HOME 国内、大学

2024.09.22

鵜澤飛羽200m2年ぶりV!学生ラストレース飾り「4年間、終わったちゃうんだな」/日本IC
鵜澤飛羽200m2年ぶりV!学生ラストレース飾り「4年間、終わったちゃうんだな」/日本IC

24年日本インカレ男子200mを制した鵜澤飛羽(筑波大)

◇天皇賜盃第93回日本学生対校選手権(9月19日~22日/神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu)4日目

日本インカレの4日目が行われ、男子200mは鵜澤飛羽(筑波大)が20秒64(+0.6)で2年ぶり2回目の優勝を飾った。

「出るつもりだった」という4×400mリレーが前日の予選で敗退したため、これが最後のインカレ、そして学生最後のレース。フィニッシュした瞬間に「4年間、終わっちゃうんだな、とすごく感じた。いろいろなことがあったので、いろいろな感情がこみ上げてきました」と言う。

この日午前の準決勝で、後半に力を緩めてフィニッシュしようとした。その隙に2人にかわされ、3着で着順通過を逃す。プラス通過で事なきを得たが、「寿命が縮みました」と苦笑する。

決勝で1レーンに割り当てられたことは「自分のせい」と受け入れ、ウォーミングアップで「できるだけ小さく、小さくいって後半頑張る」動きを確認。「最後の1本でちょっとうまくいって」決勝の舞台を迎えた。

レースは、その言葉通りの展開で後半に抜け出したが「勝ちに行くだけで気持ちが前に行っていました」。5レーンの重谷大樹(東洋大)が「打倒・鵜澤でやってきました」と追いすがり、「遠かったので自分が前なのかわからなかった」と鵜澤は必死に胸を突き出す。自分の名前が一番上に出るまで、「祈っていました」と言うほど感情があふれ出た走りとなった。

重谷に0.07秒先着し、有終の美を飾った鵜澤。100m3本、4×100mリレー2本、そして200m3本を“完走”し、「充実した大会になりました」と笑顔で振り返る。

宮城・築館高2年でインターハイ100m、200m2冠に輝き、一躍注目を集める存在となった。だが、大学1年の関東インカレ100m決勝でレース中にハムストリングスを肉離れ。そこから、脚への負担を考慮しながらのトレーニング、レースを重ねることになった。

その中で、昨年は日本選手権を初制覇し、ブダペスト世界選手権にも出場。200mでセミファイナリストとなった。そして、今夏のパリ五輪でも、再び準決勝に進出。決勝への壁は大きかったが、そんな4年間の道のりを「言葉ではいい表せない」と鵜澤は語る。

「いろんなことがあって、いろんな感情が生まれて、本当に何て言えばいいのかわからないですが……本当にいい4年間でした」

特に、大学の仲間たちとともに戦うインカレへの思いを「チームで応援してもらえるのはインカレでしかないので。インカレでした味わえない、得られない栄養があります」と表現。同時に、少し寂し気な表情ものぞかせる。

紆余曲折あったが、それが成長につながっていることは間違いない。100mやリレーをこなすことも、「高校ではやっていたこと。もちろん、タイムのレベルや出力は別のものですが、これから世界と戦っていくためには、これを当たり前にしないといけない」と言葉に力を込める。

「世界の上の選手は100mも200mも出て、リレーもやっています。僕もそういう中でやっていかないと、世界では戦えないと身に染みてわかっています。それを肝に銘じて、頑張りたい」

