2019.08.23
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム??
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保雅文)
月陸編集部リレーコラムですが、陸上競技のリレーとは異なり5人目の登場です。
5人目を担当する大久保雅文です。細かいプロフィールはページの最後を見ていただくとして、早速本題に入りましょう。
自分は陸上競技だけでなく、野球やテニス、ラグビーなどさまざまなスポーツを観戦するのが趣味で、雑誌の巻末の「編集後記」でもたびたび他の競技を引き合いに出しながら書いてきました。世の中にはいろんなスポーツがありますが、陸上競技は他のスポーツとは違い、ボールやバット、ラケットを使わず、選手の身体1つで勝負する競技です(もちろん棒高跳という例外もありますが)。勝負を左右する要素として選手の身体能力が占める割合が高く、少し誇張して書けば「陸上競技で全国大会入賞する選手は他のスポーツでも活躍できる可能性も高い」とも言えます。
実際に陸上競技から他のスポーツに転向して活躍する選手や、他のスポーツと平行しながら体力強化のために陸上競技に取り組み、全国大会で活躍する選手はたくさんいます。その中には来年の東京オリンピックでも活躍が期待される選手も少なくありません。そこで、今回は他競技でがんばる陸上競技経験者を紹介しましょう。
陸上競技経験者が多いスポーツとして知られるのが競輪です。「世界のナカノ」として知られ世界選手権10連覇を果たした中野浩一さんも1972年山形インターハイの男子4×100mリレーの優勝メンバーでした。2004年アテネ五輪の男子チームスプリントで銀メダルを獲得した井上昌己選手は全国高校選手権八種競技のチャンピオン。09年に賞金王に輝いた海老根恵太選手は95年の鳥取インターハイ110mハードルの優勝者で、のちに日本高校タイ記録もマークしました。ほかにも砲丸投の髙久保雄介選手、ハンマー投の野口裕史選手、十種競技の染谷幸喜選手といった、陸上競技で全国大会優勝経験のある選手が、競輪のトップクラスに位置づけられるS級で活躍しています。
プロ野球選手の場合は、野球を軸に活動しながら中学校の部活動で陸上競技に取り組むケースが多く、「陸上競技出身者」と言うより「二刀流」に近いですが、全国大会で活躍した選手がいます。現在、楽天イーグルスに所属する藤平尚真投手は走高跳選手として2013年のジュニアオリンピックで優勝、全中では2位入賞。昨年、高校野球で甲子園を沸かせた根尾昂選手(中日ドラゴンズ)も全国小学生陸上100mで5位入賞を果たしています。
格闘技に進んだ選手もいます。2011年の奈良全中で1500m、3000mの2種目に入賞した平岡アンディ選手は横浜高校時代にプロボクサーとしてデビュー。プロデビュー後、14戦して14勝無敗、スーパーライト級の日本ランキング4位につけるなど、有力なホープとして期待されています。プロレス団体「DDT」の若きエースとして活躍する竹下幸之介選手は2010年ジュニア五輪砲丸投で7位入賞の実績を持っています。
女子ではバスケットボールの渡嘉敷来夢選手が小学生時代に走高跳で全国優勝しています。また、7人制ラグビーでは2016年の岡山インターハイ七種競技6位の大竹風美子選手が日本代表候補となっています。両競技とも東京五輪の出場が決まっており、今後の活躍から目が離せません。
海外では陸上競技と他のスポーツを兼ねるケースがよく見られます。米国ではやはりアメフト(NFL)です。学生時代は春から夏にかけて陸上や野球をプレーし、秋から冬にかけてはアメフトに専念する選手は珍しくありません。かつては1964年東京五輪100m金メダリストのボブ・ヘイズもNFLでプレーしました。最近ではカンザスシティ・チーフスのWR(ワイドレシーバー/とにかく走ってボールをキャッチすることが多いポジション)のタイリーク・ヒル選手は2012年世界ジュニア選手権男子200mで銅メダルを獲得しています。また、エストニア出身のマーガス・ハント選手は2006年の世界ジュニア選手権で砲丸投、円盤投の2冠を達成。その後、米国の大学に進みますが、そこでアメフトに出会い陸上競技から転向しました。
英国のトライアスロン選手のアレックス・イー選手はランニングを得意とし、10000mの公認ベストはなんと27分51秒94。陸上の英国代表として欧州選手権にも出場する一方、先日、東京・お台場で行われたトライアスロンの東京五輪プレ大会では銀メダルも獲得し、本番でのメダルも期待されています。
