2021.10.04
駅伝シーズンを前に千葉県富津市で選抜合宿を行った東海大
学生三大駅伝が10月10日の出雲でいよいよ開幕する。昨年は出雲が中止となったため、三大駅伝がすべて開催となれば2年ぶり。2017年の出雲駅伝優勝校で、19年には正月決戦と全日本大学駅伝を制している東海大は、駅伝シーズン開幕戦にどのように挑むのか。
前期は2年生が台頭
出雲駅伝を前に、千葉県富津市で行った9月下旬の選抜合宿。東海大の両角速駅伝監督は今年のチームについてこう語った。
「昨年までは人材が豊富だったので“ふるいにかけるようなやり方”だったのですが、今は限られた戦力を生かしていくしかないので、個々を引き上げるトレーニングにシフトしています」
今季前半戦は2年生エースの石原翔太郎が快走し、5月に5000m13分30秒98(U20日本歴代3位)、10000m28分05秒91(U20日本歴代2位)と好記録を連発。「故障なく過ごせたのが大きかった」と話す4年生の市村朋樹も4月に10000mで28分03秒37、7月には5000mでも13分37秒50と、自己記録を大きく縮めた。
石原以外の2年生も頭角を現し、4月には松尾昂来が10000mで28分21秒80。溝口仁は日本選手権の1500mで7位に入賞すると、7月には5000mでも13分49秒60をマークした。
1500mを得意としながらも、この夏は駅伝でのメンバー入りを目指して距離を踏んだ溝口について両角監督は「苦手な走り込みなど、良い時も悪い時も本人なりに粘って練習を積んできました」と評価。石原と同じく兵庫県たつの市出身の松尾は「出雲で走りたい区間は3区。他校のエースと勝負して今の自分の実力を知れたらと思っています」と大学駅伝デビューをイメージしている。
出雲駅伝に向けて闘志を燃やす松尾昂来、市村朋樹、本間敬大(手前から)
合宿では上級生がチームを鼓舞
若い戦力の台頭が光る一方で、駅伝主将の本間敬大(4年)は今年の夏合宿で自身を含めた上級生の手応えを感じている。
「自分や市村などの4年生が練習を引っ張れていますし、今まで故障が多かった3年生の松崎咲人の状態が良いので楽しみです。出雲ではアンカー(6区)を走りたい。失敗を恐れない走りがしたいです」
市村はじっくりと長い距離を走り込んだことで、スピードとスタミナのバランスがうまく取れていると感じている。
「距離を踏むことへの抵抗が少なくなり、良い練習ができました。昨年は秋に1500mの試合があったので走行距離が少なめでしたが、今年は8月下旬に右腓骨腱筋炎で1週間ほど練習を離脱しても8月の走行距離が700km後半と、去年より300kmほど増やせました。出雲は得意なスピードレースなので前半区間でしっかりと勝負したいです」
チームただ1人の出雲駅伝経験者である市村朋樹。持ち味のスピードにスタミナが加わり、チームのエース格に成長した
今年の夏合宿は例年よりも距離を踏むことを重視。7、8月の走行距離は故障していた長田駿佑(4年)以外は選抜メンバーの全員が昨年を上回ったという。
「全体的には本間と市村がよく練習できています。あとは合宿後半に調子を上げてきた佐伯陽生(2年)や溝口、松尾、1年生の水野龍志や徳丸寛太もコンスタントに練習をやってきています」(両角監督)
出雲駅伝は市村以外のメンバーは初出場となるが、指揮官はどんなビジョンを描いているのか。
「後半区間で追い上げる力はないので、走力順に並べるのか、それとも調子の良い選手を使うのか。例年より力が不足しているのは自覚していますが、どこかで区間賞を取る選手が1人でも出てくれば成果があるのかなと思っています」
石原は5月下旬から腰を痛め、夏場のトレーニングも「ペース走まで」(両角監督)と本調子ではない。エースに頼れない分、成功もしくは失敗、どちらに転ぼうともチームにとっては経験を積む良い機会となるだろう。
この夏は走行距離が大幅に増加。長い距離に自信をつけている
『inゼリー』がトレーニングを後押し
東海大駅伝チームは今季から森永製菓株式会社とロゴ掲出契約を締結。選手たちはユニフォームに『inゼリー』のロゴをつけて試合に臨むことになる。森永製菓は出雲駅伝と全日本大学駅伝に特別協賛するなど、スポーツへの支援を拡大させている。
東海大では練習前の『inゼリー エネルギー』、練習後の『inゼリー プロテイン』の摂取が定着。距離走やインターバルなどの高負荷トレーニングの時はもちろん、ジョグの時でも選手は時折、これらの製品を活用しているという。
東海大はユニフォームの右胸に『inゼリー』のロゴをつけて三大駅伝に臨む
「今年の夏は4年間で一番走り込んだ」と言う本間は、疲労が蓄積する合宿後半での『inゼリー』の存在の大きさを挙げた。
