◇天皇賜盃第93回日本学生対校選手権(9月19日~22日/神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu)4日目
日本インカレの最終日4日目が行われ、大会のフィナーレを飾る男子4×400mリレーは前回王者の東洋大が“悔しさ”をパワーに変え、3分05秒71で2連覇を達成した。
1走はパリ五輪代表の小川大輝(3年)。連覇の懸かった400mハードルは翌週のYogibo Athletics Challenge Cupで記録を狙うために欠場した。しかし、準決勝で井之上駿太(法大)が東京世界選手権の参加標準記録(48秒50)を突破する48秒46をマークするなど好タイムが続出した。
「出れば良かったな、という気持ちをリレーにぶつけました」
オリンピアンがトップを争う好スタートを切って、2走の平川慧(1年)にバトンをつなげる。
平川は昨年のインターハイ400mチャンピオン。大学入学後は故障に苦しみ、日本インカレは400mの準決勝で敗退した。
「個人で思うようなレースができず、悔しかったぶん、マイルメンバーに入ったからには絶対に優勝しようと思っていました。自分が一番でバトンを渡すと決めといたので、そこは意地で走り切りました」
平川は早大とのトップ争いに先着して、同学年の白畑健太郎にバトンを渡した。
白畑は大学で急成長した選手だが、5位入賞を果たしたU20世界選手権の疲労もあり、今回は苦しい走りになった。
「バトンパスがちょっとロスしてしまい、ラストで抜かれてしまった。自分としては満足いかない走りだったと思います」
早大・渕上翔太(1年)に逆転を許したものの、最後は最上級生が意地を見せる。
アンカーの新垣颯斗(4年)は個人の400mで、田邉奨(中大1)に敗れて2位。悲願のタイトルを目指して、冷静に攻め込んだ。
「個人種目が悔しい結果に終わったので、マイルでは絶対に勝つつもりでした。予定通り、バックストレートで抜いて、最後は自分の長所である粘りの走りで逃げ切ることができた。100点満点の走りだったと思います」
新垣が早大・権田浬(1年)を逆転。前回大会で自らが樹立した大会記録(3分04秒08)には届かなかったが、堂々の2連覇。学生記録を上回りながら早大に惜敗した前日の4×100mリレーの雪辱を晴らした。
前年の優勝を経験している小川は、「偉大な先輩(鈴木碧斗、中島佑気ジョセフ)が卒業して、その穴をどうカバーするかという1年でした。今回のメンバーが3人残るので、来年こそは学生記録を狙っていきたい」と3連覇に加えて、大記録への挑戦を誓っていた。
最終日も好記録、好勝負ラッシュ
女子4×400mリレーは立命大が学生歴代5位の3分36秒82で2年ぶりV奪還を果たした。3走を務めた山本亜美は400mハードルでも56秒35の大会新で2年ぶり優勝、アンカー・瀧野未来とのワン・ツーも飾った。 前日の準決勝で好記録が続出した男子400mハードルは、渕上翔太(早大)が48秒96で1年生優勝を達成。東京世界選手権参加標準記録を突破する48秒46をマークしていた井之上翔太(法大)を、最終ハードルで逆転する殊勲を上げた。 男子200mは鵜澤飛羽(筑波大)が1レーンから後半抜け出し、20秒64(+0.6)で2年ぶり制覇。学生ラストレースで有終の美を飾った。女子200mはフロレス・アリエ(日体大)が23秒95(+1.2)で400mとの2冠に輝く。 女子800mは渡辺愛(園田学園女大)が学生歴代5位の2分02秒79で2連覇と、14年ぶり1500mとの2種目制覇を成し遂げた。女子三段跳では船田茜理(武庫川女大)が13m48(+0.6)で3連覇。前日の走幅跳と合わせた2冠は、三段跳が大会に初採用された1991年の庵貴理子(日女体大)以来、33年ぶり2人目だった。 男子走高跳は原口颯太(順大)が学生歴代8位タイの2m27を1回でクリアし、3連覇を狙った山中駿(京大)を3cm差で抑えて優勝。男子砲丸投は最終6投目に17m68をプットした渡辺豹冴(新潟医療福祉大)が、アツオビン・ジェイソン(福岡大)を27cm逆転する殊勲のVを果たした。 3000m障害の男子は村尾雄己(順大)が8分34秒83で2連覇を飾り、女子は齋藤みう(日体大)が9分57秒12で2年ぶり頂点に。男子800mは東秀太(広島経大)が1分46秒83の大会新で、中四国勢として同種目初栄冠を手にした。 女子棒高跳は小林美月(日体大)が4m10、同やり投は山元祐希(九州共立大)が57m35、同七種競技は松下美咲(中大)が5318点でそれぞれ初優勝を果たした。 学校対抗は男子が順大、女子は日体大が制し、ともに4連覇を達成した。 来年の日本インカレは岡山市の岡山県総合グラウンド(シティライトスタジアム)で、6月5日~8日に行われる予定。17年ぶりの6月開催となる。
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