2021.10.22
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第117回「データで見る箱根駅伝予選会」(大久保雅文)
いよいよ明日に迫った第98回箱根駅伝予選会。正月に行われる本大会に向けて各大学が総力を上げて挑み、当落の発表時には歓喜の声や悔し涙など、多くのドラマが生まれました。
箱根駅伝予選会の歴史は1946年からスタートしました。太平洋戦争による中断の後、1947年の正月から大会が復活することになり、その前年の12月1日に「関東学生10マイル」が行われ、出場を希望する全チームが参加しています。当初は本大会に出場を希望する学校自体が少なく、ほぼ「フリーパス」のような状況でしたが、1955年には19校が予選会に参加し、上位15校が本大会に出場。翌年の本大会からシード制が設けられ、以後は今のような形となりました。
昭和期は箱根駅伝自体の人気も高くなく、予選会には誰でも出場することができました。短距離や跳躍、投てきブロックの選手もエントリーし、なんとか出場資格の10人をかき集めてレースに臨む大学も珍しくありませんでした。まだコンピューターも発達していなかったこともあり、記録の集計は電卓を使っての手計算で、集計が終わらず結果発表が大会翌日になったこともありました。
そんな牧歌的な時代はすべての記録が正式には発表されませんでしたが、チップを使った計測が始まり、1996年に行われた第73回大会の予選会以降は10人が完走したすべてのチームの記録が残っています。そこで、今回は1996年~2020年までの予選会(25大会分)の総合成績に関するデータのアレコレを紹介したいと思います。
(2002年から2012年は関東インカレポイントによる減算がされた総合成績で紹介しています)
予選会出場回数
25回 学習院大、関東学院大、慶大、国士大、筑波大、東大、東理大、平成国際大、流経大
24回 専大、防衛大、創価大
23回 上武大、東農大、立大
過去25年で予選会皆勤なのは9校。本戦でシード権を獲得すると基本的に予選会には出場できないため、箱根優勝を狙っているチームよりも本戦出場を目指しているチームが多くなります。9校のうち1度も本戦出場がないのは学習院大、東理大、流経大の3チームとなっています。
予選会突破回数
15回 神奈川大
13回 拓大
12回 城西大、国士大、日体大、専大、帝京大
11回 法大、大東大、上武大
10回 山梨学大、國學院大
9回 中央学大
8回 日大、東海大
7回 中大、明大、早大、東農大
予選会を突破し、本戦出場権を獲得した回数が最も多いのが神奈川大の15回。次いで13回の拓大、12回の5校と続きます。
予選会突破率
(カッコ内は予選会突破回数/予選会出場回数)
100% 日体大(15/15)、早大(7/7)、駒大(3/3)
93.8% 神奈川大(15/16)
90.9% 山梨学大(10/11)
88.9% 東海大(8/9)
87.5% 中大(7/8)
80.0% 帝京大(12/15)
97回大会時点において25年以上連続で本戦出場を続けている日体大、早大、駒大の3校は当然、予選会突破率は100%になります。神奈川大、山梨学大、東海大、中大といずれも上位のチームは96年以降に優勝を経験しています。
1位回数
3回 早大
2回 駒大、神奈川大、大東大、拓大、帝京大、東海大
1回 順大、上武大、城西大、中央学大、東京国際大、東農大、東洋大、日体大、日大、法大
予選会トップ通過は早大の3回が最多。ちなみに予選会1位のチームは本戦でも活躍するケースが多く、優勝2回を含め、シード権獲得は18回と高い率を誇っています。
次点回数
5回 拓大
4回 亜細亜大
3回 国士大、東農大、法大
1回 筑波大、麗澤大、日大、中大、青学大、城西大、東洋大
惜しくも次点に泣いた回数が多かったのは拓大です。関東インカレポイントが導入されていた頃はポイントで逆転されることもありました。
初出場校の足どり
帝京大(74回大会初出場)
20位→20位→20位→12位→12位→4位
國學院大(77回大会初出場)
20位→21位→19位→16位→13位→3位
平成国際大(77回大会初出場)
不出場→17位→15位→13位→10位→6位
城西大(80回大会出場)
23位→23位→22位→記録なし→11位→8位
上武大(85回大会出場)
22位→19位→16位→13位→13位→3位
創価大(91回大会出場)
18位→16位→16位→14位→19位→10位
東京国際大(92回大会出場)
不出場→不出場→21位→17位→13位→9位
96年の72回大会以降で初出場を果たしたのは7校。注目すべきは前年から大きくジャンプアップして初出場を決めたチームが多い事です。また、10年以上の本戦不出場から復帰している81回明大(12位→3位)、96回筑波大(17位→6位)も似た傾向にあります。
明日の予選会は9時35分スタート。残念ながら今年も無観客で行われますが、私もテレビの前で選手を応援したいと思います。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場 |
編集部コラム第116回「高校駅伝の試走にチャリ?」(井上)
編集部コラム第115回「ウエイトコントロール」(山本)
編集部コラム第114回「お別れのあいさつ」(向永)
編集部コラム第113回「TOKYO 2020の喜劇」(小川)
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編集部コラム第110回「2020東京五輪優勝記録ランキング」(大久保)
編集部コラム第109回「月陸の歴史も切り開いた田中選手」(井上)
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編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
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編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
