HOME ニュース、国内

2020.12.06

【マラソン】吉田祐也が歴代9位で福岡国際V「結果を出す覚悟持って」現役続行決意
【マラソン】吉田祐也が歴代9位で福岡国際V「結果を出す覚悟持って」現役続行決意


◇福岡国際マラソン(12月6日/平和台陸上競技場発着42.195km)

 服部勇馬(トヨタ自動車)、高久龍(ヤクルト)の欠場により混戦が予想された福岡国際マラソン。初優勝を果たしたのは、マラソン2レース目となる吉田祐也(GMOインターネットグループ)だった。「優勝するために出場した。自分の力を100%出し切って優勝できてうれしいです」。優勝タイム2時間7分05秒は日本歴代9位タイという快走だった。藤田敦史の日本人最高タイム2時間6分51秒(2000年)に惜しくも届かなかったが、福岡国際における日本人歴代2位に入る。

 吉田は服部の欠場により「日本記録ペースではなく、2時間6分台と優勝を」とスタート。だが、「途中で2時間6分のペースがわからなくなったので、勝つことに集中しました」と振り返る。30kmからは独走。「速いペースでも、気持ちの面も含めて余裕を持てていました」と吉田。タイムについて「競り合うことがない中でのこのタイムは良かったと思います」と話した。

 1年前にこの躍進を想像した者はどれほどいただろうか。青学大4年だった昨年は、箱根駅伝のメンバー入りに必死だった。だが、最初で最後の箱根路を4区区間新・区間賞で総合優勝に貢献。2月の別府大分毎日マラソンを花道に、ブルボンへの一般就職を決めていた。だが、その別大で初マラソン歴代2位となる2時間8分30秒をマーク。「誰かに言われたのではなく、自分で決めて競技を続けました」。

 競技を続けると決めたからには「結果を出す」と強い決意があった。「ブルボンさんのためにも、GMOのために、大きな大会で優勝するという覚悟を決めていました」と胸を張る。今季はコロナ禍の自粛期間もあったが、5000m13分36秒86、10000m28分19秒07と自己記録を更新。マラソン練習でも「ロングジョグの時間を150分に延ばすなど地道な練習をして、ペースの上げ下げにも対応できるようにしてきました」と言う。

 指導する花田勝彦監督も「強制ではなくすべての行動をマラソンにつなげていて、マラソンをすごく研究している。マラソンに対する情熱がすごい」と評価。この日の走りも「何を言っていいか……。有言実行で勝ったことを称えたい」と最大限の賛辞を贈る。

 吉田にとってマラソンとは「能力よりも妥協のない準備ができたかどうかがポイント」だという。その点で福岡に向けては「やり残したことがない状況でスタートラインに立てた」と自信を持って臨んだ。

広告の下にコンテンツが続きます

 2日前の日本選手権10000mで日本記録を更新した相澤晃(旭化成)、伊藤達彦(Honda)らと同じ、輝きを放った1997年組。東京五輪マラソン代表はすでに決まっているが、吉田は先を見据えている。

「オリンピックが一つの目標ですが、世界と戦うためには絶対的なスピードやラストなどまだまだ競り勝てない。これから練習でそういった部分を補っていきたい」。引退撤回から約7ヵ月。競技継続をサポートしてくれたすべての人のために、自分で決めた道を吉田は全力で突き進む。

■マラソン全成績
2月 別府大分 2時間8分30秒=学生歴代2位
12月 福岡国際 2時間7分05秒=日本歴代9位タイ

■ラップタイム(主催者発表)
5km 14.57
10km 29.55
15km 44.48
20km 59.37
中間 1.02.55
25km 1.14.32
30km 1.29.31
35km 1.44.37
40km 2.00.15
フィニッシュ 2.07.05

■福岡国際マラソン入賞者
(1)吉田祐也(GMOインターネットG) 2.07.05
(2)大塚祥平(九電工) 2.07.38
(3)寺田夏生(JR東日本) 2.08.03
(4)M.ギザエ(スズキ) 2.08.17
(5)作田直也(JR東日本) 2.08.21
(6)竹ノ内佳樹(NTT西日本) 2.09.31
(7)P.クイラ(JR東日本) 2.09.57
(8)吉岡 幸輝(中央発條) 2.10.13

