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2020.12.25

編集部コラム「2020年を振り返って」
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毎週金曜日更新!?

★月陸編集部★

攻め(?)のアンダーハンド

リレーコラム🔥

毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!

第74回2020年を振り返って(井上 敦)

Merry Christmas!
 クリスマスということは、2020年もあと6日で終わります。1年前からすれば、まったく想像もできない年になりました。

 まさか、オリンピックが延期になるとは……
 まさか、学校が長期休業になると……

 私が2019年から取材している高校陸上界では、2020年は当初、
●3月24日~28日 日本陸連U19&全国高体連の全国合宿(愛媛・松山)
●5~6月 インターハイ都府県大会&地区大会
●8月12日~16日 静岡インターハイ
●10月9日~13日 鹿児島国体
●10月23日~25日 U20・18日本選手権
●10月上旬~11月下旬 高校駅伝の都府県&地区大会
●12月20日 全国高校駅伝
が予定されていました。

 私も上記の日程に合わせて、年初からホテルの手配など少しずつ準備を進めていましたが、1月下旬から2月上旬あたりから「雲行き」が怪しくなり、結局、上記の4つ目までが次々と中止となりました。

 とくにインターハイと、それにつながる各地の予選会がないというのは、無力感がありました。3月24日のオリンピック延期決定以降、状況が進むにつれ、正直なところ「インターハイ開催は難しいかな」と思いましたが、4月26日に発表された時は、どう表現したらいいか、何とも言えない気分でした。

 でも、7月上旬に競技会が再開されると、各地で好記録が続き、高校新記録も生まれました。2020年の高校記録は次の通りです(インターハイ実施種目のみ、敬称略)。

●男子5000m
13.36.89 石田 洸介(東農大二3群馬) 7.18
13.34.74 石田 洸介(東農大二3群馬) 9.27
●男子棒高跳
5.11 古澤 一生(前橋育英3群馬) 8. 8
●男子砲丸投
18.23 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭2+大阪) 3.31
18.62 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭3大阪) 8. 2
19.28 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭3大阪) 11. 3
●女子棒高跳
4.13 古林 愛理(明石商3兵庫) 10.11
●女子ハンマー投
58.81 村上 来花(弘前実2青森)  8.22
59.51 村上 来花(弘前実2青森) 10. 2
61.02 村上 来花(弘前実2青森) 10. 4

 計5種目で記録が塗り替えられました。2019年(1月~12月)は4種目(男子800m、男子3000m障害、男子走幅跳、女子円盤投)だったので、1種目多かったことになります。

高校記録を塗り替えた男子5000mの石田選手(左)と男子棒高跳の古澤選手

 また、男子110mハードルでは高校記録(13秒83)に0.02秒と迫りましたし、棒高跳や走幅跳でも好記録が連発しました。男子5000mではシューズ効果があったかもしれませんが、日本人選手だけで22名が13分台に突入しました。

 インターハイが中止になっても、むしろ記録水準が上がったことに高校生の逞しさを感じました。また、U20・18日本選手権を模様替えしてインターハイの代替大会となった10月の全国高校大会や、先日の全国高校駅伝もハイレベルな争いが随所にありました。競技自体のルール変更(試技数減など)や無観客など、これまで経験したものとは違う環境でも、力を発揮できる強さがありました。

 とはいえ、3年生の多くが今年、競技会を経験することなく、引退していきました。11月上旬時点での高体連登録者(陸上のみ)は約95000人。前年同期比で15000人減ったと聞きます。シーズン前半の部活動、競技会休止が要因のすべてではないと思いますが、その影響は大きかったと推察できます。

 この1年を通じて平時のありがたさを何度も感じました。そして、立て続けに起こった出来事は一生忘れてはいけないし、何が起こってどうなっていったかを次の世代に残していくことも必要と思いました。

 2021年もどうなるか読めませんが、来年はインターハイ(7月28日~8月1日/福井・9.98スタジアム)が開催されること、それ以外の予定されているものがすべて順調に行われてほしいと思います。

井上 敦(いのうえ あつし)
1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。

編集部コラム第73回「プレッシャーとの向き合い方」(山本)
編集部コラム第72回「陸上競技のイメージを変えたい」(向永)
編集部コラム第71回「2020年ラストスパート!!」(小川)
編集部コラム第70回「理不尽なこと」(船越)
編集部コラム第69回「這い上がる」(松永)
編集部コラム第68回「都道府県対抗 男子十種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第67回「都大路も高速レースの予感」(井上)
編集部コラム第66回「陸上競技を続けると……?」(山本)
編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
編集部コラム第61回「都道府県対抗 女子七種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第60回「キソの大切さ」(井上)
編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。 暇つぶし程度にご覧ください!