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編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
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編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
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編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
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編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
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編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第117回「データで見る箱根駅伝予選会」(大久保雅文)
いよいよ明日に迫った第98回箱根駅伝予選会。正月に行われる本大会に向けて各大学が総力を上げて挑み、当落の発表時には歓喜の声や悔し涙など、多くのドラマが生まれました。 箱根駅伝予選会の歴史は1946年からスタートしました。太平洋戦争による中断の後、1947年の正月から大会が復活することになり、その前年の12月1日に「関東学生10マイル」が行われ、出場を希望する全チームが参加しています。当初は本大会に出場を希望する学校自体が少なく、ほぼ「フリーパス」のような状況でしたが、1955年には19校が予選会に参加し、上位15校が本大会に出場。翌年の本大会からシード制が設けられ、以後は今のような形となりました。 昭和期は箱根駅伝自体の人気も高くなく、予選会には誰でも出場することができました。短距離や跳躍、投てきブロックの選手もエントリーし、なんとか出場資格の10人をかき集めてレースに臨む大学も珍しくありませんでした。まだコンピューターも発達していなかったこともあり、記録の集計は電卓を使っての手計算で、集計が終わらず結果発表が大会翌日になったこともありました。 そんな牧歌的な時代はすべての記録が正式には発表されませんでしたが、チップを使った計測が始まり、1996年に行われた第73回大会の予選会以降は10人が完走したすべてのチームの記録が残っています。そこで、今回は1996年~2020年までの予選会(25大会分)の総合成績に関するデータのアレコレを紹介したいと思います。 (2002年から2012年は関東インカレポイントによる減算がされた総合成績で紹介しています)予選会出場回数
25回 学習院大、関東学院大、慶大、国士大、筑波大、東大、東理大、平成国際大、流経大 24回 専大、防衛大、創価大 23回 上武大、東農大、立大 過去25年で予選会皆勤なのは9校。本戦でシード権を獲得すると基本的に予選会には出場できないため、箱根優勝を狙っているチームよりも本戦出場を目指しているチームが多くなります。9校のうち1度も本戦出場がないのは学習院大、東理大、流経大の3チームとなっています。予選会突破回数
15回 神奈川大 13回 拓大 12回 城西大、国士大、日体大、専大、帝京大 11回 法大、大東大、上武大 10回 山梨学大、國學院大 9回 中央学大 8回 日大、東海大 7回 中大、明大、早大、東農大 予選会を突破し、本戦出場権を獲得した回数が最も多いのが神奈川大の15回。次いで13回の拓大、12回の5校と続きます。予選会突破率
(カッコ内は予選会突破回数/予選会出場回数) 100% 日体大(15/15)、早大(7/7)、駒大(3/3) 93.8% 神奈川大(15/16) 90.9% 山梨学大(10/11) 88.9% 東海大(8/9) 87.5% 中大(7/8) 80.0% 帝京大(12/15) 97回大会時点において25年以上連続で本戦出場を続けている日体大、早大、駒大の3校は当然、予選会突破率は100%になります。神奈川大、山梨学大、東海大、中大といずれも上位のチームは96年以降に優勝を経験しています。1位回数
3回 早大 2回 駒大、神奈川大、大東大、拓大、帝京大、東海大 1回 順大、上武大、城西大、中央学大、東京国際大、東農大、東洋大、日体大、日大、法大 予選会トップ通過は早大の3回が最多。ちなみに予選会1位のチームは本戦でも活躍するケースが多く、優勝2回を含め、シード権獲得は18回と高い率を誇っています。次点回数
5回 拓大 4回 亜細亜大 3回 国士大、東農大、法大 1回 筑波大、麗澤大、日大、中大、青学大、城西大、東洋大 惜しくも次点に泣いた回数が多かったのは拓大です。関東インカレポイントが導入されていた頃はポイントで逆転されることもありました。初出場校の足どり
帝京大(74回大会初出場) 20位→20位→20位→12位→12位→4位 國學院大(77回大会初出場) 20位→21位→19位→16位→13位→3位 平成国際大(77回大会初出場) 不出場→17位→15位→13位→10位→6位 城西大(80回大会出場) 23位→23位→22位→記録なし→11位→8位 上武大(85回大会出場) 22位→19位→16位→13位→13位→3位 創価大(91回大会出場) 18位→16位→16位→14位→19位→10位 東京国際大(92回大会出場) 不出場→不出場→21位→17位→13位→9位 96年の72回大会以降で初出場を果たしたのは7校。注目すべきは前年から大きくジャンプアップして初出場を決めたチームが多い事です。また、10年以上の本戦不出場から復帰している81回明大(12位→3位)、96回筑波大(17位→6位)も似た傾向にあります。 明日の予選会は9時35分スタート。残念ながら今年も無観客で行われますが、私もテレビの前で選手を応援したいと思います。大久保雅文(おおくぼ・まさふみ)
月刊陸上競技編集部
1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場 |
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