◇福岡国際マラソン(12月6日/平和台陸上競技場発着42.195km)  服部勇馬(トヨタ自動車)、高久龍(ヤクルト)の欠場により混戦が予想された福岡国際マラソン。初優勝を果たしたのは、マラソン2レース目となる吉田祐也(GMOインターネットグループ)だった。「優勝するために出場した。自分の力を100%出し切って優勝できてうれしいです」。優勝タイム2時間7分05秒は日本歴代9位タイという快走だった。藤田敦史の日本人最高タイム2時間6分51秒(2000年)に惜しくも届かなかったが、福岡国際における日本人歴代2位に入る。  吉田は服部の欠場により「日本記録ペースではなく、2時間6分台と優勝を」とスタート。だが、「途中で2時間6分のペースがわからなくなったので、勝つことに集中しました」と振り返る。30kmからは独走。「速いペースでも、気持ちの面も含めて余裕を持てていました」と吉田。タイムについて「競り合うことがない中でのこのタイムは良かったと思います」と話した。  1年前にこの躍進を想像した者はどれほどいただろうか。青学大4年だった昨年は、箱根駅伝のメンバー入りに必死だった。だが、最初で最後の箱根路を4区区間新・区間賞で総合優勝に貢献。2月の別府大分毎日マラソンを花道に、ブルボンへの一般就職を決めていた。だが、その別大で初マラソン歴代2位となる2時間8分30秒をマーク。「誰かに言われたのではなく、自分で決めて競技を続けました」。  競技を続けると決めたからには「結果を出す」と強い決意があった。「ブルボンさんのためにも、GMOのために、大きな大会で優勝するという覚悟を決めていました」と胸を張る。今季はコロナ禍の自粛期間もあったが、5000m13分36秒86、10000m28分19秒07と自己記録を更新。マラソン練習でも「ロングジョグの時間を150分に延ばすなど地道な練習をして、ペースの上げ下げにも対応できるようにしてきました」と言う。  指導する花田勝彦監督も「強制ではなくすべての行動をマラソンにつなげていて、マラソンをすごく研究している。マラソンに対する情熱がすごい」と評価。この日の走りも「何を言っていいか……。有言実行で勝ったことを称えたい」と最大限の賛辞を贈る。  吉田にとってマラソンとは「能力よりも妥協のない準備ができたかどうかがポイント」だという。その点で福岡に向けては「やり残したことがない状況でスタートラインに立てた」と自信を持って臨んだ。  2日前の日本選手権10000mで日本記録を更新した相澤晃(旭化成)、伊藤達彦(Honda)らと同じ、輝きを放った1997年組。東京五輪マラソン代表はすでに決まっているが、吉田は先を見据えている。 「オリンピックが一つの目標ですが、世界と戦うためには絶対的なスピードやラストなどまだまだ競り勝てない。これから練習でそういった部分を補っていきたい」。引退撤回から約7ヵ月。競技継続をサポートしてくれたすべての人のために、自分で決めた道を吉田は全力で突き進む。 ■マラソン全成績 2月 別府大分 2時間8分30秒=学生歴代2位 12月 福岡国際 2時間7分05秒=日本歴代9位タイ ■ラップタイム(主催者発表) 5km 14.57 10km 29.55 15km 44.48 20km 59.37 中間 1.02.55 25km 1.14.32 30km 1.29.31 35km 1.44.37 40km 2.00.15 フィニッシュ 2.07.05 ■福岡国際マラソン入賞者 (1)吉田祐也(GMOインターネットG) 2.07.05 (2)大塚祥平(九電工) 2.07.38 (3)寺田夏生(JR東日本) 2.08.03 (4)M.ギザエ(スズキ) 2.08.17 (5)作田直也(JR東日本) 2.08.21 (6)竹ノ内佳樹(NTT西日本) 2.09.31 (7)P.クイラ(JR東日本) 2.09.57 (8)吉岡 幸輝(中央発條) 2.10.13

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.04

やり投・北口榛花が日本陸連アスリート・オブ・ザ・イヤー!室伏広治に続き2人目の2年連続受賞

日本陸連は12月4日、日本陸連アスレティックス・アワード2024の受賞者を発表し、最優秀選手に当たる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」に、女子やり投の北口榛花(JAL)が選ばれた。昨年に続いて2年連続は、2011、12年の […]

NEWS 田中希実がオムロンとパートナーシップ契約締結 23年からセルフケアで機器を愛用

2024.12.04

田中希実がオムロンとパートナーシップ契約締結 23年からセルフケアで機器を愛用

オムロン ヘルスケア株式会社は、女子中長距離の田中希実(New Balance)とパートナーシップ契約を締結したと発表した。 1500m、5000mの日本記録保持者で、東京五輪・パリ五輪代表の田中。23年頃に股関節の繊細 […]

NEWS 富士通にブダペスト世界陸上代表・山本亜美と東京世界陸上標準突破の井之上駿太が加入!400mHホープが名門へ

2024.12.04

富士通にブダペスト世界陸上代表・山本亜美と東京世界陸上標準突破の井之上駿太が加入!400mHホープが名門へ

12月4日、富士通はホームページで、来年4月1日付で男子400mハードルの井之上駿太(法大)と女子400mハードルの山本亜美(立命大)の2人が入社することを発表した。 井之上は大阪府出身。中学時代は100mや200mに取 […]

NEWS アトランタ五輪女子円盤投金メダルのヴィルダ氏が死去 55歳 パラアスリートとしても活躍

2024.12.04

アトランタ五輪女子円盤投金メダルのヴィルダ氏が死去 55歳 パラアスリートとしても活躍

1996年アトランタ五輪女子円盤投の金メダリスト、イルケ・ヴィルダ氏(ドイツ)が12月1日に亡くなった。55歳だった。 ヴィルダ氏はライプツィヒに生まれ、ドイツ統一前は東ドイツ代表として競技していた。1988年に投げた7 […]

NEWS 五輪代表・飯塚翔太が東ティモールで子どもと交流 3年連続JICA活動「スポーツは共通言語」

2024.12.04

五輪代表・飯塚翔太が東ティモールで子どもと交流 3年連続JICA活動「スポーツは共通言語」

リオ五輪男子4×100mリレー銀メダリストで、今夏のパリ五輪200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が12月4日、訪問先の東ティモールからオンラインで現地の活動について報告会見を行った。 独立行政法人国立協力機構(JICA)が主 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top