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2021.10.29

編集部コラム「高校で5000m15分台でも……」
編集部コラム「高校で5000m15分台でも……」

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陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第118回「高校で5000m15分台でも……」(松永貴允)

箱根駅伝予選会が終わって6日が経ちました。

いまだに予選会関連の記事がニュースになっているのを見ると、「やっぱり箱根駅伝の影響力はすごいんだなぁ」と関心してしまいます。

当日は私も現地に行き、取材させていただきました。
(昨年はメディアも入場規制があり、カメラマンしか入れなかったんです……)

通過したチームや個人で活躍した選手については月陸Onlineや月刊陸上競技の誌面で紹介するとして……私がここで紹介したいのは、大学入学まで実績の無かった選手たちの奮闘です。

予選会のリザルトを見てみると、個人上位50人のうち、高校時代の5000mベストが15分台だった選手が4人もいたのです!

25位 橋本大輝(明大4) 1.03.09 ※15.09.12
39位 諸星颯大(育英大3)1.03.34 ※15.09.99
41位 木榑杏祐(国士大4)1.03.35 ※15.27.70
45位 大川歩夢(東経大3)1.03.39 ※15.12.86
※は高校時代の5000mベスト

橋本選手は中学時代に3000mで8分46秒のタイムを持っていましたが、高校時代はケガに苦しみ、明大に一般入部した選手です。群馬出身の諸星選手と木榑選手は高校3年間のインターハイ路線はともに県大会どまり。大川選手は今年の箱根駅伝に関東学生連合の6区に出場しましたが、高校時代は5000mでの実績はありませんでした(3000m障害では東海大会進出しています)。

選手の競技力向上やシューズの進化もあり、今や高校生の5000m15分切りは年間1000人超え!(2020年実績)そんな中で、15分台から箱根駅伝出場が狙えるレベルまで成長するとなると、一体何人もの選手を『ごぼう抜き』したのでしょうか……。

近年では中大時代に箱根1区2位と好走した中山顕選手(Honda)も、高校時代のベストは15分08秒11でした。しかも、初めて15分台に突入したのは高3の春だというから驚きです。

そこから中大に準部員として入り、1年目に14分台のノルマをクリアして正部員へ昇格、2年目に14分40秒切りで選手寮へ入寮、と徐々にステップアップしていくことになります。中山選手は大学卒業前に雑誌(2019年3月号)で取り上げているので、気になる方はバックナンバーからご購入ください。

月刊陸上競技2019年3月号

こうした選手の活躍は、多くの高校生に勇気を与えていると思うのです。15分台では強豪校の推薦枠には引っかからないでしょうが、一般入部でも努力次第で箱根も夢ではないということを彼らは証明してくれています。

余談ですが、私の高校時代の5000mベストは15分43秒。10年前は今よりも記録水準が低かったことを考えると、大学までがんばれば箱根も狙えたのかな……(そんなモチベーションはなかったけど)。

そんなどうでもいい話はさておき。箱根駅伝を目指す高校生のみなさん、夢をあきらめるのはまだ早いかもしれませんよ!?

松永貴允(まつなが・たかよし)
月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ)
1991年生まれ。171cm、68kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。。。

編集部コラム第117回「データで見る箱根駅伝予選会」(大久保)
編集部コラム第116回「高校駅伝の試走にチャリ?」(井上)
編集部コラム第115回「ウエイトコントロール」(山本)
編集部コラム第114回「お別れのあいさつ」(向永)
編集部コラム第113回「TOKYO 2020の喜劇」(小川)
編集部コラム第112回「点と点のつながり」(船越)
編集部コラム第111回「裏方あっての表舞台」(松永)
編集部コラム第110回「2020東京五輪優勝記録ランキング」(大久保)
編集部コラム第109回「月陸の歴史も切り開いた田中選手」(井上)
編集部コラム第108回「特別な存在」(山本)
編集部コラム第107回「オリンピックの価値」(向永)
編集部コラム第106回「どうしても気になるどうでもいいこと」(船越)
編集部コラム第105回「東京五輪ついに開幕!!!」(小川)
編集部コラム第104回「オリンピックの思い出とインターハイ」(松永)
編集部コラム第103回「五輪メダリストのトリビア」(大久保)
編集部コラム第102回「あたたかい目」(井上)
編集部コラム第101回「4年サイクル」(山本)
編集部コラム第100回「誰がために月陸はある」(向永)
編集部コラム第99回「『9』秒台」(小川)
編集部コラム第98回「いいわけ」(船越)
編集部コラム第97回「My Privacy」(松永)
編集部コラム第96回「追い風最高記録」(大久保)
編集部コラム第95回「競技会に必要なもの」(井上)
編集部コラム第94回「メンタルトレーニング」(山本)
編集部コラム第93回「努力は報われた」(向永)
編集部コラム第92回「2年ぶりの織田記念」(小川)
編集部コラム第91回「エゴイスト」(船越)
編集部コラム第90回「あらためて100m10秒台ってすごいタイムですよね??」(松永)
編集部コラム第89回「学生競技会の華 大学対校戦!」(大久保)
編集部コラム第88回「U20世界選手権の上位候補をリサーチ!」(井上)
編集部コラム第87回「編集部コラム「郷土の応援」(山本)
編集部コラム第86回「あこがれの松田耕作記者」(向永)
編集部コラム第85回「スポーツのチカラ」(小川)
編集部コラム第84回「初心」(船越)
編集部コラム第83回「高校生にとってのインターハイ」(松永)
編集部コラム第82回「2020年世界リストTop10入り日本人選手」(大久保)
編集部コラム第81回「〝きっかけ〟の提供を」(井上)
編集部コラム第80回「一番アツい夏」(山本)
編集部コラム第79回「前向きな言葉という魔法」(向永)
編集部コラム第78回「自分なりの『答え』を探す」(小川)
編集部コラム第77回「カメラマンの箱根駅伝」(船越)
編集部コラム第76回「専門誌記者の箱根駅伝」(松永)
編集部コラム第75回「データで見る箱根駅伝当日エントリー変更」(大久保)
編集部コラム第74回「2020年を振り返って」(井上)
編集部コラム第73回「プレッシャーとの向き合い方」(山本)
編集部コラム第72回「陸上競技のイメージを変えたい」(向永)
編集部コラム第71回「2020年ラストスパート!!」(小川)
編集部コラム第70回「理不尽なこと」(船越)
編集部コラム第69回「這い上がる」(松永)
編集部コラム第68回「都道府県対抗 男子十種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第67回「都大路も高速レースの予感」(井上)
編集部コラム第66回「陸上競技を続けると……?」(山本)
編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
編集部コラム第61回「都道府県対抗 女子七種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第60回「キソの大切さ」(井上)
編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

