日本陸連アスレティックス・アワードの受賞者が発表され、年間最優秀選手となるアスリート・オブ・ザ・イヤーには新谷仁美(積水化学)が選出。受賞発表後にリモートで報道陣の取材に答えた。
文句なし、圧巻のMVPだ。新谷の2020年は1月にハーフマラソン日本記録樹立で幕を開けた。コロナ禍による自粛期間を経て、7月に動き出した陸上界で、トラックでもひときわ輝きを放つ。メイン種目と捉える10000mに向けての「チャレンジ」として1500mに挑戦するなどし、9月の全日本実業団対抗5000mでは日本歴代2位となる14分55秒83をマークした。
その勢いに乗って東京五輪選考会となる12月の日本選手権10000mに臨み、18年ぶり日本記録となる30分20秒44で独走V。見事に東京五輪代表に内定した。新谷は受賞に際し、「このような賞をいただけてうれしい」と喜びを語るとともに、「多くのファンや、普段からサポートしてくださっている方々のお陰」と感謝の言葉を述べる。
日本選手権を終えてから「一度リセット」し、「過去の思い出の一つでしかない」と話すように、すでに次のステージへと向かっている。新型コロナウイルスが再び広まっている中で、「昨年の自粛期間で少し気分が落ち込んでしまったので、今は良い意味でどっしり構えています」と言う。五輪の開催についてさまざまな議論が交わされる中で、新谷はこれまで何度も「国民の皆様の理解がないと」と発信してきた。今はとにかく、「できるだけ他者と会わず、不要不急の外出を避けて、できる対策をしっかり徹底すること」を心掛けている。
今年、狙うのは10000mで「29分台」。そのためには「最低限、5000mで日本記録を更新」と、福士加代子(ワコール)が2005年に作った14分53秒22の日本記録更新を「一番現実的に狙う」ターゲットと見ている。本来であれば海外で5000mに挑戦するプランを立てていたが、「なしになると思う」と白紙に。5月の10000m、そして6月の5000mと、日本選手権に照準を合わせて調整していく構えだ。
「どんな時でもポジティブに前向きに。それが本来のアスリートだと思う。そういった姿勢でやれることをやっていきたいと思っています。今は10000mの29分台を狙って練習しています。それを見据えて5000mにチャレンジしていきたい。これからもずっとこのような賞をいただけるように努力していきます」
自分の意見を忌憚なく発信して注目を集める新谷だが、アスリートとしていつも「結果」を求めてきた。それが例え五輪だろうと、規模の小さな競技会だろうと変わらない。2021年も新谷らしく、結果を求めて走り続ける。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.01
マラソン元世界記録保持者、1964年東京五輪代表の寺沢徹氏が死去 90歳
-
2025.03.31
-
2025.03.31
-
2025.03.31
-
2025.03.25
-
2025.03.31
-
2025.03.26
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.01
マラソン元世界記録保持者、1964年東京五輪代表の寺沢徹氏が死去 90歳
1960年代に男子マラソンをはじめ、長距離で活躍した寺沢徹氏が3月23日に亡くなったことがわかった。90歳だった。 寺沢氏は1935年、東京生まれ。太平洋戦争の激化に伴い富山県高岡市へ疎開し、戦後も高岡で過ごした。中学時 […]
2025.03.31
【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.03.31
京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走
京セラの白井明衣が、3月23日に行われた鹿児島県実業団陸上競技記録会の女子3000mに出場。このレースをもって競技生活を引退することが公式Instagramで伝えられた。 白井は山口・中村女高を卒業後、2020年より京セ […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報