2021.06.21
◇第53回全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会(6月19日/神奈川・相模原ギオンスタジアム)
名門・中大が5位通過で9年ぶりの伊勢路キップをつかんだ。
日本選手権5000mを控えている吉居大和(2年)と10000m28分15秒40の千守倫央(4年)を外しながら、エントリー10000mの合計タイムはトップ。選考会にはエース格の森凪也(4年)も起用せず、「飛車角抜き」の布陣で戦った。
それでも「1・2組で上位につけて、優位に進めたい」という藤原正和駅伝監督の思惑通りにレースは進む。選手たちには「10番以内に入ること」を目標にさせただけでなく、「自分たちでレースを動かす」ことも指示していた。
國學院大・中西大翔(3年)が飛び出した1組は5000m過ぎから中大勢が2位集団を牽引。助川拓海(3年)が6着(29分42秒41)、 手島駿(4年)が7着(29分42秒91)でフィニッシュした。2組は終盤トップ争いを演じた阿部陽樹(1年)と若林陽大(3年)が2着(30分02秒73)と4着(30分04秒64)に食い込み、2組終了時で総合トップに立った。
3組は中野翔太(2年)が11着(29分27秒92)に入るも、 東海林宏一(1年)が35着(30分15秒16)と苦しんだ。それでも9人のケニア人留学生が参戦した最終4組を三浦拓朗(4年)が13着(28分58秒51)、園木大斗(2年)が17着(29分03秒33)でカバー。ようやく鬼門を突破した。
「9年ぶりの通過ということで、個人的には安堵しています。吉居、森、千守の3本を欠いての選考会でしたので、選手たちには『飛車角抜きで通ったらカッコいいよ』という話をしていました。三浦には『王将だよ』と言って送り出しましたが、目標通り28分台でしっかり走ってくれましたね」(藤原監督)
今回は“王将”を務めた三浦は、「主力3人がいなくても、力があることを証明できた。自分たちの学年でひとつ新しい流れを作ることができたので、今後はさらに気持ちを上げて挑むことができると思います。もっと強くなっていきたいです」とさわやかな笑顔を見せた。
長距離チームは関東インカレに合わせることなく、この日の戦いにピークを持ってきた。主力3人を欠きながら、過去に何度も苦汁を飲まされてきた選考会を突破したことは大きな自信になったことだろう。
「箱根駅伝の予選会もあるので、ターンオーバー制ではないですけど、うまく戦力を振り分けて、全日本に臨みたい。出るからにはシード権をしっかり取りたいなと思っています。3人が戻ってきたときに、誰を選ぶのか迷わせてくれるのを楽しみにしています」(藤原監督)
学生長距離界で数々の栄光を重ねてきた超名門の新たな歴史が動き出した。
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