写真/時事
◇東京五輪(7月30日~8月8日/国立競技場)陸上競技4日目
陸上競技4日目のイブニングセッション、女子5000m決勝が行われ、20歳の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が14分52秒84をマーク。福士加代子(ワコール)が2005年に樹立した14分53秒22の日本記録を16年ぶりに更新し、入賞まであと一歩に迫る9位と健闘した。
3000m過ぎにトレードマークの帽子を投げ捨てた。「(帽子は)自分のモチベーションなので取りたくなかったのですが、“ここからだ”と噛みしめて走りました」。これまでの自分の殻を破るためのスイッチを入れる合図だった。
1600m付近まで先頭に行ったが、10番手まで後退。「3000m、4000mまでは食らいつけましたが、残り1000mでギアが替わった時は対応できなかった」。それでも、「最後まで何が何でもあきらめず、ラスト1周は何とか食らいつこうと腕を振りました」。
入賞ラインからは差があった。だが、決してあきらめない走りを見せ、あのレジェンド・福士加代子の記録を大舞台で塗り替えてみせた。
「まずはこの決勝に残って、笑顔でスタートラインに立てたことが何より。いろんな方々の支えで日本記録を樹立できました。自分にとって前進だと思います」
ここまで来るまで「いろいろなことを学び、経験となり、プラスにできた」と廣中。1年延期したことで「10000mと2種目に挑戦できた」。昨年12月の日本選手権ではこだわりの強い5000mで田中希実(豊田自動織機TC)に敗れて2位となり即時内定は得られず涙を流した。
だが、今年5月にはキャリア2戦目で10000mの代表権を獲得。翌月には5000mでも代表に。「五輪前もメンタル的に波があった」と漏らすが、これらの経験を「全部プラスにできた」のが成長の証だった。
長崎・桜が原中時代に、駅伝で一躍脚光を浴び、全国都道府県女子駅伝では中3から実業団1年目の2020年まで5年連続区間賞。どんな時もお守り代わりにキャップを被っていた。
「監督、陸連の方々、家族、(鈴木)亜由子さん、たくさんの方々に励ましの言葉、勇気をいただきました」
10000m決勝は8月7日、19時45分。「自分のスタイルを崩すことなく、どんな時でも気持ちで負けないというスタイルでいきたい」。20歳の東京五輪は、まだ終わらない。
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