学生陸上を卒業し、鵜澤はいよいよ世界との勝負へと飛び出す。

◇天皇賜盃第93回日本学生対校選手権(9月19日~22日/神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu)4日目 日本インカレの4日目が行われ、男子200mは鵜澤飛羽(筑波大)が20秒64(+0.6)で2年ぶり2回目の優勝を飾った。 「出るつもりだった」という4×400mリレーが前日の予選で敗退したため、これが最後のインカレ、そして学生最後のレース。フィニッシュした瞬間に「4年間、終わっちゃうんだな、とすごく感じた。いろいろなことがあったので、いろいろな感情がこみ上げてきました」と言う。 この日午前の準決勝で、後半に力を緩めてフィニッシュしようとした。その隙に2人にかわされ、3着で着順通過を逃す。プラス通過で事なきを得たが、「寿命が縮みました」と苦笑する。 決勝で1レーンに割り当てられたことは「自分のせい」と受け入れ、ウォーミングアップで「できるだけ小さく、小さくいって後半頑張る」動きを確認。「最後の1本でちょっとうまくいって」決勝の舞台を迎えた。 レースは、その言葉通りの展開で後半に抜け出したが「勝ちに行くだけで気持ちが前に行っていました」。5レーンの重谷大樹(東洋大)が「打倒・鵜澤でやってきました」と追いすがり、「遠かったので自分が前なのかわからなかった」と鵜澤は必死に胸を突き出す。自分の名前が一番上に出るまで、「祈っていました」と言うほど感情があふれ出た走りとなった。 重谷に0.07秒先着し、有終の美を飾った鵜澤。100m3本、4×100mリレー2本、そして200m3本を“完走”し、「充実した大会になりました」と笑顔で振り返る。 宮城・築館高2年でインターハイ100m、200m2冠に輝き、一躍注目を集める存在となった。だが、大学1年の関東インカレ100m決勝でレース中にハムストリングスを肉離れ。そこから、脚への負担を考慮しながらのトレーニング、レースを重ねることになった。 その中で、昨年は日本選手権を初制覇し、ブダペスト世界選手権にも出場。200mでセミファイナリストとなった。そして、今夏のパリ五輪でも、再び準決勝に進出。決勝への壁は大きかったが、そんな4年間の道のりを「言葉ではいい表せない」と鵜澤は語る。 「いろんなことがあって、いろんな感情が生まれて、本当に何て言えばいいのかわからないですが……本当にいい4年間でした」 特に、大学の仲間たちとともに戦うインカレへの思いを「チームで応援してもらえるのはインカレでしかないので。インカレでした味わえない、得られない栄養があります」と表現。同時に、少し寂し気な表情ものぞかせる。 紆余曲折あったが、それが成長につながっていることは間違いない。100mやリレーをこなすことも、「高校ではやっていたこと。もちろん、タイムのレベルや出力は別のものですが、これから世界と戦っていくためには、これを当たり前にしないといけない」と言葉に力を込める。 「世界の上の選手は100mも200mも出て、リレーもやっています。僕もそういう中でやっていかないと、世界では戦えないと身に染みてわかっています。それを肝に銘じて、頑張りたい」 学生陸上を卒業し、鵜澤はいよいよ世界との勝負へと飛び出す。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.23

中大が総合トップ 吉居駿恭が27分44秒48の大学新記録!! 2、3組も組トップ占める/MARCH対抗戦

◇MARCH対抗戦2024(11月23日/東京・町田GIONスタジアム) 明大、青学大、立教大、中大、法大の5大学が10000mレースで争うMARCH対抗戦2024が行われ、最終の4組で青学大の鶴川正也(4年)が27分4 […]

NEWS 遠藤日向が7年ぶりの10000m「長く感じました」五輪逃した悔しさにじみ「来年飛躍できるように」/八王子LD

2024.11.23

遠藤日向が7年ぶりの10000m「長く感じました」五輪逃した悔しさにじみ「来年飛躍できるように」/八王子LD

◇2024八王子ロングディスタンス(11月23日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、最終8組はシン・ガルビア(インド)がインド新となる27分14秒88でトップを飾っ […]

NEWS 青学大・鶴川正也が27分43秒33でトップ! ラストの直線で逆転「絶対に勝ちきろうと思った」/MARCH対抗戦

2024.11.23

青学大・鶴川正也が27分43秒33でトップ! ラストの直線で逆転「絶対に勝ちきろうと思った」/MARCH対抗戦

◇MARCH対抗戦2024(11月23日/東京・町田GIONスタジアム) 明大、青学大、立教大、中大、法大の5大学が10000mレースで争うMARCH対抗戦2024が行われ、最終の4組で青学大の鶴川正也(4年)が27分4 […]

NEWS 鈴木芽吹 日本歴代5位の27分20秒33も「26分台出せず悔しい」/八王子LD

2024.11.23

鈴木芽吹 日本歴代5位の27分20秒33も「26分台出せず悔しい」/八王子LD

◇2024八王子ロングディスタンス(11月23日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、最終8組はシン・ガルビア(インド)がインド新となる27分14秒88でトップを飾っ […]

NEWS パリ五輪代表・太田智樹がトラック復帰レース28分12秒12「ちょっと戻ってきた」/八王子LD

2024.11.23

パリ五輪代表・太田智樹がトラック復帰レース28分12秒12「ちょっと戻ってきた」/八王子LD

◇2024八王子ロングディスタンス(11月23日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、5組にパリ五輪代表の太田智樹(トヨタ自動車)が出場。28分12秒12の5着だった […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top