「合宿の後半で疲れが出てきてから練習が消化できないことも多かったのですが、練習直後に『inゼリー プロテイン』で素早く栄養素を摂ることで良いリカバリーにつながります。故障者が比較的減っているのはチームとしても感じています」
また、『inゼリー エネルギー』は練習前だけでなく、距離走の途中で飲むなどさまざまなシーンで使用されている。市村は「自分は走りが大きくエネルギーを多く消費するので、プロテインだけでなく高負荷練習の前後には『inゼリー エネルギー』も飲んでいます」と話す。
両角監督は「『inゼリー』を積極的に活用したこともあって、距離走でもエネルギー切れの離脱者はいなかった」と絶大な信頼を置いている。充実した夏合宿を終えた選手たちは出雲路で一体どんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。
東海大がinゼリーを選ぶ理由として「信頼性」を挙げる両角速駅伝監督
選手たちが練習の前後などに活用している森永製菓の『inゼリー エネルギー』
文/河原井 司
写真/樋口俊秀
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前期は2年生が台頭
出雲駅伝を前に、千葉県富津市で行った9月下旬の選抜合宿。東海大の両角速駅伝監督は今年のチームについてこう語った。 「昨年までは人材が豊富だったので“ふるいにかけるようなやり方”だったのですが、今は限られた戦力を生かしていくしかないので、個々を引き上げるトレーニングにシフトしています」 今季前半戦は2年生エースの石原翔太郎が快走し、5月に5000m13分30秒98(U20日本歴代3位)、10000m28分05秒91(U20日本歴代2位)と好記録を連発。「故障なく過ごせたのが大きかった」と話す4年生の市村朋樹も4月に10000mで28分03秒37、7月には5000mでも13分37秒50と、自己記録を大きく縮めた。 石原以外の2年生も頭角を現し、4月には松尾昂来が10000mで28分21秒80。溝口仁は日本選手権の1500mで7位に入賞すると、7月には5000mでも13分49秒60をマークした。 1500mを得意としながらも、この夏は駅伝でのメンバー入りを目指して距離を踏んだ溝口について両角監督は「苦手な走り込みなど、良い時も悪い時も本人なりに粘って練習を積んできました」と評価。石原と同じく兵庫県たつの市出身の松尾は「出雲で走りたい区間は3区。他校のエースと勝負して今の自分の実力を知れたらと思っています」と大学駅伝デビューをイメージしている。 出雲駅伝に向けて闘志を燃やす松尾昂来、市村朋樹、本間敬大(手前から)合宿では上級生がチームを鼓舞
若い戦力の台頭が光る一方で、駅伝主将の本間敬大(4年)は今年の夏合宿で自身を含めた上級生の手応えを感じている。 「自分や市村などの4年生が練習を引っ張れていますし、今まで故障が多かった3年生の松崎咲人の状態が良いので楽しみです。出雲ではアンカー(6区)を走りたい。失敗を恐れない走りがしたいです」 市村はじっくりと長い距離を走り込んだことで、スピードとスタミナのバランスがうまく取れていると感じている。 「距離を踏むことへの抵抗が少なくなり、良い練習ができました。昨年は秋に1500mの試合があったので走行距離が少なめでしたが、今年は8月下旬に右腓骨腱筋炎で1週間ほど練習を離脱しても8月の走行距離が700km後半と、去年より300kmほど増やせました。出雲は得意なスピードレースなので前半区間でしっかりと勝負したいです」 チームただ1人の出雲駅伝経験者である市村朋樹。持ち味のスピードにスタミナが加わり、チームのエース格に成長した 今年の夏合宿は例年よりも距離を踏むことを重視。7、8月の走行距離は故障していた長田駿佑(4年)以外は選抜メンバーの全員が昨年を上回ったという。 「全体的には本間と市村がよく練習できています。あとは合宿後半に調子を上げてきた佐伯陽生(2年)や溝口、松尾、1年生の水野龍志や徳丸寛太もコンスタントに練習をやってきています」(両角監督) 出雲駅伝は市村以外のメンバーは初出場となるが、指揮官はどんなビジョンを描いているのか。 「後半区間で追い上げる力はないので、走力順に並べるのか、それとも調子の良い選手を使うのか。例年より力が不足しているのは自覚していますが、どこかで区間賞を取る選手が1人でも出てくれば成果があるのかなと思っています」 石原は5月下旬から腰を痛め、夏場のトレーニングも「ペース走まで」(両角監督)と本調子ではない。エースに頼れない分、成功もしくは失敗、どちらに転ぼうともチームにとっては経験を積む良い機会となるだろう。 この夏は走行距離が大幅に増加。長い距離に自信をつけている『inゼリー』がトレーニングを後押し
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