5月9日、国立競技場で行われる東京五輪のテストイベント「READY STEADY TOKYO」(併催:世界陸連コンチネンタルツアー・ゴールド)を前日に控え、前日会見に男子短距離の桐生祥秀(日本生命)、女子中長距離の田中希実(豊田自動織機TC)、新谷仁美(積水化学)、女子100mハードルの寺田明日香(ジャパンクリエイト)の4選手が臨んだ。
寺田は第一声で「大変な状況の中で開催してくださって感謝を申し上げます」と、緊急事態宣言が発出された中で無観客での競技会開催への感謝の言葉を述べた。
1500mに出場する田中と5000mに出場する新谷はそれぞれ「日本記録」をターゲットに掲げる。田中は昨年、国立競技場で行われたセイコーゴールデングランプリで4分05秒27の日本記録を樹立。「昨年は無心になって走った結果、日本記録が出た。タイムより集中力を高められるように気持ちを持って行きたい」と語る。新谷は「(五輪代表に決まっている)10000mで世界と戦うために日本記録を狙う。1周70秒から71秒で押していき、課題のラストで勝負したい」と言う。寺田は「オリンピックと同じような導線、環境。オリンピック参加標準記録12秒84を目指していきたい」とした。
桐生は「1週間前(織田記念)の課題を修正したい」と語り、終始「自分の走りをする。自分自身に集中すれば結果につながる」と決意を語る。ジャスティン・ガトリン(米国)との対戦にも「久しぶりですが、誰と勝負するとかは考えずに」とブレることはない。
会見では、昨今のコロナ禍におけるアスリートの置かれた状況やワクチン接種についてなどの質問も飛んだ。
「どういう発言をしていいのかまだわからない部分もある。1戦、1戦、やるしかない」と桐生。新谷はオリンピック選手に対するワクチン接種について「アスリートが特別だと思われてしまうのは残念」とし、「命に優先順位をつけず、平等に考えていただきたい」と思いを述べた。
寺田は「大変難しい状況ではありますが、目標を持って前に進むということが大事ということをスポーツで伝えられれば。そして、未来の子供たちにあこがれられる存在になりたい」と、母親らしく堂々と答えた。
テストイベントのオペレーション種目(※一部決勝種目を除く)をモーニングセッション、コンチネンタルツアー種目をイブニングセッションで実施。1日の間に、男子16種目、女子17種目が行われる。大会は無観客で実施。18時30分からTBS系列で生中継されるほか、ライブ配信もある。
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