◇天皇賜盃第93回日本学生対校選手権(9月19日~22日/神奈川県・Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu)3日目
日本インカレの3日目が行われ、女子4×100mリレーは甲南大がパフォーマンス学生歴代3位の44秒58で2連覇を達成した。
前回は100mで藏重みう、岡根和奏、奥野由萌が史上初の表彰台独占を果たし、その勢いで初制覇へと駆け上がった。だが、今回は岡根、奥野が2年連続2位、3位を確保したものの、藏重は準決勝で敗退。予選では44秒85を出した青学大に次ぐ2番手(44秒93)と、昨年のような流れは作れていない。
それでも、ただ1人の4年生、1走の青山華依が好ダッシュから一気にムードを引き寄せる。2走の奥野へのバトンパスはお互いがぶつかりそうになるぐらいに詰まったが、奥野が持ち味の加速力を発揮してカバーした。
3走の藏重も個人の悔しさをぶつける快走。見事なコーナーワークで混戦から一気に抜け出すと、アンカーの岡根が100m覇者の青学大・石川優の追い上げを許さず、フィニッシュラインを駆け抜けた。
タイムは前回大会の予選で出した学生歴代2位のチーム記録にあと0.06秒、学生記録(44秒51=福岡大/2021年)にあと0.07秒届かなかったが、前回チャンピオンの重圧に打ち勝っての連覇に、4人は喜びを爆発させた。
青山は他の3人への、そして3人は青山への思いを胸に臨んだ。
1年時に東京五輪4×100mリレーに出場した青山は、その走りでも、そして精神的にもチームの大黒柱。だが、2年の冬季に左膝に大ケガを負い、手術と長期のリハビリで昨シーズンをほぼ棒に振った。前回優勝のメンバーにも、青山の名前はない。
そして、青山にあこがれて入学した奥野、藏重、岡根の3人は、先輩が苦しんできたその姿、背中を見つめてきたからこそ「青山さんと一緒に走る最後のインカレ」(奥野)に全力を注いだ。
奥野が「やっぱり華依さんは頼もしかったです」と言えば、藏重も「私の志望動機が華依さんと一緒に走るということ。最後に走れてうれしかったです」。岡根も「しっかり優勝することを目指していたので達成できてうれしいですし、華依さんと優勝できて本当に最高です」と続けた。
そんな後輩たちの言葉に、青山の目に涙があふれる。言葉を詰まらせながらも、「本当に甲南のメンバーみんなに支えられました。すごく楽しいレースで終えられて、最高です」。
あと少し届かなかった学生記録は、10月の日本選手権リレーで「しっかりと出したい」と岡根。だがその前に、チームで勝ち取った「連覇」の余韻に浸った。
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