HOME バックナンバー
【誌面転載】Countdown TOKYO 2020 橋岡優輝
【誌面転載】Countdown TOKYO 2020 橋岡優輝

Countdown TOKYO 2020 橋岡優輝 (日大)

20歳の年、必ずや歴史を塗り替える!
8m25の「日本記録」突破まで秒読み

 昨年のU20世界選手権チャンピオン・男子走幅跳の橋岡優輝(日大)が、1月23日に20歳の誕生日を迎えた。成人したことに「特別の感慨はない」と言うが、いよいよシニアの舞台でたぐいまれな才能を開花させていく時期。大学4年で地元・東京五輪と、選手としての巡り合わせはこの上なく幸運で、オリンピックでは「8m50を跳んでメダルを」と夢をふくらませる。

 昨シーズンは日本選手権で出した自己ベストの8m09(+1.2)を筆頭に、公認で8m台を4度。森長正樹コーチが8m25(+1.6)の日本記録を樹立したのが27年前、まさに日大3年の時(1992年)で、同じく3年になる今シーズン、橋岡はあっさりとそのラインを超えてしまいそうな予感が──。

冬季の課題は基礎体力のアップ

 話が急にまとまって、橋岡優輝(日大)は2月1日、慌ただしく機上の人となった。向かったのは米国フロリダ州デイトナビーチ。男子走幅跳で2004年のアテネ五輪金メダル、世界選手権では4度の優勝経験があるドワイト・フィリップス氏(米国、41歳)が、橋岡の練習を見てくれるという。自己ベストは2009年に出した8m74(世界歴代5位タイ)で、橋岡を指導する日大の森長正樹コーチによると「助走のリズムが橋岡と共通する」のだそうだ。

 昨年の冬は、やはりフロリダのIMGアカデミーへ単身で乗り込み、修行を積んできた。今回も「ホームシックになるかな」と口では言うものの、まずは2月17日までの短期合宿で、大きな不安はない。8m25の日本記録を持つ森長コーチ自身、学生時代から米国へ何度も行き、この種目で五輪4連覇(84年ロサンゼルス~96年アトランタ)の偉業を誇るカール・ルイスを育てたトム・テレツ氏の指導を受けてきた経緯がある。「技術的にどうこうというより、世界で活躍した人のところで練習をしてくれば、得るものは大きい」と考えている。

「先週まできつい練習の期間だったので、今週、来週は疲れを取る週として、気分転換を兼ねて行かせます」と森長コーチ。グローバルスタンダードの選手育成へ、「かわいい子には旅をさせよ」だろうか。ただ、これも「橋岡だから心配なく外へ出せる」という面はあるようだ。技術的に多少崩れて帰ってきても「直せばいいので」と、森長コーチがそれを意に介する様子はない。

 アメリカへ出発する数日前、東京・世田谷区にある日大グラウンドへ行くと、橋岡はチームメイトと談笑しながら補強運動や走ドリルをこなしていた。前の週には400m+300m+200m×2セットなど、かなりきつめの練習が入っていたようだが、「冬季トレーニングはかなり順調です」と、師弟ともども納得の表情。昨年と同様、冬季の課題は「基礎体力のアップ」で、「週に2~3回は走っている」そうだ。

ウエイトトレーニングは、まだ「ボチボチ」の段階。それでも、年末にハイクリーンで130kgを挙げるなど、筋力もついてきている。「4kgの砲丸で、フロント投げが20~21m、バック投げだと23~24m。これは僕の全盛期以上ですよ」と笑いながら話す森長コーチ。「走るのは速いし、パワーがあるし、技術もうまいし、記録が出る時は(8m)25どころじゃなくて、30 ~ 40行くと思いますよ」と、橋岡の大躍進に日本記録保持者が太鼓判を押している。

※この続きは2019年2月14日発売の『月刊陸上競技』3月号をご覧ください

Countdown TOKYO 2020 橋岡優輝 (日大)

20歳の年、必ずや歴史を塗り替える! 8m25の「日本記録」突破まで秒読み

 昨年のU20世界選手権チャンピオン・男子走幅跳の橋岡優輝(日大)が、1月23日に20歳の誕生日を迎えた。成人したことに「特別の感慨はない」と言うが、いよいよシニアの舞台でたぐいまれな才能を開花させていく時期。大学4年で地元・東京五輪と、選手としての巡り合わせはこの上なく幸運で、オリンピックでは「8m50を跳んでメダルを」と夢をふくらませる。  昨シーズンは日本選手権で出した自己ベストの8m09(+1.2)を筆頭に、公認で8m台を4度。森長正樹コーチが8m25(+1.6)の日本記録を樹立したのが27年前、まさに日大3年の時(1992年)で、同じく3年になる今シーズン、橋岡はあっさりとそのラインを超えてしまいそうな予感が──。