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第118回「高校で5000m15分台でも……」(松永貴允)

箱根駅伝予選会が終わって6日が経ちました。 いまだに予選会関連の記事がニュースになっているのを見ると、「やっぱり箱根駅伝の影響力はすごいんだなぁ」と関心してしまいます。 当日は私も現地に行き、取材させていただきました。 (昨年はメディアも入場規制があり、カメラマンしか入れなかったんです……) 通過したチームや個人で活躍した選手については月陸Onlineや月刊陸上競技の誌面で紹介するとして……私がここで紹介したいのは、大学入学まで実績の無かった選手たちの奮闘です。 予選会のリザルトを見てみると、個人上位50人のうち、高校時代の5000mベストが15分台だった選手が4人もいたのです! 25位 橋本大輝(明大4) 1.03.09 ※15.09.12 39位 諸星颯大(育英大3)1.03.34 ※15.09.99 41位 木榑杏祐(国士大4)1.03.35 ※15.27.70 45位 大川歩夢(東経大3)1.03.39 ※15.12.86 ※は高校時代の5000mベスト 橋本選手は中学時代に3000mで8分46秒のタイムを持っていましたが、高校時代はケガに苦しみ、明大に一般入部した選手です。群馬出身の諸星選手と木榑選手は高校3年間のインターハイ路線はともに県大会どまり。大川選手は今年の箱根駅伝に関東学生連合の6区に出場しましたが、高校時代は5000mでの実績はありませんでした(3000m障害では東海大会進出しています)。 選手の競技力向上やシューズの進化もあり、今や高校生の5000m15分切りは年間1000人超え!(2020年実績)そんな中で、15分台から箱根駅伝出場が狙えるレベルまで成長するとなると、一体何人もの選手を『ごぼう抜き』したのでしょうか……。 近年では中大時代に箱根1区2位と好走した中山顕選手(Honda)も、高校時代のベストは15分08秒11でした。しかも、初めて15分台に突入したのは高3の春だというから驚きです。 そこから中大に準部員として入り、1年目に14分台のノルマをクリアして正部員へ昇格、2年目に14分40秒切りで選手寮へ入寮、と徐々にステップアップしていくことになります。中山選手は大学卒業前に雑誌(2019年3月号)で取り上げているので、気になる方はバックナンバーからご購入ください。 https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/3278 こうした選手の活躍は、多くの高校生に勇気を与えていると思うのです。15分台では強豪校の推薦枠には引っかからないでしょうが、一般入部でも努力次第で箱根も夢ではないということを彼らは証明してくれています。 余談ですが、私の高校時代の5000mベストは15分43秒。10年前は今よりも記録水準が低かったことを考えると、大学までがんばれば箱根も狙えたのかな……(そんなモチベーションはなかったけど)。 そんなどうでもいい話はさておき。箱根駅伝を目指す高校生のみなさん、夢をあきらめるのはまだ早いかもしれませんよ!?
松永貴允(まつなが・たかよし) 月刊陸上競技編集部 最年少編集部員(唯一の平成生まれ) 1991年生まれ。171cm、68kg、東京都三鷹市出身。小学生時代はプロを夢見る野球少年だったが、6年生の時に世界陸上パリ大会をテレビで観て陸上競技に興味を持ち、中学・高校と陸上部(長距離)に所属する。5000mの自己ベストは15分43秒67(2009年9月の日体大長距離競技会)。大学ではラクロス部の主将を務め、その後、紆余曲折を経て2015年からライターとして活動。2018年9月より月陸編集部員に転身した。飯塚翔太選手や大迫傑選手らと同い年の〝プラチナ世代〟でもある。。。
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