫田達弥選手(3年)が7つ順位を上げて流れを引き寄せました。帝京大学の遠藤大地選手(4年)は4年連続で3区を走り、すべて区間4位以上。4年連続同じ区間を走る遠藤選手や、すべて違うコースを走る青山学院大学の飯田選手と、いろんなタイプの選手がいるのも箱根駅伝のおもしろさの一つですね。 魂の走りを見せた創価大の嶋津雄大選手(4年)が4区区間賞を獲得しました。嶋津選手は2年前に10区を区間新記録(当時)で区間賞。前回も4区を走って区間2位でした。創価大はここで一気に11位から5位に浮上。嶋津選手は目の病気(※暗いところで見えづらくなる網膜色素変性症)を抱えている選手ですが、インタビューでも人柄の良さが現れています。また、並走が続いた順天堂大学の石井一希選手と並んだ時に、嶋津選手が石井選手に「ついて来いよ!」と合図をしていたんです! 大学の垣根を越えて高め合う姿も駅伝らしい場面でした。嶋津選手は休学していた時期もあったことで、もう1回箱根を走る権利を持ちます。駅伝ファンとしてはもう1回見てみたいなぁと思っています。月陸さん情報によると、「もう一回箱根にチャレンジする」とのこと。とても楽しみです!! 魂の走りを見せた嶋津選手。もう1回箱根駅伝を目指すとか 以前は“つなぎ区間”と言われていた3、4区ですが、近年は重要度が増しています。結果的に、ここで流れをつかんだチームは、総合順位でも上位に来ていますし、逆に苦しい結果となった大学は厳しい駅伝となった印象です。 5区は2年連続区間賞を獲得したのが帝京大学の細谷翔馬選手(4年)。山区間(5区、6区)は、1度目は勢いで好走しても次の年はその苦しさを実感しているからこそ「怖さ」があるようで、なかなか前回同等以上の入りができない選手もいます。2年連続区間賞は最近いたかな……? と思って調べると、東洋大学の「山の神」柏原竜二さん以来でした! 帝京大学は過去最高の往路2位。とてもインパクトがありました。帝京大は往路5人中4人が4年生。さすが「育成力」に定評がある大学ですね! 一時は6位まで順位を下げた駒澤大学でしたが、金子伊吹選手(2年)が区間4位で、往路3位に入りました。区間賞の細谷選手についていくような走りで、前回王者の意地を見た気がします。國學院大學も4位と健闘。とても印象的だったのが東洋大学の宮下隼人選手(4年)です。3年連続5区を務めた宮下選手。今回、思ったような結果(区間8位)ではなかったと思いますが、フィニッシュ後、苦しいはずなのに、3年間お世話になったコースにお辞儀する姿がとても素敵でした。 東洋大・宮下選手のお辞儀には今回も感動!駿河台大の小田原中継所は箱根史に残る名シーン
上位争いだけではなく、感動的なシーンもたくさんありました! なかでも初出場となった駿河台大学の4区・今井隆生選手(4年)と5区・永井竜二選手(3年)のタスキリレーは感動でウルウルと涙ぐんでしまいます。 駿河台大4、5区の中継は歴史に残る名シーンです! 31歳の今井選手は元中学教師で、教員として勉強し直すために休職して大学に編入して、その後箱根駅伝を目指すようになった選手です。タスキをつないだ永井選手、実は中学教師時代の生徒なんです! 教え子とタスキをつなぐなんて奇跡ですよね。今井選手にとってこれが最初で最後の箱根駅伝。監督車に乗る徳本一善監督からこのような声がかけられました。 「ここに全部置いていけ」 「お前の残された時間はあと3分。しっかり見届けてやるよ。2年間、楽しかったこと思い出せ。俺は楽しかったぞ」 「2年間ありがとう。俺に謝ってきたらぶっ飛ばすから」 レース後は泣き崩れた今井選手。大会後のニュースや特集番組で何十回見ても泣いてしまいます。箱根駅伝の歴史に残る名シーンになると思います! *** 往路だけでもたっぷり語ってしまいました! 明日は復路編をお届けします。お楽しみに! ★次回はいよいよ最終回!復路のこと、そして箱根駅伝を見て改めて感じたことをお伝えします!★佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」(From楓)。5月14、15日には「10th YEAR BIRTHDAY LIVE」を控える。最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
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