冬季の課題は基礎体力のアップ

 話が急にまとまって、橋岡優輝(日大)は2月1日、慌ただしく機上の人となった。向かったのは米国フロリダ州デイトナビーチ。男子走幅跳で2004年のアテネ五輪金メダル、世界選手権では4度の優勝経験があるドワイト・フィリップス氏(米国、41歳)が、橋岡の練習を見てくれるという。自己ベストは2009年に出した8m74(世界歴代5位タイ)で、橋岡を指導する日大の森長正樹コーチによると「助走のリズムが橋岡と共通する」のだそうだ。  昨年の冬は、やはりフロリダのIMGアカデミーへ単身で乗り込み、修行を積んできた。今回も「ホームシックになるかな」と口では言うものの、まずは2月17日までの短期合宿で、大きな不安はない。8m25の日本記録を持つ森長コーチ自身、学生時代から米国へ何度も行き、この種目で五輪4連覇(84年ロサンゼルス~96年アトランタ)の偉業を誇るカール・ルイスを育てたトム・テレツ氏の指導を受けてきた経緯がある。「技術的にどうこうというより、世界で活躍した人のところで練習をしてくれば、得るものは大きい」と考えている。 「先週まできつい練習の期間だったので、今週、来週は疲れを取る週として、気分転換を兼ねて行かせます」と森長コーチ。グローバルスタンダードの選手育成へ、「かわいい子には旅をさせよ」だろうか。ただ、これも「橋岡だから心配なく外へ出せる」という面はあるようだ。技術的に多少崩れて帰ってきても「直せばいいので」と、森長コーチがそれを意に介する様子はない。  アメリカへ出発する数日前、東京・世田谷区にある日大グラウンドへ行くと、橋岡はチームメイトと談笑しながら補強運動や走ドリルをこなしていた。前の週には400m+300m+200m×2セットなど、かなりきつめの練習が入っていたようだが、「冬季トレーニングはかなり順調です」と、師弟ともども納得の表情。昨年と同様、冬季の課題は「基礎体力のアップ」で、「週に2~3回は走っている」そうだ。 ウエイトトレーニングは、まだ「ボチボチ」の段階。それでも、年末にハイクリーンで130kgを挙げるなど、筋力もついてきている。「4kgの砲丸で、フロント投げが20~21m、バック投げだと23~24m。これは僕の全盛期以上ですよ」と笑いながら話す森長コーチ。「走るのは速いし、パワーがあるし、技術もうまいし、記録が出る時は(8m)25どころじゃなくて、30 ~ 40行くと思いますよ」と、橋岡の大躍進に日本記録保持者が太鼓判を押している。 ※この続きは2019年2月14日発売の『月刊陸上競技』3月号をご覧ください

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.23

連覇目指す積水化学・山本有真「いい流れを作りたい」 資生堂・五島莉乃「チームのために最大限の走りを」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回優勝チームの積水化学からは2年連続で2区に登録された山本有真が出席。「去年の […]

NEWS パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

パリ五輪マラソン6位の第一生命グループ・鈴木優花 1区登録に「殻を破りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 今夏のパリ五輪マラソンで6位入賞を果たした第一生命グループ・鈴木優花は、「マラソ […]

NEWS 約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

2024.11.23

約1年ぶり復帰のJP日本郵政グループ・廣中璃梨佳「感謝の気持ちを胸に走りたい」/クイーンズ駅伝前日会見

11月24日に開催される第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024)を前に、有力チームの選手たちが前日会見に臨んだ。 前回2位のJP日本郵政グループからは廣中璃梨佳が登壇。廣中は昨年12月の日本選手 […]

NEWS クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に

2024.11.23

クイーンズ駅伝の区間オーダー発表!5区で積水化学・新谷仁美、日本郵政・鈴木亜由子、資生堂・一山麻緒が対決! 第一生命・鈴木優花は1区に

第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城2024/11月24日)の前日となる11月23日、区間エントリーが行われ、出場する24チームのオーダーが発表された。 前回2年ぶりの優勝を飾った積水化学は、3区(1 […]

NEWS 強豪が激突!明日は東海と近畿で開催 年末の都大路出場校がすべて決まる/地区高校駅伝

2024.11.23

強豪が激突!明日は東海と近畿で開催 年末の都大路出場校がすべて決まる/地区高校駅伝

全国高校駅伝(12月22日/京都)の出場権を懸けた地区高校駅伝は明日11月24日、東海と近畿で行われる。今年の地区高校駅伝はこの2大会をもってすべて終了し、全国大会に出場する男女計116チームがすべて決まることになる。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top