このように、陸上競技を経験したアスリートが他競技で活躍することは多いです。来年の東京五輪では33競技339種目が行われますが、陸上競技出身のアスリートを探して応援するのも楽しいかもしれません。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)。大学入学と同じくして月刊陸上競技編集部にアルバイトとして採用、そのまま就職して今に至る。 |
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永拓史)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川雅生)
第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保雅文)
月陸編集部リレーコラムですが、陸上競技のリレーとは異なり5人目の登場です。 5人目を担当する大久保雅文です。細かいプロフィールはページの最後を見ていただくとして、早速本題に入りましょう。 自分は陸上競技だけでなく、野球やテニス、ラグビーなどさまざまなスポーツを観戦するのが趣味で、雑誌の巻末の「編集後記」でもたびたび他の競技を引き合いに出しながら書いてきました。世の中にはいろんなスポーツがありますが、陸上競技は他のスポーツとは違い、ボールやバット、ラケットを使わず、選手の身体1つで勝負する競技です(もちろん棒高跳という例外もありますが)。勝負を左右する要素として選手の身体能力が占める割合が高く、少し誇張して書けば「陸上競技で全国大会入賞する選手は他のスポーツでも活躍できる可能性も高い」とも言えます。 実際に陸上競技から他のスポーツに転向して活躍する選手や、他のスポーツと平行しながら体力強化のために陸上競技に取り組み、全国大会で活躍する選手はたくさんいます。その中には来年の東京オリンピックでも活躍が期待される選手も少なくありません。そこで、今回は他競技でがんばる陸上競技経験者を紹介しましょう。 陸上競技経験者が多いスポーツとして知られるのが競輪です。「世界のナカノ」として知られ世界選手権10連覇を果たした中野浩一さんも1972年山形インターハイの男子4×100mリレーの優勝メンバーでした。2004年アテネ五輪の男子チームスプリントで銀メダルを獲得した井上昌己選手は全国高校選手権八種競技のチャンピオン。09年に賞金王に輝いた海老根恵太選手は95年の鳥取インターハイ110mハードルの優勝者で、のちに日本高校タイ記録もマークしました。ほかにも砲丸投の髙久保雄介選手、ハンマー投の野口裕史選手、十種競技の染谷幸喜選手といった、陸上競技で全国大会優勝経験のある選手が、競輪のトップクラスに位置づけられるS級で活躍しています。[caption id="attachment_4114" align="aligncenter" width="238"] 井上昌己選手[/caption] | [caption id="attachment_4115" align="aligncenter" width="400"] 海老根恵太選手[/caption] |
[caption id="attachment_4116" align="aligncenter" width="266"] 藤平尚真選手[/caption] | [caption id="attachment_4117" align="aligncenter" width="267"] 根尾昂選手[/caption] |
[caption id="attachment_4118" align="aligncenter" width="266"] 平岡アンディ選手[/caption] | [caption id="attachment_4119" align="aligncenter" width="267"] 竹下幸之介選手[/caption] |
[caption id="attachment_4120" align="aligncenter" width="268"] 渡嘉敷来夢選手[/caption] | [caption id="attachment_4121" align="aligncenter" width="267"] 大竹風美子選手[/caption] |
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)。大学入学と同じくして月刊陸上競技編集部にアルバイトとして採用、そのまま就職して今に至る。 |
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会