第74回2020年を振り返って(井上 敦)

Merry Christmas!  クリスマスということは、2020年もあと6日で終わります。1年前からすれば、まったく想像もできない年になりました。  まさか、オリンピックが延期になるとは……  まさか、学校が長期休業になると……  私が2019年から取材している高校陸上界では、2020年は当初、 ●3月24日~28日 日本陸連U19&全国高体連の全国合宿(愛媛・松山) ●5~6月 インターハイ都府県大会&地区大会 ●8月12日~16日 静岡インターハイ ●10月9日~13日 鹿児島国体 ●10月23日~25日 U20・18日本選手権 ●10月上旬~11月下旬 高校駅伝の都府県&地区大会 ●12月20日 全国高校駅伝 が予定されていました。  私も上記の日程に合わせて、年初からホテルの手配など少しずつ準備を進めていましたが、1月下旬から2月上旬あたりから「雲行き」が怪しくなり、結局、上記の4つ目までが次々と中止となりました。  とくにインターハイと、それにつながる各地の予選会がないというのは、無力感がありました。3月24日のオリンピック延期決定以降、状況が進むにつれ、正直なところ「インターハイ開催は難しいかな」と思いましたが、4月26日に発表された時は、どう表現したらいいか、何とも言えない気分でした。  でも、7月上旬に競技会が再開されると、各地で好記録が続き、高校新記録も生まれました。2020年の高校記録は次の通りです(インターハイ実施種目のみ、敬称略)。 ●男子5000m 13.36.89 石田 洸介(東農大二3群馬) 7.18 13.34.74 石田 洸介(東農大二3群馬) 9.27 ●男子棒高跳 5.11 古澤 一生(前橋育英3群馬) 8. 8 ●男子砲丸投 18.23 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭2+大阪) 3.31 18.62 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭3大阪) 8. 2 19.28 アツオビン・ジェイソン(大阪桐蔭3大阪) 11. 3 ●女子棒高跳 4.13 古林 愛理(明石商3兵庫) 10.11 ●女子ハンマー投 58.81 村上 来花(弘前実2青森)  8.22 59.51 村上 来花(弘前実2青森) 10. 2 61.02 村上 来花(弘前実2青森) 10. 4  計5種目で記録が塗り替えられました。2019年(1月~12月)は4種目(男子800m、男子3000m障害、男子走幅跳、女子円盤投)だったので、1種目多かったことになります。 高校記録を塗り替えた男子5000mの石田選手(左)と男子棒高跳の古澤選手  また、男子110mハードルでは高校記録(13秒83)に0.02秒と迫りましたし、棒高跳や走幅跳でも好記録が連発しました。男子5000mではシューズ効果があったかもしれませんが、日本人選手だけで22名が13分台に突入しました。  インターハイが中止になっても、むしろ記録水準が上がったことに高校生の逞しさを感じました。また、U20・18日本選手権を模様替えしてインターハイの代替大会となった10月の全国高校大会や、先日の全国高校駅伝もハイレベルな争いが随所にありました。競技自体のルール変更(試技数減など)や無観客など、これまで経験したものとは違う環境でも、力を発揮できる強さがありました。  とはいえ、3年生の多くが今年、競技会を経験することなく、引退していきました。11月上旬時点での高体連登録者(陸上のみ)は約95000人。前年同期比で15000人減ったと聞きます。シーズン前半の部活動、競技会休止が要因のすべてではないと思いますが、その影響は大きかったと推察できます。  この1年を通じて平時のありがたさを何度も感じました。そして、立て続けに起こった出来事は一生忘れてはいけないし、何が起こってどうなっていったかを次の世代に残していくことも必要と思いました。  2021年もどうなるか読めませんが、来年はインターハイ(7月28日~8月1日/福井・9.98スタジアム)が開催されること、それ以外の予定されているものがすべて順調に行われてほしいと思います。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。
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