日本選手権10000m(静岡)が5月3日に行われ、男子の伊藤達彦(Honda)、女子の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、安藤友香(ワコール)、3人が東京五輪代表に内定した。
昨年12月の日本選手権で日本歴代2位の27分25秒73をマークして2位に入っていた伊藤。日本選手権では「3位以内で内定(※ただし3位の場合は上位2人が参加標準記録を突破していないことが条件)」という状況だった。だが、実は1月1日の全日本実業団対抗駅伝で「両大腿骨疲労骨折と右ハムストリングスを肉離れしていた」という。2ヵ月は走ることができずに補強で土台作りし、3月になってから走り出した。「正直あきらめていた」とレース後に明かしたように、厳しい道のりだったという。
それでも「ポイント練習をしていくうちに、予想以上によくなった」と言う伊藤。日本選手権では「優勝しか狙っていなかった」と終始、先頭集団で進め、駒大の田澤廉、鈴木芽吹らと競り合いの末、最後は貫禄を見せてスパートで勝負を決めた。伊藤は27分33秒38で優勝し、東京五輪代表内定。この記録は自己2番目で、セカンドベスト日本最高となる。
女子は新谷仁美(積水化学)がすでに昨年12月の日本選手権で代表に内定しており、残り2枠を争うこととなったが、男子とは異なりレース開始までに参加標準記録31分25秒00を破っている選手はおらず。今大会で内定するためには、このレースで参加標準記録を突破して、3位以内に入ることが求められた。
レースは廣中と安藤がデッドヒートを繰り広げ、廣中が日本歴代7位の31分11秒75で初優勝。安藤が2位。ともに東京五輪の参加標準記録31分25秒00を破って3位以内に入ったことで、初の五輪代表に内定した。なお、廣中は5000mでも参加標準記録を突破済みで、本命の5000mは6月の日本選手権で代表権を勝ち取りにいく。
この結果、男子は2名、女子は3名が代表決まり、男子の残り1枠は、今大会の日本選手権の3位以内でワールドランキングにより出場権を得た選手など、出場権を持つ選手の中から条件に沿って選考される。
■東京五輪10000m代表(5月3日時点)
・男子
相澤晃(旭化成)、伊藤達彦(Honda)
・女子
新谷仁美(積水化学)、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、安藤友香(ワコール)
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