HOME 国内、日本代表、五輪
世界に挑んだ女子10000m日本トリオ 「夢のような25周」五島がトップ、初出場・小海、8年ぶり出場・高島も奮闘/パリ五輪
世界に挑んだ女子10000m日本トリオ 「夢のような25周」五島がトップ、初出場・小海、8年ぶり出場・高島も奮闘/パリ五輪

女子10000mのレース後に手を取り合った3人

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)9日目

パリ五輪・陸上競技9日目のイブニングセッションに行われ、女子10000mに出場した日本トリオは五島莉乃(資生堂)が31分29秒48で18位に入ったのが最高。小海遥(第一生命グループ)は31分44秒03で19位、高島由香(資生堂)は31分52秒07で22位だった。

5月の日本選手権で初優勝を飾った五島は、「自分の中でチャレンジするレースをしよう」と決めて臨んだという。その中で、スローペースとなった1周目途中からトップに立ち、レースを牽引する場面を作ったことで「それはクリアしたかなと思います」。

だが、5000m付近からレースが動き始めると、集団の中段、後方へと徐々にポジションを下げ、6000m過ぎには後退。「全然歯が立たなくて、力不足を感じました」と振り返る。

「五輪をずっと夢と思ってここまでやってきたので、夢のような25周でした」と五島。積極性と粘りを両立させる26歳は、この経験をさらなる成長への糧にできるはずだ。

小海は「正直、まったく戦えなかった」と悔しさを隠さない。

昨年はアジア選手権を制し、日本選手権では昨年12月は3位、今年5月は2位と着実に力をつけ、21歳にして初めて世界の舞台に立った。そこで得られた経験は計り知れない。

「今までは数字上でしか世界との差を感じられなかったけど、実際にレースが動いた時に動けなかった。世界との差を肌で感じられたのが良かったです」

高島は、2016年リオ以来2大会ぶりの五輪に「世界との差は大きいと思いましたが、目標のオリンピックに8年ぶりに出ることができて、たくさんの人に恩返しができたかなと思います」と振り返る。

スタート前と、フィニッシュ後、手を取り合って輪を作った。「普段は別のチームだけど、今回は同じ日本チーム。力を合わせてがんばろう」(高島)と誓ってレースに挑み、互いの健闘を称え合った。

世界との差は大きかった。だが、「世界に差をつけられるということを肌で感じ、悔しい思いをしたので、今度は自分が世界に差をつけたい」と小海が言うように、挑み続けることがその差をつめることにつながっていく。

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)9日目 パリ五輪・陸上競技9日目のイブニングセッションに行われ、女子10000mに出場した日本トリオは五島莉乃(資生堂)が31分29秒48で18位に入ったのが最高。小海遥(第一生命グループ)は31分44秒03で19位、高島由香(資生堂)は31分52秒07で22位だった。 5月の日本選手権で初優勝を飾った五島は、「自分の中でチャレンジするレースをしよう」と決めて臨んだという。その中で、スローペースとなった1周目途中からトップに立ち、レースを牽引する場面を作ったことで「それはクリアしたかなと思います」。 だが、5000m付近からレースが動き始めると、集団の中段、後方へと徐々にポジションを下げ、6000m過ぎには後退。「全然歯が立たなくて、力不足を感じました」と振り返る。 「五輪をずっと夢と思ってここまでやってきたので、夢のような25周でした」と五島。積極性と粘りを両立させる26歳は、この経験をさらなる成長への糧にできるはずだ。 小海は「正直、まったく戦えなかった」と悔しさを隠さない。 昨年はアジア選手権を制し、日本選手権では昨年12月は3位、今年5月は2位と着実に力をつけ、21歳にして初めて世界の舞台に立った。そこで得られた経験は計り知れない。 「今までは数字上でしか世界との差を感じられなかったけど、実際にレースが動いた時に動けなかった。世界との差を肌で感じられたのが良かったです」 高島は、2016年リオ以来2大会ぶりの五輪に「世界との差は大きいと思いましたが、目標のオリンピックに8年ぶりに出ることができて、たくさんの人に恩返しができたかなと思います」と振り返る。 スタート前と、フィニッシュ後、手を取り合って輪を作った。「普段は別のチームだけど、今回は同じ日本チーム。力を合わせてがんばろう」(高島)と誓ってレースに挑み、互いの健闘を称え合った。 世界との差は大きかった。だが、「世界に差をつけられるということを肌で感じ、悔しい思いをしたので、今度は自分が世界に差をつけたい」と小海が言うように、挑み続けることがその差をつめることにつながっていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

PR

2024.09.17

逆襲を期する駒澤大学 駅伝シーズンに向けて虎視眈々

強力な学年が卒業して〝危機感〟を共有 学生駅伝3冠を狙った昨シーズン、駒澤大学は出雲、全日本で優勝しながらも、最後の正月決戦では2位にとどまった。主軸をなしていた強力な学年が抜けて新チームは〝危機感〟を共有。今季は篠原倖 […]

NEWS 世界陸連会長・セバスチャン・コー氏がIOC会長選に立候補 現役時代に男子1500mで2度の金メダル

2024.09.17

世界陸連会長・セバスチャン・コー氏がIOC会長選に立候補 現役時代に男子1500mで2度の金メダル

9月16日、国際オリンピック委員会(IOC)はトーマス・バッハ会長の任期満了に伴って行われる次期会長選に立候補した7人を発表し、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が立候補したことを明らかにした。 コー氏は67歳。現 […]

NEWS 世界女王・北口榛花に特製『やり投ハイチュウ』贈呈!「やりより重たい」

2024.09.16

世界女王・北口榛花に特製『やり投ハイチュウ』贈呈!「やりより重たい」

女子やり投でパリ五輪金メダルに輝いた北口榛花(JAL)が9月16日に帰国し、都内で会見を開いた。その席でサプライズが待っていた。 7月16日にサポート契約を結んだ森永製菓から、やり投を模したケースにハイチュウなど、お菓子 […]

NEWS やり投世界一・北口榛花「悩み、もがき続けた1年」五輪金メダルとDLトロフィーとともに凱旋帰国

2024.09.16

やり投世界一・北口榛花「悩み、もがき続けた1年」五輪金メダルとDLトロフィーとともに凱旋帰国

女子やり投の北口榛花(JAL)が9月16日に帰国し、都内で会見を開いた。 光り輝くパリ五輪金メダルとダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルを手に帰国した北口。冒頭で「オリンピックとダイヤモンドリーグ・ファイナルと重要な試合 […]

NEWS 女子やり投アジア選手権入賞の久世生宝が今季限りで引退 「感謝の気持ちでいっぱい」

2024.09.16

女子やり投アジア選手権入賞の久世生宝が今季限りで引退 「感謝の気持ちでいっぱい」

女子やり投の久世生宝(コンドーテック)が9月15日、10月の佐賀国民スポーツ大会を最後に現役引退することを明らかにした。 久世は岡山県出身の29歳。幼少期から陸上に親しみ、中学では短距離が専門。倉敷中央高校進学後、体力強 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年10月号 (9月13日発売)

2024年10月号 (9月13日発売)

●Paris 2024 Review
●別冊付録/学生駅伝ガイド 2024 秋
●福井全中Review
●東京世界選手権まであと1年
●落合晃の挑戦

page top